第二十七話 まだ見ぬ強豪達
「今日はギルドへ行こう」
「ここのところ行ってなかったな」
「そろそろ厄体討伐のポイントが貰えると思う」
「ふむ」
3人でギルドへ向かった。
「はい、厄体討伐3回ですね。少々お待ち下さい」
「刻印が2つ増えますね。さっそく刻みますか?」
「お願いします」
炎の刻印が2つ増え全部で3つになった。
「とりあえず椅子に座ろう」
窓際にあるテーブルにつき話をする。
「私は4つ、2人は3つね」
「今後はギルドの刻印を増やしていこう」
「そだね」
「キットさんの話だと日帰り出来る距離、時間なら問題ないってことだからポイント稼ぎにそこまで影響はない」
「刻印を増やすといいことあるの?」
「もらえる情報が増える」
「情報か」
「ギルド独自の情報網からだから国よりも情報が早い場合もある」
「へぇ」
「さらに行ける場所も増える、ギルド仲間が増える、等いいこと尽くめだね」
「それにしても、ギルドに居る人達、前と面構えが違う気がする」
「ああ、それね」
「厄体の時、街から逃げて戻ってくるのはちょっとプライドが許さないだとかナントカ」
「というのは建前で本音は今回のような危険な状態になるのは怖いからこの街はやめておこうって冒険者が多いみたい」
「まあそれも一つの選択肢だな。死んだら終わりだし」
「そうよねぇ」
「それでか。前と違ってギラギラとした冒険者が多いのは」
「多分そうじゃないかな」
「皆喧嘩っ早そうね」
ファムがギルド内を見渡している。
「ガシャッ、ガシャン」
ギルドの扉が開き、重装備の男達が数人、ギルドに入ってきた。
先頭の男が兜を脱いだ。
「おお、ウッド様だ」
先程までギラついていた冒険者の多くは彼を見るや笑みをこぼす。
「みなさんこんにちは」
爽やかなスマイルとともに歯を輝かせながら皆に挨拶。女性陣は目がハートだ。
「すごい爽やかイケメン」
「彼はウッド・サビ。冒険者の中で一、二を争う強さを持ってるね」
「ああ、彼は強いよ」
竜の王よりも強い。
「なんでそんな有名人がここに?」
「本来はここをベースにしていたんだけど三賢者に追い出されたんだって」
「他の強い冒険者も同じようなことになったとか。それで彼と同じようにこの街に帰ってきているって話だ」
「じゃあ強い冒険者がわんさか集まっているわけか」
「多分ね」
「おうおう、ウッドさんよぉ。いい気なもんだなぁ」
がに股で歩き、ウッドさんを睨みつけ近づきながら因縁をつける男。まさにチンピラといった感じだ。
「アンタは何者だい?」
周りの仲間が前に出ようとしたのをウッドさんは手で遮った。
「前からお前のことが気に入らなかったんだよ!」
声を荒げて怒鳴るチンピラ。
「私はあなたのことを嫌いではないよ?」
くうっ、眩しい。爽やかな笑顔とともに彼の背中から後光が立ち上る。
「べ、別に嫌いって言ったわけじゃ……」
目をそらし頬を染め、言い訳がましく言うチンピラ。そんなチンピラさんは見たくなかった。
「ではいいかな?」
「ふん、好きにしろ」
すごすごとギルドを去っていく男。
自然と拍手が上がった。女性からは黄色い声援も。
皆に手を振りながら仲間とともにテーブルについた。
「色々な人がいるものだ」
「バフォーー」
外から牛の鳴き声のようなものが聞こえてきた。
程なくしてギルドに少女が入ってきた。
「彼女は神獣使いのアイナ・ズユーだね」
15歳位の少女。頭に蛇が乗っている。
「あの蛇は大人しくて人の言葉も話せるから特別にギルドに入ることを許可されている」
「喋る蛇とは珍しい」
「それにしてもミューはいろいろ知ってるね」
「情報収集は得意なんだ」
「いつも助かるよ」
「えへへ」
少ししてギルドに小柄の男が入ってくる。
「彼は……」
思い出そうと必死に頭をひねるミュー。
「彼はシーフのレン・サイだ」
声がしたほうを見ると腕を組んで笑顔のコスラさんが立っていた。
「その後ろにいるのが侍のエル・デュー。彼の相棒だな」
「お久しぶりです、コスラさん」
「久しぶり、ようやく落ち着いたようだな」
「ええ、あれから武器を取りに行ったり、温泉場で張り込んだりとなかなか忙しかったんですよ」
彼は今この街のギルドマスターをやっている。人当たりもよく評判は上々、とミューが言っていた。
少しの時間談笑した。
「流石に君等でも特別扱いをするわけにはいかないからな、気長に頑張ってくれ」
「はい」
品行方正、いいことだ。コスラさんはギルドの奥へ。
「そろそろなにか依頼を受けようか」
「そうだな、えーっと。ポイント重視の依頼がいいわけだな」
「うん」
「ちょっといいかな?」
先ほどチンピラを追い払ったウッドさんに声をかけられた。




