【第二章】第十九部分
「朝っぱらから大変だったわ。あのお姫様抱っこ、あたしがやりたかったわ。・・・。あたしったら、なんてことを考えたのかしら。あーいうのは、抱っこしてもらうのがいいのであって・・・。いや、そうじゃなくて、あああ。もうどうでもいいわ。早く教室に入らなくちゃ。」
制服に着替えた玲羅は自分の校舎に足を向けた。
始業のチャイムが鳴って、担任教師が入室してきた。その瞬間、教室がざわついた。
「今日は、転校生を紹介します。二ヒヒ。」
「担任の先生が変わってるわ!って、メイド長じゃない!」
黒メイド服の教師登場に、クラス中も大騒ぎになっている。
「はい。この方が転校生となりましたので、私もこちらに参りました。そして、この方、お入りください。皆さんを驚かせてください。ニヒヒ。」
「大王寺真白。特進クラスから転校してきたんだよ。シロが普通科に来るなんてあり得ないことなんだから、崇拝するんだよ。ふふんだ。」
ごく標準的な胸を張り出して意気軒昂な真白。
「同じ学校で転校って何。それに、これって、落第じゃないの?」
ソッコーでツッコミした玲羅。
その玲羅に対して睨み付けるような視線を返した真白。
「こ、こんな屈辱、バイトメイドのせいなんだから!侍女の職務を全うするためにここに来たんだよ。もう忌々しいったらありゃしない!」
頬をフグのように膨らませて、プンスカやっている真白。
「ちなみに補足しますと、真白お嬢様は成績も芳しくなくて、普通科へ転落第されました。自業自得です。二ヒヒ。」
「メイド長、転落を自乗させないでよ!」
「お嬢様、ここでは教師の力が優先されるのでご留意ください。お嬢様と玲羅さんは、互いに侍女なので勉強は教え合いしてください。ニヒヒ。」
「はあ?どうして転落第お嬢様とそんなことをしなくちゃいけないのよ?シロだって、バイトメイドなんかに仕えたくないよ。シロがカ、カラダを貢ぐのは、お兄ちゃんだけなんだからねっ。」
すでにいちばん後ろで窓側の席に並んでいるふたりが大きな苦情声を出した。
「いえ、ポジティブに玲羅さんに貢いでくださいませ。ほら、クラス中が期待してますよ。二ヒヒ。」
「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「ジーッ。」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」
熱くてイタい視線がふたりに照射されている。クラス全員が後ろを振り向いているため、イタさレベルが増大している。
「さあ、授業を始めます。いちばん後ろのおふたりは、テキスト交換、いや、見せ合いっこをしてください。ゆりゆり垂涎寺公園です。二ヒヒ。じゅるり。」
「「テキスト持ってるんだから、そんなことやる必要ない!」」
ハモって抗議するふたり。
「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「ジーッ。ジーッ。じゅるり。」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」
邪悪な期待感が教室中に満ち満ちている。




