17
「おはようございます……」おもいまぶたを開け目を擦りながら挨拶をする。
越後屋さんたちは夜通し移動していたのに元気い一杯でなにやら楽しそうだ。
馬車は順調に進んでおり、僕が起きた後も何事も無く昼過ぎにはバートンの街に到着した。
僕の作った料理は皆に大好評で喜んで食べてくれたので作り置きのストックを全部放出する事になった。
喜んで食べて貰えるとなんだか嬉しい。
「皆さん、ありがとうございました。報酬は冒険者ギルドで受け取ってください」越後屋はそう言った。
一緒に旅をしてきた人達とフレンド登録してもらう。
護衛仲間の三人から料理のお礼だといって料理に使える素材を頂いた。
「それじゃー私達はこれからちょっと用事があるから」そう言い残すと私を残し四人はどこかに行ってしまう。
バートンは広い街で始まりの街の何倍もの広さがある。
整備された街は大きな広場を中心に冒険者ギルド、商人ギルド、生産ギルドとプレイヤーギルドハウスやプレイヤーギルド会館がある。その外側に商店街、外食街などが立ち並んでいる。
その他にもオークション会場や飛空艇の発着場もある様で行って見るのがすごく楽しみである。
街の案内マップで確認しただけでも街を見て回るのに一日で済むかどうかといった広さ。
まずは護衛クエの報酬を貰いに冒険者ギルドに向う事にした。
冒険者ギルドは始まりの町と同じで大勢の人達が詰め掛けており混雑していた。中に入ろうとしたらジロジロ睨まれたので諦めて後で来る事にする。
人の多さにみんな気が立っているのかもしれない絡まれるのはごめんである。
広場に戻り生産ギルドの横を抜け外回りの商店街や外食街のある方に行って見る。それに宿屋も探さないといけない。
始まりの町と違って立派な建物が立ち並ぶ商店街を歩きながら店の場所をチェックする。まだ空き店舗と表示されているお店も多くそのうちプレイヤーショップになるのだろう。
看板を見上げながら歩いていると突然の衝撃に襲われふらつき転んでしまう。どうやら道具屋から出てきた誰かとぶつかりお互い転んでしまったようだ。
「ごめんなさい」
「此方こそ、すみません」
顔を上げると……
「綾ちゃん!?」僕はぶつかった相手の顔を見て驚いてそう言ってしまった。幼馴染とそっくりだったからである。
「えっ!? 誰、私の事、知ってるの」綾ちゃんがあせった表情でそう答える。
まさかの幼馴染の野々村 綾香だった。
僕は綾香の手掴んで人気のない方に移動する。綾香なら良く知ってるし事情を話しても大丈夫だろう。
「僕だよ。谷 ヒロ」僕が言う。
「はいはいヒロ君じゃないね。でも私のことを知ってるって事は知り合いだよね」綾ちゃんは落ち着きを取り戻しそう答えた。
「事情を説明すると……ごにょごにょでそれでこの姿な訳だよ、まったく……」僕が顔をしかめて不満まじりに言う。
「話だけじゃねー証拠は無いの?」綾ちゃんがそう聞いてきた。
「証拠か~綾ちゃんが小学校二年の時に家に泊まりに来た時におね……」僕がそう言いかけると目の前から拳骨が飛んでくる。ダメージは無いが衝撃受けてふたたび転んでしまう。
「それは何の事かな」綾ちゃんが今にも襲い掛からんとするような鋭い目つきで言う。
「ごめん。なんでもないから、僕何も覚えてない」
「まさか、ヒロ君もしてると思わなかったよ。よく見たら小学生の時のヒロ君に少しそのアバターにてるね。でも声が全然違うね~違和感あるよ」
「まーねー」僕が答える。
「智美さんもプライベートでドリオンしてるの? それとも仕事だけ?」綾ちゃんが聞く
「智美姉ちゃんはするって言ってるけど全然ログインしてないんだよねー」僕が答えた。
「とりあえずフレ登録しとこっか。私、今からちょっと待ち合わせあるから明日学校で話しよ」と綾ちゃんが笑顔で言って走っていった。
山田が言ってたけどまさか会うとは思わなかったな……
そろそろ頃合かと見計らって冒険者ギルドに行くと結構人は減っていた。さっきの混雑は何だったんだろう。
冒険者ギルドに入るとバートンの街の冒険者ギルドは大きく人は多いが始まりの街のように混みあっている感じは無い。
受付で護衛クエの報告をして報酬を受け取るとすぐに冒険者ギルドを出て生産ギルドに向かった。
越後屋さん達にもらった料理の素材が沢山あるので調理しなくてはいけない。
もらった素材はコケットのモモ肉、メリメリーの肉、フライフィッシュ。
チーズ、レーズン、ハチミツ、コケットの卵、光ニンニク、鬼しょうが、調味料と粉物などを調理ギルドで購入する。
旅の途中で越後屋さんに教えて貰った商人ギルドにある調理室にこもる事にした。
始まりの街で調理した時は周囲に誰も料理してる人がおらず不人気だと思ったが、みんな調理室を使ってたんだな。知らなかったとはいえ共同作業場で作業台を占領したから周囲に睨まれていたのかもしれない。
さて気を取り直して調理を開始した。今回は調理スキルのアシストを使わずに現実の世界で作る要領で料理をする。
僕は料理も結構得意だ。
ドリオンに搭載された味覚プログラムは高性能でプロのコックや料理研究家が使用しているものと同じである。
レシピ帖のアシスト機能を使わずに自分で一から作り上げるとオリジナル料理を作る事が出来る。そしてオリジナル料理はシステムで認証されるとレシピ帖にも追加できる。
調理室一杯に良い香りを漂わせながら料理を完成させて行く。
ラム肉の甘辛レーズン煮こみ 、コケットのから揚げハーブ風味、フライフィッシュのチーズフライ……
「これをレシピ帖に追加しますか? YES NO」もちろんYESを選択する。
プチ兵衛が足元で座って我慢している様に体をプルプル震わしている。
コケットのから揚げハーブ風味を上げると美味しそうに食べてハートのアイコンをポップさせている。
僕も味見で食べてみる。美味しい~これなら大丈夫そうだ。
多量に素材を貰ったからここからはアシスト機能でどんどん生産していく。
……ラム肉の甘辛レーズン煮こみができました。
……コケットのから揚げハーブ風味ができました。
……フライフィッシュのチーズフライができました。
作り終えるともう日が暮れており生産ギルドを出た。今作った料理の量が多く流石に全部食べられないので急いで商人ギルドに寄って料理の代理販売の依頼をする。
その後は宿屋に向かい大部屋をいつもの様に借りログアウトした。
ここまでお読み頂きありがとうございます。
修正
食べてく作り置きの>食べてくれ、作り置き
私を残し>僕を残し
一日で済むかどうかといた広さ>一日で済むかどうかといった広さ
道具屋から黒い影が行き成り現われる。衝撃と共にふらついて>道具屋から出てきた誰かとぶつかり、僕は衝撃と共にふらついて
料理研究か>料理研究家




