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ABDUCTION!! ~IN THE ANOTHER WORLD~(凍結)  作者: 迦楼羅カイ
第1部 拉致された者
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第43話 経緯(ジェルス)

(ジェルス視点)


俺が異世界に拉致される3日程前………。


学校が終わった俺は学校内に設置されている自販機でコーラを買い、二口程飲んでバッグに入れた。


さて、帰るか。この学校は町の中心にあり、生徒は1学年500人を軽く超えるのだが、俺の家は町の外れに位置しており、俺と帰路が同じ人は俺が知ってるだけで二人。確か二人とも俺より1つ上。


「あ、ジェルスー!」


俺の名前を呼んで走ってくるのは………、同じクラスの女子のサリア。


「やぁ、サリア。何か用?」


「えーと、用って訳でもないんだけど、………これから暇?」


「うーん、別に無いかな。それがどうしたの?」


サリアは少しの間黙って口を開いた。その間に違うクラスの女子三人がこちらを指差して何か話しているのが見えた。


「あの、ジェルス。よかったらこれからわた」

「サリアー!ちょっとちょっとー!こっち来てー!」


サリアは少し不機嫌そうに女子三人の方を向き、俺の方へ振り返った。


「あ、ジェルス。私、あっち行くね。」


「え?俺への用は?」


「また今度でいいかな。ごめんね、呼び止めたのに。」


「いや、大丈夫だよ。じゃ、また今度。」


サリアが女子三人の元へ走っていく。サリアが三人に何か言われているように見えた。何言われてるんだろ?


……………帰ろ。


知人にさよならとかじゃあなとか挨拶しながら校門に向かう。校門をくぐってチャリンコに股がり、家へと向かう。


そう、いつもとなんら変わらない1日だった。


……………ここまでは。


先程も言ったが俺の家は町の外れにある。そのため俺の家周辺はそこそこ田舎だ。道の両端が森のようになっている所もある。


ボーッとしながらチャリンコでそんな道を進んでいると森からいきなり何かが飛び出してきた。


俺はびっくりして急ブレーキをかける。どうやらキツネのようだが……。間に合うか……?


しかし、チャリンコは急には止まれない代物である。そのため、急ブレーキも虚しく、タイヤがキツネの体を巻き込み鮮血が道路を汚す……。はずだった。


キツネはタイヤをすり抜けてそのまま走っていく。どういうことだ?確実にタイヤはキツネを巻き込んでいた。俺は唖然となってそのキツネを見つめていた。


そのキツネは不意にこちらを向いて、更に信じられないことに、


「もしかしてー、君、ボクが見えてるー?」


…………喋った?キツネが……?まさか………。


「気のせいじゃないよー。ボクは魔力を持ってない人には姿も見えないしー、声も聞こえないんだよー。君ー、ボク見てその乗り物止めたでしょー?つまりー、君にはボクが見えていてー、君には魔力があるんだよー。」


魔力………?ファンタジーのゲームや小説にしかないと思っていたが、いや、それよりも、魔力がないとこのキツネが見えないって………どういうことだ?


俺は既に混乱しているが、キツネは続ける。


「自己紹介まだだったねー。ボクはアニマロイド………改造された動物だよー。信じられないかもしれないけどー、ボクは異世界から来たんだー。君みたいなー、この世界で魔力を持ってる人間にねー。」


改造された動物?異世界?魔力を持つ人間を探している?何故だ?俺に魔力が?


「でさー、魔力持った人見つけて何するのかっていうとねー。ボクらの世界に来てさー、ボクらの世界を救ってほしいんだー。」


俺が異世界に………。信じられない………。


「さ、行こうかー。あ、安心してねー。あっちの世界の二年間でこっちの世界は五分しか経たないからー。肉体の成長とか老化とかそれに比例して遅くなるからー。」


俺の目の前に青い渦が。


「おい、ちょっと待って……。」


しかし、俺はキツネに押されて青い渦の中へ入っていった。

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