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シャスティング 犠牲になるのは私を愛してくれた人?  作者: 魔神スピリット
第一章

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第13話 スキルとエロフ

 共同生活が始まった日は、部屋割りや荷物の整理、一緒に暮らす上でのルールを決めるなど忙しかった。

 次の日は、朝から夕方までバイトがあったので、二人とゆっくり話せる時間がとれなかった。

 

 バイト先の本屋で、祭り(まつり)と一緒に仕事をしていたのだが、何やら様子がおかしかった。


「いつの間にか、また新しい女が。しかも一緒に暮らすとか、おかしくない」


 仕事中、何度かブツブツ言っていた。祭りのこんな姿は珍しい。いつもは、坦々と仕事をこなすのに。

 

 祭りの様子が気になったが、友だちと呼べるほど親しくもない男に心配されても迷惑なだけだろう。

 バイトが終わった後、スーパーに寄ってから家に帰った。


 それでようやく話す時間がとれると思ったら、俺が晩ご飯を作ることになった。

 というのも、ふたりとも料理が苦手だったのだ。


 昨日の夜と、今朝は忙しかったので、弁当を買って食べたが、この二人は、昼にまたピザを注文したらしい。合計八千六百円の昼食。

 ルーザがピザを気に入ったらしく、マリアにお願いしたのだそうだ。

 こんな調子では、あっという間に生活費が底をついてしまう。少しでもお金を貯めておきたいのに。


 元々自炊をしようと思ってはいたが、交代制にするつもりだったんだけどな。お金の管理も俺が担当した方が良さそうだ。

 あのふたりだと、勢いで散財しそうで怖い。


「ご飯出来たから運んでくれ。」


 マリアが運ぶのを見て、ルーザがまねをする。

 ルーザにとって、ここは異世界。勝手が分からない事が多いようだ。出来るだけ目に留めるようにしよう。


「これ、本当に固金さんが作ったんですか?」


 俺が作ったのは、ハンバーグ、野菜と鶏肉を煮込んだパセリのスープ、千切りキャベツを焼き肉のタレとマヨネーズと辛子で和えたものをサンチェに乗せたサラダだ。

 デザートにりんご一個を使ったケーキも作った。


 三人分も作ったから、一時間以上掛かってしまったか。

 後で三日分の仕込みをしないとな。

 ・・・俺一人で用意した方が食費の管理がし易いか。


「固金さんの主婦力が高い!」

「一人暮らしをしていれば、これくらい誰だって出来るだろう?」

「私は出来ませんけど・・・」

「よく分かりませんけど、スゴいんですね、私のご主人様は♡さあ、早く食べましょう!」

「そうだな、冷めないうちに食べよう」

「話してる間に洗い物まで終わってる!!」


 何故マリアはそんなに驚いているんだ?


            ☆


 ふう~~~♡


 こんな大きい風呂に入ったのは初めてだ。

 風呂場だけで教室と同じくらい広いんじゃないか?浴槽も、余裕で十五人は入れそうだ。

 一家庭の風呂にしては、広すぎる気がするんだが。

 ・・・・風呂掃除・・・大変そうだな。ルーザにやらせるか。俺とマリアが学校に行っている間暇だろうし。

 マリアとルーザは、今皿洗いをしている。

 俺一人でご飯の準備をしたので、一番風呂を譲ってくれたのだ。

 提案してきたのはルーザだ。

 彼女は中々気が利く。要領が良いと言うべきか。最初はテレビや冷蔵庫に驚いていたが、今日は半日パソコンをしていたらしい。

 

 にしても、広い風呂はいいな~。

 アパートには、シャワーしかなかったからな。風呂なんて一年以上入ってない。


「気持ちいい~~!」


 ガタッ


 今、物音がしたような?気のせいか?

 たまにあるんだよな。近くで急に聞こえたりする事が。


 ガチャッ


 今度は別の方向から音が!

 何事かと勢いよくそちらを見ると、タオル一枚巻いた女の子二人が入ってくる所だった。


「な、何してるんだお前ら!」

「フフフフフ、マリアさんと一緒にご主人様をねぎらおうと思いまして」

「・・・・・恥ずかしいです♡」


 小悪魔な笑みを浮かべるルーザと、顔を赤くしながらも嬉しそうにしているマリア。

 二人は、そのまま湯船に入ろうとする。って!


「まてまてまて、入る前に湯で体を流せ。それがマナーだ!」

「あれ?そっちなんですか?てっきり、嫌がると思ってたんですけど」


 しまった!


 そうこうしている間に、さっさと体を洗って両隣からしな垂れかかる二人。

 両側から、腕の辺りに気持ちの良い感触が。

 右側にルーザ、左側にマリアだ。やっぱり、マリアの方が大きいな。ルーザも十分に大きいけど。何カップくらいだろうか?

 いや、そんなことよりもこの状況をなんとかしないと。


「お、おい」

「私に色々聞きたいんじゃありませんか?」


 そう言いながら、腕を絡めてくるルーザ。


「むー」

 

 マリアも対抗するように腕を絡めてくる。

 さっきよりも強く当たってる!これ以上は、下の方が反応してしまう!!

 こうなったら、話をして意識を逸らそう。


「えっと、ルーザはエルフなのか?」


 よくよく考えると、本人の口から直接聞いていなかった。


「はい、私はエルフです。年は十六歳ですよ」

「やっぱり、長生きなのか?」


 エルフが長寿という話は、何度も耳にした事がある。


「大体二百年くらいで寿命を迎えると言われています」

「凄いな!」

「ただの種族特性ですよ」


 謙遜しながらも、耳がピクピク動いている。犬の尻尾みたいだな。なんだか愛らしい。


「ルーザは、こことは違う世界の人間なんだよな。あの異界って呼んでた場所がそうなのか?」


 シャスティングを行う場所以外、何も無いように見えたので疑問に思っていた。


「あそこは、シャスティングを行うためだけの空間です。私が生まれた世界には、めいきゅつっ!!」


 急に頭を抱えて苦しむルーザ。


「ルーザさん!」

「大丈夫か!?」

「ガハッ!」


 ルーザが急に立ち上がり、湯船の外にベチャッと血を吐く。


「ハアハアハアハア・・・すみません、情報の開示に制約があるみたいです。駄目なことを話そうとすると頭痛がして、それでも無理をすると吐血するようです。汚してしまって申し訳ありません」


 ぐったりとしたルーザの肩を掴み、湯船に浸からせる。


「無理をするな。心配になるじゃないか」

「信じてくれるのですか?」

「ルーザさんは、固金さんを愛しているじゃないですか。そんな人が私達を騙すなんて思っていませんよ」

「マリアさんは、聖女のようなお人ですね。さすがは固金様の女です。私も頑張らないと」


 色々言いたいことはあるが、二人の仲が良いのは判った。


「お風呂から上がったら、スキルについて教えますね」

「スキル?」

「フフフ、それにしても、こんなに大きくなる物なのですね」


 ルーザの視線は、俺の下腹部の方を見ていた。

 

 このエロフめ!


 マリアも見ていたのに気付いていたが、触れないでおいた。


           ☆


 今俺は、あてがわれた自分の部屋にいる。

 寝室にしては広すぎる部屋には、天蓋付きの巨大ベット、小さな冷蔵庫に四つのクローゼットがある。

 金持ちの考える事はよく分からないな。


 マリアの話では、両親が使っていた一番良い部屋らしい。

 気遣いは嬉しいが、正直広すぎて落ち着かない。


「ハンティングギア起動」


 スキルについて知るために、マリアとルーザも同席している。

 二人とも、胸元が開いたネグリジェを着用している。ルーザは薄い紫、マリアは檸檬色だ。・・・じゃっかん下着が透けて見えるんだが。


「起動状態で、私に向かって表示と言ってください」

「表示」


 ハンティングギアの近くに光のウィンドウが現れ、ルーザについて表示する。


〔ルーザ〕 エルフ 十六歳


 スキル ⚫言語理解 ⚫必中


 これがスキルか。

 

「言語理解は、言葉や文字を理解するためのスキルです。私の世界の住人は、皆生まれたときから持っています。お二人も異界に召喚された時点で、与えられています」

「この”必中”のスキルは?」

「文字に触れてみてください」


 ”必中”の文字に触れてみると、”必中”に関して詳しく表示される。


⚫必中:必中のタイミングと方法を知る事が出来る


 よく分からん。


「なんとなくですが、必中するかどうか判るんです」


 感覚的に判るということか。やっぱり分からん。

 次にマリアを表示する。


〔泉マリア〕 異界人 十六歳


スキル ⚫言語理解 ⚫幸運


「異界人てなんだ?」

「私から見て、ご主人様とマリアさんは、異世界の人間ですから」


 ハンティングギアは異世界の物だから、向こう目線で表示されるのは当たり前か。

 次に“幸運“について調べる。


⚫幸運:なんだかんだで幸運な人生を送れる


 ビミョー!微妙だな。つか雑だな説明!


「さ、最高ランクのレアスキルじゃないですか!!さすがマリアさん。正真正銘の幸運の女神!」


 なんか凄いスキルらしい。

 最後に自分のスキルを表示する。


〔暗﨑固金〕 異界人 十六歳


スキル ⚫言語理解 ⚫並列思考 ⚫???


「三つもあるのか?」


 一つ???になっているんだが?


「やっぱり持っていましたね“並列思考”のスキル」

「このスキルがどうかしたのか?」

「“並列思考”も最高ランクのスキルです。トッププレーヤーなら大抵の人が持っています。むしろ、”並列思考”を持たないプレーヤーが、上位のプレーヤーになることは、まずあり得ません」

「さすが固金さんですね♡」


 ルーザと同じようなことを言っているぞ。


「だからこそ、私はご主人様を選んだんですよ」


 どういう意味だ?


「私は元々、三戦目と四戦目の担当でしたが、ご主人様とマリアさんの試合を見て、次の試合の担当を自分にしてほしいと頼んだんです。」

「俺が”並列思考”のスキルを持っていたからか。」

「ええ、でなければ、属性が違う駒を同時に操るなど不可能ですから」


 ルーザが、どこか俺を過大評価している節があったが、そういうことか。


「俺の奴隷になるために、戦ったのか?」

「本当に、負ける気は無かったんですよ。あのままだと、死ぬまで異界人とシャスティングをする事になっていましたからね。ご主人様なら奴隷になっても良いと思ってましたし」


 そんなに割り切れるものか?


「だって、ご主人様が物凄~く私の好みだったんですもん。映像で初めて観たとき、下の方がキュンキュンして濡れちゃいましたよ♡」


 やっぱり、こいつはエロフだ!

 クネクネと恥じらっている様は、まさしくエロフ!


「ハア~ア」


 マリアがあくびをした。


「明日は学校もあるし、そろそろ寝よう」

「そうですね、ご主人様♡」

「ハイ!寝ましょう♡」


 そう言って、当たり前のように俺のベッドに上がる二人。

 ご丁寧に、ベッドの左右に陣取り、二人の間が俺の位置だと言わんばかりだ。


 何してるの、お二人さん。


「固金さんが来ないと寝られないじゃないですか。ほら、早くしてください」


 マリアのあの目は、単純に三人で一緒に眠りたいだけだな。

 ・・・ならいいか。

 俺は抵抗せずに、二人の間で眠ることにした。


「おやすみ」

「「おやすみなさーい♡」」


 灯りを消すと、マリアとルーザが身を寄せてきた。

 二人の体温を感じながら、俺は眠りについた。


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