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第二十五話 VR音楽料理ゲーム

 あれから一週間。片付けが終わって住めるようになったため、今日から元民宿に3人で住むことになった。


「いや~いい家が手に入ったわね」


「理想通りの物件だな」


「ここらは飲み屋も多いしホント最高だ」


「温泉付きの物件なんてあるのね。言ってみるものだ」


「おー! サイモン達よ、来てやったぞ!」


「こんにちはサイモンさん。温泉に入りに来ました」


 玄関からアネスとシャールの声が聞こえた。


「どうぞどうぞ、入ってください」


「ああ、そろそろ敬語は辞めましょうか。歳もそんなに違わないし」


「そうしようか」


「じゃあ私達、温泉に入ってくるね」


「どうぞどうぞ」


 女性陣は露天風呂へと向かった。


「良いお湯だった~」


 30分後女性陣が温泉から出てきた。


「サイモンもはいったの?」


「温泉付きの部屋が一つだけあるんだ。そこに入った」


「へ~、それもいいねぇ」


「それじゃ皆でご飯食べに行く?」


「よし! 次はご飯だな! そしてまた帰ってきて温泉だ!」


 皆で食事をして帰ってもうひとっ風呂。


「いい風呂だった。それではさらばだ!」


「ありがとうございました」


 アネスは手を振って、シャールはお辞儀をして帰っていった。


「相変わらず元気だね」


「あの前向きさは勉強になるな」


「ところでこの大剣は領主に返したほうがいいかな? 新しい剣も手に入ったことだし」


 居間に飾ってある剣を指差しながらミューにたずねた。


「このままこちらで所持でいいんじゃないかな。そもそもその大剣を使いこなせる人は昔から居なかったようだしね」


「昔から?」


「ええ、代々飾ってきただけだったらしいよ。確かに使った形跡はなかった」


「ん~、実戦では充分使えるんだけどね」


「いつ手に入れたかもわからないらしい」


「謎が多い武器だな」


「まあ、あんな大きな剣、使える人が少ないんじゃないかな」


 しばらく3人で談笑。


「さて、今日は寝ましょ」


「そうするか」


 朝起きて三人分の朝食を作る。


「ハハハ、面目ない、昨日も言ったが料理ができないんだ」


「私も、格闘一筋でそっちのお勉強はまったく」


「気にしないでくれ」


 VRモード起動。バトルマトリックスにはもちろん料理もある。昨日買っておいた材料、調理用の道具と調味料を並べる。

 料理スタート、同時に音楽もスタート。まずは火をおこすところから。火打ち石に火打金を音楽に合わせてタイミングよくこするように叩きつける。


「キンキンキン、キンキンキン」


 火種が赤く付いたら麻で包む。そこに息を吹きかけ空気を送り込む。炎が上がったら焚き付けの下に入れる。鍋に水を張って火にかけておく。


 次は料理。音楽に合わせながら食材の皮をむき。それらを適切な大きさに切りそろえたら他の食材も切りそろえる。鍋の水が沸騰してきたらスープの具材を突っ込む。


 フライパンを火にかけて炒めもの。油敷いて順番通り、タイミングよく材料を投入する。火が通ったら調味料をふりかけ味見。ここでポイント。個人的にはであるが、初めて作った料理は教科書どおりに作って(分量を本通りに)味見してちょっとでもわからないと思った場合はそのままに食卓に出したほうがいい。ちょっとだけ味見をしても実際わからないことが多いからだ。

 ここで教科書どおり作ったことが生きてくる。全く同じ大きさに切りそろえた食材、調味料の分量、これならほぼ同じ味になるので今回薄味だった場合食塩を足すとか微調整を味見をせずとも出来る。あ、もちろん味見はしたほうがいいです。


 フライパンから皿に移す。スープも調味料を入れ味見して味を整えスープ皿に。パンは昨日買っておいたやつを。食べやすい大きさに切って両面を軽く焼いた。


「出来たよ」


「おー、ベーコンエッグ!」


 この世界にもベーコンがあってよかった。保存優先のためか塩分が多かったけど。冷蔵庫がない世界だからそうなるわけか。

 俺はベーコンエッグをパンに乗せた。


「いっただっきまーす」


「パリッ、ムシャ」


 うまい! 朝食はやはりベーコンエッグ。ただ一つ残念なのはお米がないこと。エッグと米ならば無敵なのだが。


「おはようございまーす」


 シャールの声だ。


「いやいや、忘れ物しちゃってね。あら、おいしそうね」


「サイモンが作ってくれたんだ」


「私達二人は料理できないのよね」


「私も料理はできないよ」


「へぇ、シャールも」


「アネスちゃんの世話は今まで料理は関係なかったからね。今は普通に食事をするけど村の誰かが作ってくれるから問題なし」


「なるほど」


「あ、これこれ。それではまた~」


 シャールは帰っていった。

 しばらくのんびりした後、昼ごはんを食べる場所を探しに皆で家を出る。

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