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93/115

93 山田

「漆黒の闇の中で奏でるレクイエムとともに踊るがいい。ウォォー暗黒龍波烈波斬」


 たった今まで激戦を繰り広げていたセンザンコウが粒子になって消え去った。


 大剣を一回転させ地面に剣先をつけたポーズを決める。


「俺の敵じゃねーな」ドヤ顔でそう言う。


 俺はアブソリュート。高校生の天才ドリオンプレイヤーでそのうちトップの攻略組に入る予定だ。パッケージを購入できたのが少し遅かった為に少し出遅れてはいるがすぐにトップクラスに追いつく予定だ。


「アブ君、バカな事言って無いで次行くよ」パーティメンバーのお姉さんに声をかけられる。


「了解~すぐ行く」



 レベル上げの為に野良パーティに入ってバートンの街とドラゴンスケルの中間辺りに来ている。


「アブ君、毎回スキル放つ度にその必殺技名を言う意味があるの」お姉さんが笑いながら声をかけてくれる。


「言った方がかっこいいでしょ。ドンドン頼りにしてくれていいぜ」アブがそう答える。


「ははは、アブ頼りにしてるからその調子で頼むわ」二十代位のお兄さんがそう声をかけてくれる。


「どんなモンスターでも俺のこの暗黒剣の錆にしてくれよう。ハハハハハ」アブがドヤ顔でそういった。


 パーティメンバーは少し引き気味に微笑んでいる。


「カッコイイ……」そんな中で一人だけそう呟く女の子がいた。



 次のモンスターにターゲットに戦闘を開始する。


「俺の邪魔をするな! 暗黒雷光波動撃」アブが叫びながら両手剣でただのスラッシュを繰り出す。


「アブソリュート、カッコイイ……」そう心の中で言いながらアブを見つめながら回復魔法を唱える女の子。


「サンキュー、セシリア」アブが声をかけると女の子の顔が赤くなった。


「さすがレア職の凶戦士だな~ずっと思ってたがただのスラッシュでそのダメージをたたき出すんだな」一緒に戦う盾役の人が褒めてくれる。


「私も始めて凶戦士の人と組んだけど攻撃力高いね」お姉さんもそう言ってアブをおだてる。


「凶戦士、最強だぜ!」アブがセンザンコウに大剣を振り下ろしながらそう言った。


 セシリア以外のお兄さんお姉さん方にアブは生暖かい目で見られている。


 実際、アブの攻撃力は高くセンザンコウを難なく粒子に返す。


 周りにモンスターが居なくなったので少し休憩をとることになった。


「リアルの事を聞くのはマナー違反だけどアブ君って学生だったりするの?」お姉さんが聞く。


「おうよ、魔界では高一だぜ!」アブが答えた。


「ドリオンで学生は珍しいね」「そうだな~ドリオンは年齢そう高いからな」パーティメンバーが納得する。


「私と同じ」セシリアが小声でそう言った。


 ……セシリアからフレンド登録依頼が来ています。


 アブは無言のフレンド申請に少し驚いたがすぐにYESを押す。


「セシリアありがとうな。よろしく」アブが挨拶した。


「こちらこそフレンドありがとう」セシリアがお礼を言う。


「お、アブとセシリア フレ登録したのか俺ともしてくれよ」そうお兄さんが言った後、パーテーメンバーでフレンド交換する事になった。


「まずい……。こちら側と魔界への扉が開いてしまった。そろそろ戻らねば」アブはそう言った。


 そろそろログアウトしないと不味い時間である。


「そろそろ時間だね~じゃ~解散しよっか」


「「「「おつかれさま」」」」


 ◆◇◆◇


「うひょー女の子のフレできたぜ! しかも向こうから申し込んで来たしこれはフラグだろ」山田はそう心の中で言いながらベットの上で布団に抱きつきながら転がる。


 山田はこの日一睡も出来なかった……

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