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夢の中で…
僕らは、今日から高校生になった。
僕の病気は、どんどん悪化していった。
もう僕は、ベッドから起き上がるのですら、難しくなってしまった。
鈴香といつもどうり話していると、今までにないくらい胸が苦しくなってきて、息も出来なくなった。
鈴香がナースコールを押してくれて、彼女の、
「翔。しっかりして。」という声を聞きながら、僕の意識は遠くなっていった。
僕は夢の中にいた。
僕は、鈴香と普通に学校に通って、普通に走って…
制限されることもなく、食べたいものを食べて…
僕は、『ここにずっといたい』と思った。でも、
「翔。戻ってきて」という声がどこからか聞こえてきた。
僕は、静かに目を閉じて眠った後、ゆっくりと目を開けた。




