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【第二章】第十七部分

王奥から二階のメイドの部屋のフロアに降りたメイド長と玲羅。

昨日、玲羅はメイド用の大部屋に泊まっていた。しかし、今日は違っている。

「王奥に渡ったメイドは、『王子お手付き』とされて、小部屋が与えられます。ゆっくり個室での生活をご堪能ください。ひとりになるからと言って、ひとりエッチゅうふんどしとかはダメですよ。二ヒヒ。」

「誰がするか!お手付きっていったいどういうこと?よくわからないわ。・・・。」

一瞬怒鳴ったが、なぜか沈黙した玲羅。


メイド長がニンマリしながら、下がっていき、ようやく落ち着いてきた玲羅。

10畳ほどの広い洋室で、ベッド、机、ドレッサーなど、普通の女の子の部屋以上のレベルで整っている。

「昨日は修学旅行みたいで、うっとおしかったけど、これでゆっくりできるわ。大奥だと、部屋付きの侍女とかいるけど、あたし自体がメイドだから、そんなのいるわけないか。」

「ジーッ。」

純白のメイド服が部屋の隅に座って、玲羅を睨んでいる。

「あんた、真白とかいう王子の実の妹!?」

「実とか言うな。シロは永遠の不実の妹なんだから!」

「そういう呼び方って、すごく犯罪のニオイ系妹に見えるわよ。てか、どうして不実の妹がここにいるのよ。不実の妹といえどもここのお嬢様なんでしょ?まさか、あたしの侍女なんかじゃあるまいし。」

「当たり前だよ。シロがぽっとでの新人メイドのお世話なんかするわけ・・・。」

真白が言葉に詰まってしまった。

「まさか、ホントに侍女なの?」

「大王寺家では、次期当主のお手付きになったメイドは、身分はメイドのままだけど、特別扱いになるんだよ。あり得ないことだけど、も、もしかしたら、当主のつ、つま、爪楊枝とかになる可能性もあるわけじゃない。」

「爪楊枝だったら、掃いて捨てられるような気がするわよ。」

「レベル的にはそういうことよ。お嫁さん候補なんて、掃いて捨てるほどいるんだから。もっとも、候補者の頂点にはシロが唯一無二の存在としてクンレンしているけどね。」

「君臨できないことを自ら標榜してるわね。」

「もちろん、お手つきメイドなんて使い捨て爪楊枝になるに決まってるけど、廃棄処分になるまでは、侍女が配置されることになってるんだよ。だから仕方なくシロがここにいるっていうことだよ。」

「どうしてお嬢様が侍女なんかになるのよ?」

「それは大王寺家のしきたりだから、仕方ないんだよ。高貴なシロがお世話してもらうんだから、感謝するんだよ。」

「ちょっと待ってよ。侍女はお世話をする方じゃないの?」

「シロは侍女特待生だから、お世話をしてもらうんだよ。」

「それじゃ、あたしがあんたの侍女になるのと一緒じゃない!」

「そういうことだよ。」

「誰があんたの侍女なんかするものか!」

「バイトメイドの分際で生意気な口をきくんじゃないよ!」

「あんただってメイド服着てるじゃない。それに侍女はどこまでいっても侍女なんだから、あたしに仕えなさいよ。」

「イヤだよ。バイトメイドなんかのシモベになるものか!」

こうして深夜まで神学論争を続けた玲羅と真白であった。


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