わからないまま
私は彼氏の希沙連と帰り道を歩いていると、彼がある街灯に気付くと一瞬止まった。
腕を軽く引っ張ると歩き出した。
街灯を通り過ぎようとした刹那、また彼が脚を止めて佇んだ。
彼にその場から離れるように促され、彼から離れたら彼は崩れ落ちるように座り、街灯の下で誰かが倒れているような素振りをした。
彼がアスファルトに膝をついて、見えない誰かに首を差し出しているようだった。
怯えたように何かを呟き、彼が倒れ、意識を失った。
私は自宅まで彼を連れていき、彼が意識を取り戻すまで見守った。
彼が荒いながらも呼吸をしだして、緊張が解け、私は倒れた。
私が起きると見知らぬ少女——幼女が彼のそばに佇んでいた。
私は身体を起こし、幼女に詰問した。
「少年はわっちを助ける為に血液を寄越したわい。足許の其奴は吸血鬼になったんじゃ」
幼女にそう返されただけだった。
私は幼女に泣きついて縋りつき、人間に戻せと要求した。
「わっちには人間に戻すことなどできぬわい。眷属じゃな、其奴は」
そう返され、突き飛ばされた私だった。
私は希沙連が吸血鬼にされ、殴りかかろうとしたが、幼女の視線に負け、床に崩れ落ちて、わんわんと泣いた私だった。
私は泣き止み、リビングで彼に出す食事を作った。
彼が気になり、部屋に戻ると意識を取り戻し、上半身を起こしていた彼に抱きついて泣いた。
幼女に呆れたような視線を向けられたが、泣き止むことは出来なかった。
私は休むように促され、ベッドに横たわり、瞼を閉じ、寝ていった。
彼のことは気がかりだったが疲れが襲ってきて寝ることにした。




