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シャスティング 犠牲になるのは私を愛してくれた人?  作者: 魔神スピリット
第一章

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第26話 不利な勝負

 目の前の男シアンは、笑いながら泣いている仮面を付けた、長身の男だ。水色のピエロ風の服を着ている。


『どうぞ、クリムゾンの駒です。一体、ご自由にお選びください』


 目の前に、クリムゾンの駒五体が表示されるが、前回のシャスティングの時にどの駒を選ぶか決めていた。

 念のため、スキルを確認しておく。


〔牛の駒〕 通常駒


スキル⚫魔法耐性 ⚫頑強


⚫魔法耐性:魔法によるダメージを受けない


〔サイの駒〕 通常駒


スキル⚫熱耐性


⚫熱耐性:火や熱によるダメージを受けない


〔熊の駒〕 通常駒


スキル⚫熱耐性



〔象の駒〕 通常駒


スキル⚫熱耐性



〔大猩々の駒〕 通常駒


スキル⚫熱耐性 ⚫握力


⚫握力:強力な握力を得る


 どう考えても、牛の駒を選ぶべきだな。一体だけ所持スキルのレア度が違う。スキルの数ならゴリラだが、スキルの凡庸性が違いすぎる。


 クリムゾン戦で分かっていたことだが、全ての駒にスキルを付与しているのなら、シアンの駒も同様だろう。

 明らかに、俺達のスキルが足りない。


 結局、カイトシールドを装備した牛の駒を選択した。


『では、ルールの説明・・・の前に、取引をしませんか』

「取引?」

『僕に有利な条件でシャスティングをしましょう。今回の通常の報奨は、スキルクリスタル三つに変容液一本、通常駒一体・で・す・が、条件をのんでいただければ、スキルクリスタル五つに変容液二本、通常駒を僕の持ち物から三体差し上げます』


 変容液が何か分からないが、スキルと駒が増えれば戦術が広がるが。


『今回のルールは、使用する駒の数は十体、カード二十枚にプラスして白のカード十枚、メダルは五枚です。条件をのむ場合、私だけ駒の使用数を五十体にしていただきたい』


 ・・・な・・に?今あいつ、なんて言った!?


「そんな条件のめるわけないでしょう!!ふざけているのですか!」


 ルーザの意見に同意だ。

 シャスティングの勝敗が数だけで決まる訳ではないが、あまりに戦力に差が有り過ぎる。

 ・・・だが、頭の中の何かが挑めと言っている。この先も()()()()()為に。この程度の難関、超えて見せろと。


 俺は準に、マリア、ルーザ、祭り、楓を見詰める。

 皆が、それだけで察してくれた。


「お前に有利な条件を受け入れる」

『流石だ。それでこそ僕の固金だ!』

 

 頭の中のモヤモヤが吹き飛び、怖気が全身を駆け巡る。

 ていうか、口調が変わってる!

 背後では、濃密な殺気が四つ生まれる。


『ペナルティなんですがね、固金には僕の奴隷になって貰いたい!』

「・・・お、俺が勝った場合は・・・」

『君には申し訳ないけど、汚らわしい女と共に生きるなんて、僕には耐えられない!潔く死を選ぼう』


 助かったーーーーーーーーーーーー!ルーザみたいに奴隷になるとか言い出したらどうしようかと思った!


「あんた・・・男じゃないの?」


 確認せずには居られなかったのだろう、祭りが聞いてしまう。


『失礼な!僕はれっきとした男だ!ただ、美少年を愛しているだけだ!』

「・・・俺って・・・美少年なのか?」


 内心、顔は悪くない方だと思っているが、断じて美少年と言われる程ではない。


「固金さんはカッコいいですよ!」

「ご主人様は素敵です!」

「あんたは・・・頼りになるわよ(ボソ)♡」

「固金くんは、楓の王子様だよ♡」

「そうだ!君という存在は、世界の奇跡そのものだ!!」


 最後に余計なことを言うんじゃねえええええええええ!!

 せっかく心が温かくなっていたのに、一気にブリザードに突入だよ!


「・・・準備に使える時間は」

『君が望むだけの時間をあげよう!と、言いたいところだが、あまり女達とイチャイチャされては困る。僕の心が、どうにかなってしまいそうだからね!と言うわけで、三十分でどうだろうか』

「三時間で・・・・・・全員、待機室に移動ーー」


 一同が、訓練を受けた兵士のごとく待機室へと向かう。・・・楓は、場所を知らないはずなのに。

 シアンと話していると、俺の方がどうにかなってしまいそうだ。


『そんな!なぜ僕の心を、そんなにも掻き乱そうとするんだい!我が愛しの固金ーーー!!』


 ・・・・・・・・・マジでウゼーーーーー!


            ★


 一気に疲れた。だが、やるべき事をやらないと。

 まず、全員のスキルを確認する。


〔暗崎固金〕 異界人 十六歳


スキル⚫言語理解 ⚫並列思考 ⚫??? ⚫催眠



〔泉マリア〕 異界人 十六歳


スキル⚫言語理解 ⚫幸運 ⚫閃き 



〔ルーザ〕 エルフ 十六歳


スキル⚫言語理解 ⚫必中



〔火野祭り〕 異界人 十六歳


スキル⚫言語理解 ⚫剛力 ⚫魔力操作 ⚫火魔法



〔立花楓〕 サキュバス・異界人 二十歳


スキル⚫言語理解 ⚫妖艶 ⚫器用



 ”妖艶”だけだった楓のスキルが三つに増えている。

 ”言語理解”が増えるのは分かっていたが、三つ目のスキルを手に入れるとは。

 早速調べてみる。


⚫器用:道具の扱いや技術の習熟が早くなる


 楓が持っていて当然のスキルだな。経験が無いことでもそつなくこなすし。


「ルーザ、白のカードについて教えてくれ」

「白のカードは、唯一他のカードと組み合わせて使えるカードです。大抵は、使用するカードの欠点を補うものを使います。トリッキーな青のカードには強化系・回復系のカードを合わせるとか」

「つまり、青、赤、緑のカード全ての特徴を持っているということか」

「その分、効果内容が色付きのカードより劣るものが多いですね。利便性が高いという特徴もありますけど」


 ハンティングギアを操作して、白のカードのリストを広げる。


「他のカードより種類が多いな」


 他のカードは効果が偏っているからな。それらを補えるようにしたことで、結果的に多くなってしまったというところか。


 今回のシャスティングのルールと俺達が持つ手札・・・・・・幾つか策は浮かんだ。

 問題は、シアンがどの色のカードを使ってくるのか読めないということか。


 今まではルールやフィールドから相手の戦術を予測する事が出来たが、今回分かっているのは、大量の駒を使用してくるという事だけだ。

 単純な物量作戦で来てくれれば良いが。


 カリッ、カリッ、コリッ。


 なんだ?

 音の方を見ると、マリアが楓のお爺さんに貰った漬物を食べていた。・・・マリアさんは、何をしているのかな!


「固金さん、包みの中にこんなのありましたよ」


 マリアが差し出してきたのは、古びたハンティングギアだった。


「もしかして、ご先祖様が使っていた物?」


 俺のハンティングギアと見比べながら楓が尋ねる。


「ご主人様達の世界に来た、サキュバスの物かもしれませんね」


 律儀にルーザが応える。


「・・・楓のお爺さん、本当は全部気付いていたのか?」


 ある程度察することは出来ただろうが、俺達の事情を正確に分かっていなければ、ハンティングギアを渡すなんて意味が無い行為だ。

 本当に、どこまで気付いていたのか。


 俺が、ハンティングギアを装着した左手で受け取ろうとすると、マリアが渡そうとしたハンティングギアが光となり、俺のハンティングギアに吸い込まれていく。


「これで、吸い込まれた方の中身がご主人様の物になったはずです」


 確認してみると、確かに駒が四体とスキルクリスタルが二つ増えていた。

 その内の一体が目に付いたので、表示する。


陸〔ホロケウ〕日本狼 変質駒


スキル⚫隠密 ⚫転換


⚫隠密:気配を消す

⚫転換:武具のスキルを自身に使用できる


 色々言いたいことはあるが、まずは確かめないと。


「ルーザ、変質駒ってなんだ?」

「今回の報酬の一つ、変容液を通常の駒に使うと、変質駒という物に変わります。ただ、ゆう・・つ!」

「大丈夫か!」

「すみません。この辺りのことは、まだ喋れないようです」


 今後のシャスティングに関わる重要なことなのだろう。無理に知ろうとしない方が良さそうだ。


「変質駒になると、新しいスキルを手に入れる場合があります。駒の能力が上昇する場合もありますね。ただ、狼の駒に変容液を使ったからといって必ず日本狼になるわけではありません。その辺りはランダムだそうです」

「この、ホロケウというのは?」

「この駒の名前ですね。()()()()()()()になると、名前を付けられるようになるんですよ」


 上手いなルーザ。間接的に変質駒とは別に通常駒以外の種類があると言っているわけだ。

 無言でルーザの頭を撫でてやる。

 それだけで幸せな顔をしてくれるのだから、男冥利に尽きるというものだ。


「ああ、ズルい・・・」


 誰かの呟きが聞こえた。


「じゃあ、シャスティングが終わったら固金さんに、良い子、良い子して貰いましょう」

「皆さん、頑張りましょう!」

「サッサと終わらせてやる!」

「王子に良い子、良い子される?・・・年下の男の子に・・・・・・良いかも♡」


 マリアの言葉に全員がやる気を漲らせる。・・・別に、今撫でても良いんだけどな。


「ルーザ、公園にあった銀の大時計の事なんだが・・・」

「異界に喚ばれる事に関係あるか、ですね。関係はあるかもしれませんし、無いかもしれません。正確なことは私にも分かりません」

「そうか・・・」


 俺やルーザが大時計の近くに居ないときに転移したこともある。もしかしたら、誰も大時計に近づかなければ、異界に転移せずにすむかもしれないが・・・・・いつ喚ばれるかビクビクするのも疲れそうだな。

 結局は勝てば良いんだ。あと四回勝てば、このゲームから解放されるのだから。


「そんな顔をしないでください。シャスティングに勝ったら、皆のオッパイを触っても良いですから♡」

「い、いや、それは申し訳ないというか・・・」


 急に何を言い出すんだよ!この天然さんは!


「固金さんは、オッパイ好きでしょ♡」

「・・・す、好きだけど・・さすがにそれは・・」


 さすがにそれは、俺の理性が吹っ飛びそうなので遠慮しておきたいのだが・・・。


「むしろ触ってくださいご主人様♡」

「ちょ、ちょっとくらいなら・・・良いわよ♡」

「王子が、固金くんが私の胸を・・・浄化してくれるなんて♡」

「浄化ってなんだよ!楓の胸は綺麗だよ!」

 

 違うんだーーー!違わないけど、そういう事が言いたいんじゃないんだよ!


「わ、私のはどうなんですかご主人様!」

「・・・・・・・・・ウ~・・・何言ってんのよ、このバカはー」

「綺麗・・・いろんな男に触られたのに綺麗って言われたよ~~♡」


 ああ、浄化ってそういう意味か。・・・うん、楓の為にも是非とも浄化しないと!


「フフフ、固金さんの無邪気な顔、可愛いです♡」


 なんだかんだで、和気あいあい?と時間は過ぎていった。



           ★



 今回のシャスティングのフィールドは、第一回戦のフィールドをそのまま大きくした物だ。

 面積が三倍になったこと以外は、陣地の位置や仕掛けなども変わらない。


 俺達がフィールドに着いたとき、既にシアンは、セッティングからスタンバイまで終えていた。

 プレシャス駒を含め、総勢五十一体。さすがに、これだけ並ぶと壮観だな。

 駒の大半は陸駒。空駒と海駒はそれぞれ十体前後か。


 プレシャス駒は当然シアンの現し身。

 カードは緑か。赤のカードで全体を強化する可能性が一番高いと思っていたが。


「スタンバイ」


 マリアが、一足早くバトルフィールドに降り立つ。

 では、幸運の女神を守る戦士達を舞台に上げようか。


「セッティング!」


 マリアを守る十体の駒が出現する。

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