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二十歳まで生きられない
気づくと、見慣れた病院だった。先生が、
「修学旅行に行かせるのは間違いだったかな?ごめんね翔君。」といってきたが、僕は、あの看護師の言葉が忘れられなかった。
先生は知っているのだろうか。そりゃ、知っているよな…
鈴香は?母さんは?父さんは?僕はかなり不安になった。そして、
「翔君!」という先生の声で我にかえると、息は荒いし、胸も苦しくなっていた。先生は、
「翔君。大丈夫?」とかなり焦っていたが、僕は、
「これは大丈夫なやつですから…」と言って、息を整えた。
『二十歳まで生きられない』この言葉が、重りのように僕にのしかかってきた。




