【第三章】第二十七部分
やがて照明が付いて、会場内に視界が開けてきた。
『シュウウウ。』
ステージは、もうもうとした白い煙に包まれた。
やがて煙が晴れると、白い服の男がステージの中央に現れた。男の娘は純白のズボンと宝石のようなボタンの着いた白いシャツ姿である。
白い服の男は司会席の凛子に目が止まった。
「ここはどこだ。城とはまったく異なる構造のようだが。でも城と同じ匂いがするぞ。
おっ。毒リンゴの女がいるじゃないか。城ではないが、城の近くなのかな。それじゃあ問題ないな。」
王子は王子育ちなので、悲観とか悲壮感からは無縁であった。
王子は大広間を睥睨すると、その美少女探索ソナーにひとりがヒットした。
「あっ!そこにいらっしゃるのは王子様!」
ステージ脇で控えていたシンディがうっとりとした表情で、王子を見つめている。
「おおお!そなたはオレが探し求めていた女子か!」
「王子様!」
シンディは王子の元に走り寄り、王子も両手を広げてシンディを迎えた。
『『ハグッ!』』
ふたりは猛烈な抱擁を実行した。
「何するのよ。この遼斗モドキ!」
王子がハグしたのはガラス水着の玲羅だった。
「そなたこそ、オレの水着コンテストで優勝した女子に違いないではないか。」
「あたし、あんたなんか知らないわよ。遼斗にソックリではあるけど、プチ整形でもしたんでしょ。」
「プチ整形で似たりするものか!おやおや、オレによく似た超イケメンがいるではないか。ひどくムカつくが、美しいぞ。絶世の美男子ではないか。」
ようやく遼斗に気づいた王子。敵愾心剥き出しになり、腰に差した剣に手をやっている。
一方の遼斗も自分と同じ顔の王子に一瞬驚きながらも、すでに不法侵入者へ送る目つきに変わっている。
「コイツ、いったい何者だ。俺の玲羅を放せ。」
「イヤだ。何が起こったのか、状況はサッパリわからないが、ひとつだけ言えることがある。オレにはこの女子が必要だ。王家の資産を投げ売ってでも、この女子を買うからなっ。性格はちょっとアレな感じではあるが。」
「そ、そんな。あたしのことをそこまで愛してくれるということなの。小さく喉に引っかかるものはあるけど、ウットリ。」
図らずも玲羅は王子に『惚の字』になってしまった。
「そう来たか。ならば、俺はこちらのシンディをもらうことにしよう。」
この世界の遼斗と別次元のシンディ、並びに別次元の王子とこの世界の玲羅というまさに異次元カップルが二組誕生して大団円。
大広間では、遼斗が王妃候補を確固たるものとして認定したということから、拍手喝采となった。
遼斗に呼応したのか、王子も黒メイドたちに手を振っている。
しばしのち




