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剣しか勝たんVRMMO  作者: 雉里ほろろ
第一章:いざ行かん星の世界、切り拓くは我が剣
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第七話:鍛冶屋とお使いクエスト

 そんなこんなで到着した鍛冶屋。クエストに従い店主に薬草を届けることで鍛冶屋システムが開放された。

 ついでに『メインクエスト:初めてのお使い』が進行し、進行状況が更新された。

 具体的にはクエストの目的が『鍛冶屋に薬草を届けましょう』から、『防具屋に道具を届けましょう』になった。


 典型的なお使いたらい回しクエストだぁ……。


 鍛冶屋の店主であるおっちゃんから「ついでにこれを防具屋の店主に届けてくれ!」と押し付けられた謎の風呂敷をインベントリに収納しつつ、鍛冶屋の機能を確認していく。


「鍛冶屋は武器の強化に関わる大事な施設だよ」

「鍛冶屋は頻繁にお世話になりそうだな」


 鍛冶屋では多くのゲームでそうであるように、集めた素材を使って新しい武器の製作や武器強化ができる。

 スターブレード・ファンタジーではこの武器強化がそれこそ星の数ほど派生があるらしい。プレイヤーの戦闘力に直結するシステムだ、運営も力が入っているのだろう。

 その他にも剣の欠片を使うよりも安く武器の耐久値を回復できる。


「で、向こうの通りにあるのが防具屋。文字通り防具を製作してくれる。アクセサリは宝飾屋に。この三つは今後もたくさんお世話になると思うよ」

「りょーかい、覚えておく」


 他にも消費アイテムを売っている露店が多数あったり、裏路地に入れば奇妙な酒場があったりと、街の中の作りこみが凄い。下手に歩き回るとうっかり迷子になりそうだ。

 ここカッペルの街は初めてプレイヤーが訪れる街であるため、非常に規模が大きい。往来はNPCとプレイヤーが混ざってあちこちを賑やかに歩き回っている、活気のある街だ。ただ歩き回っているだけでも楽しい。


 ナギの案内でカッペルの街を観光しながら重要な施設を見て回り、メインのお使いクエストを消化しきったところで一度冒険者組合に戻る。

 次のメインクエストは『メインクエスト:森の主を討伐せよ』だ。

 内容は、恵みの森の最奥にいるボスモンスター、『フォレストドッグ・リーダー』の討伐。


 ……フォレストドッグ・リーダー?


「なぁナギ。恵みの森のボスモンスターってフォレストドッグ・リーダーっていうのか?」

「うん? そうだよ。手下のフォレストドッグも出現するから、複数のモンスターを同時に相手にすることになるね。とはいえ最初のチュートリアルダンジョンのボスだからね、レベルが5から8もあればソロでも倒せると思うよ」

「じゃあさ、『黒毛の狂虎』っていうモンスターは?」


 俺がナギに尋ねると、「あぁ……」と苦笑い。


「あれはステージギミックみたいなものだね。恵みの森の中を巡回している高レベルモンスターさ」

「なんだ、レアモンスターって訳じゃないのか」


 珍しいレアモンスターだと期待していたんだが。


「もっと先のダンジョンだと通常ポップするからね。というよりリョーダン、ひょっとしてあれと戦ったの? 大きな足音で歩き回っているから避けるのは簡単だったはずだけど」

「泉で水分補給してたから気が付かなかったんだよ。速攻でリスポーンさせられたわ」

「あはは……それは運がなかったね。あれ、推奨レベル40くらいだった気がするけど」


 道理で強いはずだわ。少なくともログイン初日で挑む敵ではない。


「まぁいい。アレはいつかレベルを上げてお礼参りにいく。あわよくばアイツの素材で全身装備作ってやるぜ」

「ふふふ、頑張ってね」


 おう、今に見ておけ。

 ……ところで、あの虎野郎が先のダンジョンで出てくることを知っているってことは?


「ちなみにナギって今レベルいくつ?」

「70だよ」

「このゲームのレベル上限、70だって聞いたんだけど」

「最新アップデートで100までレベル上限が解放されたよ」


 どっちにしろ現状トップクラスのレベルじゃねーか。ナギのやつ、かなりこのゲームをやりこんでいるな。


「俺もさっさとレベル上げするかぁ」


 次のメインクエストはボス討伐だ。つまりはボス戦の備えてレベルを上げたり装備を整えたりする必要がある。


「……え、もう?」


 もう、とは何だ。レベルは大事だぞ。


「れ、レベル上げだと僕と一緒に遊べないでしょ?」

「……まぁ、確かに?」


 ナギは俺よりもかなりレベルが高い。あんまりパワーレベリングは好きではないからなぁ。

 もっとレベル差が少なければよいが、今の段階で一緒にダンジョンに行くのは流石に気が引ける。

 上目遣いにこちらをチラチラ見てくるナギがもう少し一緒に遊びたそうなので、レベル上げは後でするか。


「じゃあレベル上げはまた後でするとして、他に何かあるか? だいたいカッペルの中は案内してもらったと思うんだが」

「……正直、勢いでリョーダンを誘ったから僕もこの後どうしようか困っているんだよね」

「おいコラ」


 なんだその行き当たりばったり。

 俺がジト目でナギを見ると、彼女はバタバタと慌てたように手を振り、そして何かを思いついたのかピタッと動きを止め、


「あ! じゃああそこ行こう! 訓練所!」

「訓練所?」

「そう! 戦闘の練習ができる施設があるんだ。スキルの使い方とかも試せる施設だよ」

「要するに、試し切りができる場所ってことか?」

「そう! そこで一緒に練習しよう!」


 なんだ、そんな場所があるなら早く言ってくれ。


次話は2/1の20:00過ぎくらいに投稿予定です。

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