第24話 獣の襲撃(続き)
こら、そこ、サブタイ使い回しとか言わない!!
最近いつにもまして内容が薄いのが否めない。
俺は降りおろされた爪を間一髪でしゃがんで回避した。俺の後ろの大木の幹がまるで柔らかいものを抉るかのように削りとられた。もしモロにくらったら骨ごと裂かれるに違いない。
再び降りおろされる爪を剣でやり過ごしながら俺はメレンに叫んだ。
「メレン!!まだ魔力は溜まらないのか!!」
「あと少し…………あと20秒持ちこたえて!!」
おいおい…………。こんな奴相手にあと20秒?10秒でも殺されかねないのに?
噛みつきをなんとか凌ぎ剣で反撃しようとするが爪を受け止めるのに精一杯。
と、その時。虎の爪が俺の体に真っ直ぐ降り下ろされた。剣での受け流しもできない。
あ、死んだ。
ドカァ!!
俺の体に凄まじい衝撃が走った。俺の体が地面に叩きつけられる。
………………え?生きてる?
なぜ生きてるかを考えている暇などない。更におそいかかる爪を横に飛び退いてかわすが、右腕を僅かに掠めた。激痛が走り、血が吹き出す。掠めただけでこの威力かよ……………。
だが、時間は稼いだ。
「喰らえぇぇぇッ!!!」
メレンがそう叫んで魔力の塊を虎にぶつけた。魔力の塊は虎の胴体に直撃し虎は大きく吹っ飛ばされ、大木に頭からぶつかって即死した。
た………助かった…………思わず安堵のため息がもれた。いやぁ、本当に死ぬかと思った。
…………そういえば、なんで俺死んでないんだ?着ている服を見た。
胴体部分は僅かに爪の跡が残っているだけ。破けた様子は全くない。
嬉しい誤算だ…………胴体部分が防刃仕様になっているのか…………普通の服だったら確実に死んでいた。腕は普通に裂かれたので腕部分は普通のようだ。
メレンが虎が死んだ事を確認するとこちらに駆け寄った。
「カイン、大丈夫!?」
「あぁ、なんとか…………。」
「爪の跡が残っているだけ…………これ、防刃になってるんだ…………だから地面に叩きつけられただけで…………。」
地面に叩きつけられただけでも充分なダメージだったが。一瞬息できなかったぞ。
「腕から血がでてるけど、大した怪我じゃなさそう…………よかっ………た………」
いきなりメレンがふらついて倒れそうになった。俺は慌ててメレンを支える。
「おい!どうした!大丈夫か!?」
「大丈夫…………。急激に魔力を使っちゃったからかな……………凄く眠い…………。」
「メレン、お疲れさま。先に眠ってて。」
「うん………ごめんね。じゃ、おやすみ…………。」
そう言い終わるや否や俺にもたれかかったまますやすやと寝息をたて始めた。
俺は魔法で落ち葉をかき集めると、メレンをそっとおろした。寝顔がいつにも増して愛らしい。思わずずっと見つめていたくなってしまう。
俺は魔法で自分の腕を治療しようとした。うわ、やっぱり俺魔法苦手なのか血が止まったくらいでほとんど何も変わってねぇ!
しょうがない。これで我慢するか。またメレンに治療してもらうかなぁ……………?