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幼馴染に告白したいのに、金髪美少女(子持ち)が全力で迫ってくる  作者: 向原 行人
第4章 やらかした! 金髪少女の痛いミス

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第39話 悩み

――コンコン


「明日香、入って良い?」


 勝手知ったる幼馴染の家。

 家の中まで入るのは久しぶりだけど、それでも何度か来た事があるので、真っ直ぐ明日香の部屋へ。

 声を掛けてから、一呼吸置いて、


「え!? ちょ、ちょっと! その声は優斗!? どうして、家まで来たの!?」


 中から慌てた様子の明日香の声が聞こえてくる。


「明日香。突然、家まで押し掛けてゴメン。でも、どうしても明日香と話したい事があって」

「待って……す、少しだけ。少しだけ待って」


 部屋の中から明日香の声がしたかと思うと、突然ゴトゴトと物音が聞こえてくる。


――ゴトゴトゴト……シュッ! ガガッ! ゴスッ!


 かなり激しい音が響くけれど、一体何をしているのかと思った所で、目の前の扉が開く。


「お、お待たせ。どうぞ」

「明日香。突然ごめん……って、パジャマ?」

「あ、ごめんね。さっき優斗にメッセージを送ったでしょ? 実は、あの時に起きたんだ」


 水色のパジャマ姿の明日香が、苦笑いしながら僕を部屋に招き入れる。

 久しぶりに入った明日香の部屋は相変わらず綺麗に整頓されていて……


「って、ちょっと待って。明日香、僕にメッセージを送ってくれていたの?」

「うん。送ったけど?」


 慌ててスマホを見てみれば、五分程前にメッセージが届いていた。


『おはよ。ごめんね。ちょっと寝不足で、メッセージ見てそのまま寝ちゃってた。お昼過ぎにいつものカフェで良い?』


 あ、あれ? メッセージを見て、そのまま寝てしまうというのは珍しいけれど、いつもと同じような返事だ。

 僕がどうしたものかと困っていると、ベッドに腰掛けた明日香が、


「ところで、優斗。家まで来るくらい、急ぎの用事があったんでしょ? どうしたの?」


 これまたいつも通りに声を掛けてきた。


「えっと、何というか……明日香は怒ってたんじゃないの?」

「怒って……って、何に?」

「僕に。朝、電話したけど出てくれなかったから」

「あ! ごめん! あれ、優斗が電話してくれてたんだ! 寝ぼけてたから、アラームだと思って適当に画面押して、そのまま寝ちゃったんだ。本当にごめんね」


 明日香との関係を元に戻そうとして大慌てで来たのに、何故か逆に謝られてしまった。

 というか、これってつまり、僕は明日香に愛想を尽かされたって訳じゃないって事なの?


「あ、あのさ。明日香は僕の事を嫌い?」

「えっ!? 嫌いだったら、部屋に入れたりしないわよ」

「そ、それもそうか。じゃあ、明日香は僕の事を好き?」

「ふぇっ!? な、な、何なの!? 優斗ったら、突然何を言い出すのよっ! ……ま、まぁ好きか嫌いかと聞かれたら……好き、だけど。お、幼馴染みだし」


 何だ。何だよ。ただ、僕が一人で勝手にネガティブになってしまっていただけだったのか。

 そうだよね。だって、僕と明日香は将来結婚する事が決まっているんだからさ。

 緊張の糸が切れた僕は、ヘナヘナとその場に座り込む。


「優斗、一体どうしたの? 扉を開けた時は、何か思い詰めた表情をしていたのに、突然気の抜けた顔になって。何か大切な話があったんじゃないの?」

「あー、うん。大切な話があったんだけど、明日香の寝ぼけた顔を見てたら解決したよ」

「い、今は寝ぼけてなんて無いわよっ!」


 明日香が文句を言いながら枕を投げてきた。

 だが、僕は見逃さないよ。そんな事を言いつつも、自信がないのか、明日香が近くに置いてあった手鏡で自分の顔をチェックした事を。


「ところで、こんな時間まで寝ているくらい寝不足って、一体どうしたの?」

「え? あー、うん。ちょっと考え事をしちゃってて」

「ふーん。ちなみに、どんな悩みなの? 僕で良ければ聞くけど?」

「えっ!? うーん。優斗に聞いてもらうのは、どうなのかなー?」

「何、何? 僕に聞かせられない話なの?」


 冗談っぽく問いかけると、じゃあ……と、明日香が口を開き、


「昨日、寝られなかったのは、優斗の事を考えていたからなんだ」


 ポツリポツリと呟きながら僕を見つめてきた。

 待って! ほんの数秒前の雰囲気から、いきなり変わり過ぎだよっ!

 あれ? 僕から告白するつもりだったのに、明日香から告白されちゃうの!?

 慌てて明日香を止めようとすると、


「あのね。昨日、優斗はリナさんとは何も無いって、はっきり断言してくれたよね。だけど、お店にはリナさんとミウちゃんが居て、いつも通りに抱っこって言ってたじゃない」


 僕が話すともりだった、昨日の事が語られる。

 僕と明日香の話題が一致したので、一先ず明日香の話を全て聞こうと、浮かしかけた腰を元に戻す。


「私、それを見た途端、頭の中が真っ白になって、気付いたら帰っちゃっていたんだ」

「あれは、僕もビックリした。けど、リナさんも悪気があった訳じゃなくて、後で謝っていたから……」

「あ、別に怒っている訳じゃないの。そうじゃなくて、優斗が何も無いって断言してくれたのに、いざリナさんを目の前にして混乱しちゃったから、私は優斗の言葉を信じ切れなかったのかなって思って。優斗とリナさんの事を考えていたら、いつの間にか夜中になっちゃっててさ」

「いや、あれは突然だったし、混乱しない訳が無いって」


 むしろ、あの状況で僕の言葉を信じようとしてくれた明日香が、天使過ぎると思うんだ。僕がそれを言うなよって感じだけど。

 そう思った直後、ベッドに腰かけていた明日香が立ち上がり、僕のすぐ傍へとやって来て、


「ねぇ、優斗。優斗はリナさんとは何も無いって言ってくれたけど、結局リナさんは誰なの? まだ、優斗の家に居るの?」


 不安そうな表情を浮かべながら、回答に困る質問を投げかけてきた。

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