木こり
「何だ、もうへばったのか」
「すまない、こういうことは慣れてないんだ」
「まあ、良いけどよ。いくらなんでも鬼畜過ぎないか。どう思う、リク」
「僕も、そう思うな」
星空の森に来てから二日が過ぎた。
初めてここに来たときは驚かされたものだ。
外は昼なのに中に入ってしまえばそこは満天の星空。
ここは常に夜、と知ったときは仰天した。
まあ、更に驚かされたのは本格的に探索を始めてからだったのだが。
家も何も無かった。
本当にそこにあるのは森だけ。
生活に必要な食べ物すら無い。
全て時給自足、と紅魔館のメイドが言っていたが、本当の意味での「全て」だとは思わなかった。
1日目は森の中で地面に寝そべって寝たのだから、布団の有り難さが心に染みる。
二日目は周辺の伐採から始まった。
住居に必要な土地と、それを建造するための建材が必要だった。
偶然青牙が斧を持ってきていたのと、別チームの一人がシャベルを持っていたのは幸運だった。
二日目は伐採を終わらせ、三日目に整地をする筈が、星空の森の木は堅く、中々斬り倒せなかった。
「木こる」と言う言葉を生み出した某サンドボックスゲームは、素手で木を斬り倒していたが自分でやってみるとやはり不可能だ。
__と言うわけで今に至る。
三日目は食料を確保する班と木を斬り倒す班に分かれ、僕は木を斬り倒す方に入ったのだが、夕方までやって全員で二十二本しか倒せていないのだ。
後百本だと言うが、全て斬り倒せるのかは分からない。