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スタイリッシュ異能バトルの世界で俺だけ魔法少女としてエロゲの竿役と戦ってる  作者: かませ犬
愛の契り編

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世界樹さま

「オレの怪我を治せる能力者を紹介してくれた知人ってのが、この霧崎だ」


「そうなのか?」


「あぁ。霧崎が紹介してくれなかったら、死にはしなくてもしばらくはまともに動けなかっただろうな」


「霧崎って人に俺も感謝しないとな。こうして啓吾と会えたのはその人のお陰だし」


 雲雀と戦ってボロボロの上で漆原にいたぶられてた。足の傷は重症だし、肋の一本か二本は折れてそうな音もしてた。病院に通院すれば入院の可能性が高いんじゃないか?


 銃で撃たれた跡⋯⋯ってなると事件性が疑われるから病院から警察に通報が入りそうだし、ややこしくなるのは間違いない。原作にも登場した闇医者に治療して貰う流れになるのかな?


 その場合でも、啓吾が言うように傷が治るまでしばらく安静にしないといけない。その間、啓吾に会えなかったと思うと、雲雀がカモメを紹介してくれて良かったな。


「そんな訳で霧崎とは協力関係を築いた。友達ってわけではないから必要な時以外は交流する事はないだろうな」


「『Los Lobos(ロス・ロボス)』に動きがあった時だけ、連絡を取り合うって感じか」


「そういう事だ。次に『Los Lobos(ロス・ロボス)』の刺客が来るのは三日後だ。これも霧崎には共有してある」


 原作を読んでいるので、次に刺客が訪れるタイミングは俺も知っている。啓吾の能力(アビリティ)が出した解答と俺の知識は見事に一致している。まだ原作は大きく変わっていないらしいな。


 悪魔がこの世界にくるタイミングと被っていないのも都合がいい。特に二日後は漆原と行動を共にする。原作イベントを見るために無理に動いて、雲雀と漆原が鉢合わせするような事になる、なんて事も起こりえない。


 ただ、雲雀たちが住む町からさほど遠くない地点に悪魔は出てくるんだよな。時間帯的には授業中だから問題ないとは思うけど⋯⋯。


「なぁ啓吾⋯⋯話題が逸れて申し訳ないんだけど、後で明後日の悪魔について聞いて貰って構わないか?」


「今日と同じように現れる場所や時間、悪魔の特徴が知りたいわけだな」


「うん」


 あらかじめ情報を得ているというのは、分かりやすいアドバンテージだ。いつ、どのタイミングで現れるか分からないからキツイのであって、場所や時間が分かるなら現場待機で余裕で対処できる。


 とはいえ悪魔側も前回に比べると明らかに対策を練ってきていた。今日の双子の悪魔がそうだ。啓吾から情報を得ていたから現地で待ち構えて、出てきたタイミングで不意を打つつもりでいた。


 その対策かどうかは知らないが、悪魔が出現する地点を中心に半径一キロがドーム状の黒い闇に包まれた。闇の中にいると視界は真っ黒に染まり、何一つ見えない状況に陥ってしまう。


 その状況から逃れる為に上空へと逃げて対処した訳だけど、悪魔の姿を闇のせいで視認できなくなってしまった。


 マジカルパワーで元に戻ることを前提として適当にマジカル波をブッパしてみたけど、残念ながら俺の攻撃は当たっていなかった。


 闇は双子の悪魔が地面に降り立ったタイミングで霧のようにように晴れた。そこからあらかじめ聞いていた口上だったりがあって、不意打ちして一体倒したわけなんだけど⋯⋯。


 戦いの結果は知っての通り。兄を殺された怒りでパワーアップした弟の悪魔に手こずって、啓吾と雲雀の戦いに間に合わなかった。


 今後も悪魔たちが同じ対策を取ってくる可能性は高い。どうにかなーれ!って適当にブッパするのは効率が悪いからな。なにか対策はないだろうかと、啓吾に聞いてみることにした。


「それと別に今回、悪魔が着地狩りされない為に対策を練ってきてたんだ」


「どういう対策だ?」


 ありのまま啓吾に伝えると顎に手を添えて唸っている。顔を見る限り良くない解答らしい。


「残念ながら対処法はないな。ただ、闇が出ている間は悪魔も純平やこの世界のものを視認できないから、無事に地上に降りれたら闇は自動的に晴れるらしい」


「着地狩りは諦めるしかないか⋯⋯」


 一番効率の良い悪魔の倒し方だったんだけどな。今日の戦いで分かったことではあるけど、真正面から正々堂々と戦うと悪魔はちゃんと強い。


 俺がこれまで難なく倒せてきたのは、不意をつけたり相手の悪魔がバカだっただけだ。これから先の戦いは今日のように、苦戦することを前提に考えた方がいいか。


「オレが正確な位置まで言えたらいいんだけどな。オレの能力(アビリティ)は映像としてオレに答える訳じゃなく、文字で答えるから場所の説明が難しくて⋯⋯」


「それは仕方ないよ、啓吾のせいではないから気にすんな」


 時間とどの辺に現れるか分かるだけでも十分だ。トイレとかシャワー浴びてる時に現れるのが、俺が考える最悪のタイミングだしな。それを避ける事ができるのは大きなメリットだ。


「それで場所と時間についてなんだが⋯⋯」


「どんな感じだ?」


「純平のお願いだから答えたい気持ちでいっぱいなんだけど⋯⋯」


 言い淀む啓吾の姿に理由を察した。


「能力の使用上限に達した?」


「いや、あと一回は使える。けど、それは別のことに使いたいっていう私情があってな」


「それならそっち優先で構わないぞ。出来れば明日でいいから、時間と場所を聞いて欲しいけど」


「ごめんな⋯⋯けど、明日は必ず聞いて答えるから安心してくれ」


 啓吾が能力(アビリティ)を使って何を聞こうとしているか気になるところではあるけど、深入りして嫌われるのは嫌なのでお口チャック。付き合ってもいないのに、なんでもかんでも聞いてくるのはいい気分はしないだろう。


 付き合っていたとしても、束縛が強いって嫌がられるだろうな。理解のある女はここは広い心で許すものだ。そもそも啓吾に落ち度はないしな。


 話の区切りがいいと言うのもあって、二人してご飯を食べるのに集中する。話し込んでしまった為、スープが冷めてしまっていたが⋯⋯飲めなくはない。


 普段から相手に食べるペースを合わせる癖があったのでチラチラと啓吾が食べてる様子を見てしまうのだが、やはり男女の性別の差か食べるスピードは明らかに啓吾の方が早い。一口がデカイからな。


 啓吾に合わせる為に急いでかき込んで喉に詰まらせたら、心配かけちゃうしこればっかりは仕方ないと割り切って自分のペースで完食する


「このプリン美味しいな」


「だろ!?オレのオススメの店」


「今度一緒に連れてってくれよ。プリンだけじゃなくてケーキも美味しいだろ?」


「そうだけど⋯⋯いいのか?」


 口の中に広がるまろやかな食感、程よい甘さのプリンは実に俺好みの味だった。プリン以外にもケーキが美味しいと聞いていたので今度一緒に行こうぜって軽い気持ちで聞いてみたら、啓吾が何やら気にしている。


「なにが?」


「ケーキ屋に行くってことは女の子として外にでることになるぞ」


「それくらいならいいよ。証明書とかの提示が必要な場所はめんどくさい事になるから行けないけど⋯⋯啓吾が一緒なら変なやつ絡まれることもなさそうだし」


「分かった。なら今度一緒に買い物に行こう」


 笑顔の啓吾に釣られて俺も笑顔になる。男女で買い物に行くってデートみたいなものか? いや、友達同士で行くこともあるしそういう意識をしなければデートという訳ではないな。


 俺は親友である啓吾とケーキ屋さんに行く。それだけだ。


「皿は俺が洗っておくから啓吾は先にお風呂入ってこいよ」


「了解ー。テーブル拭いたら準備していくわ」


 啓吾が俺の家に泊まりにきた時のいつもの流れで、それぞれが動く。少しだけ啓吾がお風呂に入るってことで意識したのは内緒だ。















 その日の夜遅くのこと。


 同人誌みたいに啓吾と大人な関係になるなんて事もなく、23時くらいまで健全な話し合いが行われていた。あえて内容について言及するのであれば、漆原の悪口で盛り上がったくらいだろう。


 あまりに人前では言ってはいけないワードが飛び交っていた気がするな。勢いで赤ちゃんプレイが好きな変態野郎とか言わなくて良かったと、俺の自制心に感謝した。言ったら俺にも飛び火してた。


 そんなこんなで夜遅くまで話し込んでいたが、俺はともかく啓吾は明日も学校があるのでそろそろ寝ようという流れになった。


 俺が女の子になる前なら俺の部屋の床に来客用の布団を敷いて寝て貰っていたのだが、啓吾から流石に理性を保てないから別々に寝ようと提案された。


 性別が女の子になったからとかではなく、告白したことでいつも以上に俺を意識してしまっているから、俺の無防備の姿に変な気を起こさないように啓吾が配慮した結果だ。


 流石に『啓吾なら襲ってもいいよ』とは言えなかったな。俺としては体の関係を持つよりも、先に関係性の進展がしたい派だ。早い話、恋人関係になってからそういうことはしたい。


 誰でもいいって訳でもないしな。この考えは前世からも変わっていない。それもあって俺の経験人数は今世を含めても一人だけだ。前世で出来た彼女としかしたことがない。


「やっぱり痛いのかな⋯⋯」


 啓吾はリビングに布団を敷いて寝ている。俺しかいない自室で彼女との初めてのやり取りを思い出して、ついつい想像してしまう。もしこの体のままで大人の関係になったら⋯⋯そんな想像だ。


 相手役として啓吾の姿が浮かんだ時点で相当に末期なのは俺自身自覚している。完全に女の顔してるな⋯⋯俺。


 恥ずかしくなって枕に顔を埋めていると。


『聞こえますか、わたしの声が』


 頭の中に女性とも男性とも取れる中性的な声がした。まるで歌でも歌っているような美しい声だ。


 顔を上げて部屋中を見渡しても声の主はいない。頭の中に直接語りかけられている?


 なら、『ファミチキください』とか言ってくれないかな。こいつ直接脳内に⋯!なんてやり取りを一度はやってみたい。


『聞こえていますか?』


「あ、はい」


 誰とも分からない声が再び頭の中に響く。反応がなかったから本当に声が届いてるか不安になってたな。


『よかった⋯⋯いえ!わたしの名は世界樹(ユグドラシル)!夢の世界の王⋯⋯あなたを魔法少女にした妖精デア・アップファルの主です』


 名乗りと共に俺の頭の中に突如として映像が浮かび上がってくる。そこにいたのは一本の巨木だ。天高く聳え立つその樹は俺が見たことがないほどに高く、そして太い。世界樹と言われても納得できる偉大な樹であった。




 ───世界樹⋯⋯ユグドラシルさま。




「あなたが悪魔にザーメンをぶっかけられているあの世界樹(ユグドラシル)さまですか!」


『そうです。わたしが悪魔にザーメンをぶっかけられている偉大な王⋯⋯世界樹(ユグドラシル)です!』


 ガチモンの樹かよ。世界樹って名前の女神的な存在を勝手に想像してたのに綺麗に裏切られた。つまり悪魔は頭の中に浮かぶこの樹を見てチ〇コを勃起させて射精していると?


 ───業が深いな。

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