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恋する乙女の心は読めない。

わりと大切な回をちょくちょく入れてます。

久しぶりに長い。

「これは、春斗の分ね。」


プリクラの写真を確認する。

ビックリした顔をした俺とキスをする二人。

それに大きくハートのマークが描かれていた。

この写真をどうしろと?


「まだ唇は早いかもだけどこれくらいなら許してくれるよね!」

「寛大な処置を~」


いつもの二人に戻った気がして

「許すもなにも・・・好意を向けられて嫌なやつはいないだろ・・・」

なんて言葉を発してしまう。


「春斗をデレさせた、やったね!!」

「やった。」


弱さを見せたのは失敗だったか。

油断して本音が溢れてしまった。


「じゃあ、どんどん好意を向けてあげるね。」

「覚悟。」


やる気だされても困る。

二人のアピールが加速するって事だもんね。


「今の無し・・・」

「そんなのないよ~」

「待ったは禁止。」


駄目でした。

これはもう諦めて耐える以外に方法はないのか。


「そういえば春斗から連絡来なかったよね、何処か寄ってたの?」

「私も気になった。」

「迷子を助けてたんだよ。」

「あ~、ここ広いもんね。」

「迷っても不思議じゃない。」


二人が言うほどだから迷う人は迷うのだろう。


「それでも藍ちゃんじゃ無ければインフォメーションまで行けるでしょ。」

「藍ちゃんは絶望的。」

「そこまで言うか。」


そこまで言われてしまうとは可哀想に。


「そろそろ帰らないと時間。」

「はいよ。」


いまだに見慣れないサイズの車に乗り込む。

大きすぎるんだよなぁ。

大きいにも関わらず二人は俺の真横だけど。


「春斗君、一緒に食べよう。」

「春斗は私のを食べるの!!」


さっき買ったらしいお菓子を俺の前に差し出す。

しかしそのお菓子はお嬢様達(二人)の手から直に俺の口へと運ばれている。

新手の苛め(アピール)かな?


「帰ったら夕飯だろ?そんなに食べてて大丈夫なのか?」

「お嬢様は太らないもん・・・」

「はじめて聞いたわそのパワーワード。」

「太らないには同意する。けど、今は食べるのを止める。」

「楓は話が通じるから助かる。」

「私も通じるから!!」


二人は発言通りお菓子を食べることも勧めることも止める。

二人ともすらっとしていて健康体なので太らないのはあながち間違いではないのかもしれない。


因みに俺が細めなのは食べるものが少なく栄養が足りてないだけなので悪しからず。


「おかえりなさいませ、お嬢様。瑞季様、春斗様。」

「ただいま。」

「今日の夕飯は何かしらね。」

「すき焼きでございます。」


二日目の夕飯はメインとしてすき焼きが出てきた。

勿論バイキングのような設備はそのままに、だ。

楓は近況報告等で席を外している。


向こうも夕飯らしいので亜季の方とビデオ通話を繋げてみる。

亜季達もすき焼きらしい。

肉は家族全員の好物だ。

それもあってか亜季はかなりのテンションの高さだ。


『この肉凄く美味しいよ。春兄!!』

「こっちも食べてるが凄く美味しい。」

『春兄?どうかした?』

「いや、なんでもない。」

『春兄隠し事は駄目だよ!!家族でしょ!!』

「驚かないでもらえると嬉しいんだけど・・・瑞季に告白された。」

『・・・え?』


『ええ~!!!!!』


とても大きな声が響き渡る。

幸いイヤホンをしていたので回りには聴こえていないはずだ。


何かぶつぶつ言ってるけど聞き取れない。


『春兄は何て答えたの?』

「まだ、何も・・・」

『そうだよね・・・』


悪かったなヘタレで。


『春兄は優しいからさ。皆に悔いが残らないようにしてるんだもんね。二人を泣かせたら許さないから。』

「了解。」

『肉来たから切るね!また、明日!』

「おやすみ。」


通話は切れた。


「亜季ちゃん何だって?」

「瑞季が告白したことに対してビックリしてた。」

「そっかあ、そりゃ兄を取られるんだもんね、ヤキモチも妬くか~。義妹(いもうと)だもんね。」

「だからって亜季がヤキモチ妬くなんてことは無いだろ。もうすぐ反抗してくるよ。」

「どうかな~。」


なんだよ、リアル兄の俺より亜季を知ってるみたいな口ぶりは。


亜季との出会いはそんなにいいものじゃ無かったのも知ってるだろうが。


「春斗~?」

「どうしたんだよ、瑞季。」


口に肉を押し込まれる。


「お返し。多分あのときの私みたいな顔してたと思うよ。」

「悪い。」

「よーし、その笑顔だ。」


やっぱり肉はいいな。


「・・・むぅ。」


すいません。一つだけ質問。

俺何か怒らせるようなことしましたか?

帰省の為更新遅れました。(言い訳)

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