表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
55/55

9


「なら、そうしてリリィに憑依したまま姫さんを、私が翔くんのところへ連れて行くから、その口を通して思いを伝えるかい? あいや、無理か」


 自分で言って自分で否定する私。なにしろ、非現実的だしな。私からすれば、すでに立派な現実でも、もちろん翔くんにとっては違うだろうから…


「…ですね。きっと翔くんに驚かれてしまうでしょうし…」


 そう言って姫さんが俯くや、そのリリィの髪に留めてあるはずのベレー帽が、ぱさと畳の上に。すると隣の空が、それを拾って再び留めてやる。


 それはそうと、姫さんも…やっぱ私なら驚かせてもいいんかい。まったく。


「ふ〜む、そうだな〜…」


 じゃあ、『私の知り合いの娘から』ということにして、姫さんの思いを私が翔くんに伝え…あいや、()に。だったな、そういえば。


 まあ、ちょっと時間を掛けて考えてみることにしよう。


 うん、きっと何かいい方法が見つかるはずさ。



 さて、やがて皆が寝静まった頃…


 私はといえば、1人ここ自室にてビデオ鑑賞。この6畳の空間内、愛用の和机やタンス等を脇目に、我が腹話術の師匠であられる菱屋大黒堂(ひしやだいこくどう)先生が、最近リリースなさったDVDを拝謁しているところだ。


「…さすがは大黒堂先生。腹話術のテクニックといい話のネタといい、相変わらず素晴らしい。私など足下にも及ばんな」


 ちなみに、いま私が観ているネタは、同先生が操る人形トーマスに、なぜかニューハーフの霊が乗り移ったというものだ。


 まあ、ニューハーフはともかく、それはウチの場合ネタじゃ済まん話だけど、な。苦笑。


「む…でも待てよ。女声・・か…」


 そ、そうか。この方法ならイケるかも知れんな。


 うむ、ちょっと閃いちゃったぞ。


 よっしゃ。夜が明けて皆が起きたら、さっそく姫さんに話してみることにしよう。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ