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第37話
見えていた。
範囲があった。
人は、
その中で動いていた。
それで、
成り立っていた。
自分は、
そこにいなかった。
外にいた。
それは、
はっきりしていた。
戻ることは、
できないと思った。
足りないものは、
埋まらなかった。
持っているものは、
削れなかった。
変わらなかった。
そのままだった。
そこで、
止まった。
考えた。
どうするか、
考えた。
答えは、
多くなかった。
一つずつ、
消していった。
残ったものは、
少なかった。
その中に、
自分がいた。
名前がなかった。
当てはまるものがなかった。
それを、
そのまま受け取った。
怪物だと思った。
それで、
十分だった。
中で何かが言っていた。
前と同じだった。
でも、
無視しなかった。
聞いた。
泣いているものがあった。
そのままにできなかった。
裏切りたくなかった。
それだけだった。
理解することは、
やめた。
届かないと思った。
その代わりに、
終わりを考えた。
残さない方法を考えた。
最初から最後まで、
消す方法を考えた。
痕跡を残さないように、
考えた。
それを、
そのまま続けた。




