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方向音痴のお嬢様。

そろそろ学校戻します。

学校内の描写の練習しておきます。

「この間から言ってた方向音痴の『藍ちゃん』って。」

「不覚にも私ですわ・・・」


亜季が「また、春兄が女の人連れてきた!!」とか言ってる。

楓がくっついている藍を楓が剥がす。


「近い。」

「それは楓ちゃんもでしょう?」

「うっ・・」

「二人とも離れて~!!」


二人を瑞季が剥がしにかかる。


「春斗が困ってるから一旦落ち着こ、ね?」

「わかった。」

「わかりましたわ・・・」


二人は俺から少し離れて息を整えている。

そこまでなるまで争うなよな。


「すいません、春斗様。」

「ごめん・・・」

「別に大丈夫だけど。」


心臓は大丈夫じゃないけど。


「流石春斗様ですわ。」

「優しい。」


逃げに走っただけでこんなこと言われるのもなんかなぁ・・・

勘違いしてくれてるから結果オーライだけど。


「それでこの時間にこんなところにいるけど大丈夫なの?」

「今日が開校記念日らしいので明日からですわ。ここからそこまで遠くないはずです。」

「あ~。」


察した。


「それ、俺らが通ってる所だ。」

「本当ですの!?知り合いがいるのは助かりますわ・・・」

「迷わない?」

「恐らく迷いますわ・・・出来るだけ近い所にしましたが迷いました。」

「方向音痴。」

「返す言葉もありませんわ。」

「変わってないね~。」


場所を問わず方向音痴らしい。


「春斗様、どうすれば良いでしょうか?」

「俺に聞かれても。」

「私達が一緒に登校出来れば楽なんだけどね。」

「車。」

「車が使えなくなったときが怖いのですわ・・・」


困り顔の藍。

どうにかしてあげたいけど、どうもできない。


「春斗様の家は駄目ですか?」

「大きさ的にきついかな。」

「春斗の家は小さいのよね。」

「貧乏。」

「・・・そうなのですか?」

「言ってなかったっけ?」

「身なりや言葉使いから何処かの偉い方なのかと思いましたわ。」

「あれはただの仕事用。」


この服装は悪くないらしい。

流石、現役お嬢様兼女子高生。


「じゃあ、春斗様が私の家に来てくれれば大助かりですわ。部屋も何もかも揃えて差し上げます。」

「それはちょっと遠慮したいかな。申し訳ないし。」

「・・・春斗様は遠慮が過ぎるのではありませんか?」

「借りすぎるのは問題になるから。」


これは親からの教訓。

そうじゃなきゃ亜季や雪にもっといい生活をさせてやれてる。


「貸すのでは無いのですが・・・」

「それはそれで悪くない?」


瑞季と楓が『それだから・・・』みたいな顔してる。

うるさいわ。


「車が使えないときだけ連絡をくれれば迎えにいっても良いけど。」

「そうね、私が車を出してもいいし。」

「私も出せる。」


流石、全員一言で車を出せるほどの権力者だからな。

当の本人である藍は黙ってしまった。


「藍?」

「・・・」


藍は無言で俺の服をつかんで離さない。


「私は・・・春斗様が良いのです。」

声が震えている。

「春斗様だから来て頂きたいのです。」


「恐らく私は・・・春斗様が好きです。助けてもらった時から。・・・春斗様は優しくされただけで好きになるなんておかしいと思いますか?」


俺は何も答えられなかった。


「返答の難しいことを、失礼しました。では改めて()()()()。」


唇になにかが触れた。


「私は、アイ・ミシュレット・クラウソラス。春斗様、愛しております。」


一番最初からいる瑞季が一番難しい謎。

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