~37.先生!集団リンチはよくないと思います(満場一致で主人公の主張は却下されました)…~
本当にお待たせいたしました…って半年は待たせすぎだろ!!
と色々なところからお怒りのお言葉をいただきそうですが…まったくその通りです
大変申し訳ございません。
私が更新できない間も読んで下さった皆様本当にありがとうございます。
あまりに書けず、もう更新はやめようと思ったときもPVやユニークアクセスを
見るたびに元気をもらいました。
まだ物語は途中なのですが、ここから更新頻度をあげて必ず書き上げます。
なのでこれからもよろしくお願いいたします
9/29追記
申し訳ございません!次話投稿まで、もう少しかかります…
確定次第すぐに連絡&投稿いたします。
まず俺は一番先に飛んでくる無数の火球に狙いを定める。
瞬時に一番最初に到達するであろう火球へと近づく。
「剣舞『吹雪』」
最初の火球を二つに斬り裂くと地面に到達し爆発した。
その爆発音が耳に届く前にすでに次の火球へと斬撃を浴びせる。
飛んでくる火球の速度と角度を見極めて一振り…今度は数発が地に落ちる。
こうして最小限の斬撃ですべての火球は俺に触れることなく爆発、四散した。
俺は一息つく暇もなく次へ向かう。
今度は先程の光景に怯んだ肉食獣達へと一気に距離を縮めた。
それに気づいた彼らはすぐに体勢を立て直し、襲い掛かってきた。
牙や爪は鋭利で触れるだけで皮膚が裂けるだろう…だが所詮苦し紛れの攻撃だ。
「剣舞『清流』」
全ての攻撃を流れるように紙一重で避け、さらに急所への一撃を加える。
俺とすれ違ったとの彼らはその一撃によって動く事ができず、その場に伏せることしかで
きなくなった。
そして最後に炎の息を吐いた竜の元へと向かう。
近づいてきた竜が吐いた炎は強力だ。包まれたら灰すら残らないほどの熱量を感じる。しかし幸いにも炎はひとつしか迫ってきていない。
「剣舞『疾風』」
打撃による加速を受けた刃が炎を引き裂き、それにより発生した突風が攻撃をした本人もろとも後方へ吹き飛ばした。
…この一連の流れを終えるのに十秒も経過していない。
一瞬にして俺の居る場所は火の粉と動かなくなった数匹の肉食獣で埋め尽くされていた。
「な、なんだと…」
この光景にレフィストは呆然とした様子で剣についた炎を振り払う俺を見ていた。
「勘違いしているようだが、俺の使う『蒼月流』は人を護るためのもの。元々不利な状況を想定し打破するための剣技だ…これくらい造作もない。」
驚愕するレフィストとは対照的に俺は静かに答えた。
「だったらこれを防いでみせろ!」
俺の言葉を聞き、怒りを露にしながらレフィストは手を前にかざした。
それを合図に魔道士達の手に光が集まり始めた。
その光の数…先程襲ってきた時よりもはるかに多い。
おそらく倒れている仲間を巻き込んでまで俺を燃やすつもりだろう。
さらに魔道士によって光の大きさが違っている。
どうやら火球を打ち出すタイミングを微妙にずらすことで今度は俺のいる場所だけでなく避ける空間をも火球で埋め尽くそうとしているようだ。
そして最前列にいる魔道士はすでに魔技を展開し終えている。
おそらくは…回帰領域。今度はこちらの動きを確実に止める気だ。
(さて…どうするかな)
俺は目線だけを動かし周囲の状況を注意深く観察する。
魔道士はざっと見ただけで十数人。
よく見ると回帰領域を発動している数人の魔道士達と火球を発動しようとしている残りの魔道士達は距離が離れている。
これだと魔道士全員を攻撃して発動を止めるのはとてもじゃないができそうにない。
(攻撃が駄目なら避けきるのは…いや、無理だ)
シューティングのように小刻みに迎撃と回避を続けていても状況が改善するわけではない。
仮にこのまま続けていれば火球は対象を失い壁や床に当たり爆発するだろう。
すると爆発の振動や爆風などの影響を受け、自分の動く範囲が狭まる。
ただでさえ周囲は魔道士や大型の怪物…俺の動ける空間は限られている。
自ら動ける範囲を減らすことは自分の首を絞めることになる。
まったく…俺の身体を使うって言いながら燃やす気満々かよ。
(だとすると…ここか)
周囲を見渡し状況を打破できる一点を見つけると、左手に持った剣をレフィストに向け水平に構えた。
「どうした?さっさと撃ってこいよ。」
挑発するような行動に言葉を合わせると、周囲の魔道士達に宿る光が強くなった。
そして光が黒い火球へと変換される瞬間を見計らい、水平に構えた状態から身体を強くひねり横に剣を強く薙ぎ払った。
その勢いは凄まじく、剣先からは軌道に沿って強烈な風が周囲に巻き起こった。
この風は剣圧で造り上げられた物。当然魔技でないため回帰領域で無効化できない。
そのためレフィストを含め場にいるフィジレス達はとっさに手などで目をしかめながら顔を隠した。
魔道士達はその行動によって魔技の発動が一瞬遅れる。
…その一秒にも満たない魔技の硬直が狙いだった。
風が通り過ぎ、視線を向けるともう俺の姿は先程までいた場所から消えていた。
フィジレス達は周囲を見渡して俺の行方を探すが見つからない。
そんな中、不意にひとつの光が空へと舞い上がった。
この空間の中に光を放っているものは一つしかない…それは火球を放そうとした魔道士だった。
一度上がった皮切りに次々に魔道士達が上空へ飛ばされる。
わけが分からず魔道士達は魔技の発動を中止しに周囲を見渡すがなにも見つけられない。
「これで最後だ。」
そう小さくつぶやきながら俺は左腕に力を込めて強烈な一撃を放つ。
その一撃に最後に上がったフィジレスが地面に叩きつけられると一際大きな音が鳴り響いた。
その音に気づいたフィジレスたちは一斉に視線を向けた。
その先には魔道士…よりもはるかに巨大な竜が横たわり、その横には先程まで消えていた俺の姿があった。
「なにっ!」
驚きを隠せない様子で俺のことを見ながらつぶやいた。
…というかこいつさっきから驚きすぎじゃないか?
「なぜ回帰領域の中で魔技を…」
「また勘違いしているようだな…俺は瞬間移動の魔技なんか使っていない。ただの体術だ。だから回帰領域は俺に効果がない。」
「いや、それ以前になぜおまえは動ける。回帰領域の影響下にある以上、まともに動けなくなるはず…」
「それは勇者だからだ。」
動揺しているレフィストに対して自信に満ちた表情で答えた。
まあ実際は俺に源炉がなくて魔技が使えないのだけなのだが…
「…なんという能力だ。そんなの反則ではないか…」
「おまえが言うなよ!」
レフィストこそ魔技を無効化し、他人を支配し、相手の源炉を利用する…おまえこそチートの塊だろう。
「考えが甘かった…」
俺が心でツッコミを入れているときにレフィストがそうつぶやいたのが聞こえた。
その顔は先程までの驚いている様子が消え、真剣なものへと変わっていた。
「お前を利用するのではなく…今ここで確実に葬らねばならないようだ。」
そう言い放ったレフィストの声は動揺していた時とは明らかに違っていた。
その声を聞くと体の芯から恐怖を湧き上がらせるような錯覚を覚える。
…それほどまでに殺気を感じるのはそうそうないぞ。
(ん?これは…まずいな)
レフィストの声に影響されたのか周囲の雰囲気が暗く重く変わったことに気づいた。
どうやら俺の身体を使うことを諦めて本格的に俺を殺すつもりのようだ。
…とんでもなく嫌な予感しかしないな。
「なら…こっちからやるしかないか!」
この無数の殺気が降り注ぐ状態で、俺はその場から飛び上がりレフィストへと斬りかかった。




