第32話
高校に入った。
普通科だった。
普通の高校だった。
それでよかった。
同じ部屋にいたやつらも、
何人かいた。
同じ場所にいたやつらと、
同じ場所に来た。
それでよかった。
少しだけ思った。
俺たち、
ここに来れたんだなと思った。
少しだけ、
おかしかった。
それでよかった。
教室に入った。
席に座った。
周りを見た。
知らない人ばかりだった。
それでよかった。
最初に考えたのは、
どうすればいいかだった。
少しだけ考えた。
今までと同じでは、
足りないと思った。
それでよかった。
勉強は、
簡単じゃなかった。
思ったよりも、
ずっと大変だった。
それでも、
やった。
やるしかなかった。
それで、
ついていった。
それでよかった。
話しかけられた。
短く答えた。
必要な分だけ話した。
それで、
問題はなかった。
それでよかった。
そのまま続けた。
少しずつ、
形が決まった。
内にあるものを、
そのまま使った。
無理に変えなかった。
そのまま被った。
ただ一つだけ、
外に出さなかった。
壊したいと思う部分だけは、
そのまま隠した。
それで、
問題はなかった。
それでよかった。
学校の中では、
それで通った。
困らなかった。
それでよかった。
学校の外では、
別だった。
同じものを、
そのまま出した。
止めなかった。
選ばなかった。
それで、
うまくいった。
それでよかった。
それだけだった。
何もしていないときでも、
中で何かが言っていた。
前と同じだった。
でも、
もう迷わなかった。
場面ごとに、
使い分けた。
それで、
間違えなかった。
それでよかった。
気づいたときには、
体も変わっていた。
前とは違っていた。
動けた。
止まらなかった。
それでよかった。
外と中で、
違う形になっていた。
どちらも、
問題はなかった。
それでよかった。




