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第36話
続けた。
生活は、
崩さなかった。
走った。
寝た。
起きた。
それを繰り返した。
そのまま、
人を見た。
変わらず、
観察した。
前よりも、
よく見えた。
話していることと、
やっていることが、
ずれていた。
それは、
珍しくなかった。
ほとんどが、
そうだった。
そのまま見た。
何人かと関わった。
近づいた。
話した。
同じだった。
形は違った。
理由も違った。
でも、
同じ場所に収まっていた。
そこで、
少しだけ考えた。
何が違うのか、
考えた。
少しして、
気づいた。
範囲があると思った。
越えない範囲があると思った。
大きく外れない。
大きくはみ出さない。
その中で、
動いていた。
それを、
普通だと思った。
能力も、
考え方も、
感情も、
足りすぎず、
欠けすぎず、
その中に収まっていた。
それで、
成り立っていた。
それを見た。
そのまま受け取った。
同時に、
ずれていると思った。
完全ではなかった。
正しくもなかった。
でも、
同じようにずれていた。
同じように愚かだった。
それで、
問題はなかった。
それで、
回っていた。
自分は、
そこから外れていると思った。
範囲の外にいると思った。
それでも、
同じだった。
形が違うだけだった。
それを、
そのまま認めた。
そのまま、
続けた。




