第43話
続いていた。
同じように、
過ごしていた。
働いた。
家に戻った。
優菜がいた。
それだけだった。
あるとき、
言われた。
子供が欲しいと、
言われた。
少しだけ、
止まった。
考えた。
自分に、
それができるのか、
考えた。
できないと思った。
自分は、
人間ではないと思っていた。
人の親には、
なれないと思った。
それは、
変わっていなかった。
そのままだった。
でも、
優菜は変わらなかった。
望んでいた。
自分との子供を、
望んでいた。
理由を聞いた。
必要だと言っていた。
自分にも、
必要だと言っていた。
そこで、
止まった。
考えた。
長くは、
かからなかった。
選ぶしかないと思った。
逃げることもできた。
拒むこともできた。
でも、
選ばなかった。
受け入れた。
決めた。
自分で決めた。
そのまま、
進むことにした。
そこで、
もう一つ決めた。
自分が望んだものに、
なることを決めた。
遠くではなかった。
手の届かないものではなかった。
思い出した。
昔のことを、
思い出した。
泣いていたものを、
思い出した。
あのとき、
必要だったものを、
思い出した。
それになると、
決めた。
それを、
そのままやると決めた。
今、
ここにいる。
書いている。
これは、
過去の自分のためだ。
あのとき、
泣いていたもののためだ。
そして、
今もどこかで、
同じように泣いているもののためだ。
世界には、
多くいる。
人の形をしたものがいる。
中には、
壊れているものもいる。
自分のようなものもいる。
怪物もいる。
でも、
その中には、
関わるものもいる。
助けるものもいる。
そういうものも、
いる。
それをここに残し、
伝えておく。
そう、
それだけだろ。




