第144話 定期公演#11 その8~楓ちゃん、マッサージして〜♡ エッチなやつね♡
「もっと話を訊きたいところだけど、サクラはそろそろ次のコーナーの準備に取り掛かってちょうだい!」
もっと話って……ハルルは何の話を訊きたかったんだろう。サクにゃんは自分の話をほとんどしていなくて、ずっとボクのゲーム配信の感想みたいな話をしていましたよね?
「コーチ! 次はサクラと一緒にゲームしてくださいね! ではみなさん、のちほどお会いしましょう!」
堂々と私信を……。
なんで観客のお前らまで「俺もゲーム出たい〜」って、おかしいでしょ。魔物役でなら出してあげても……と思ったけど、お前らが魔物として登場したら、絶対性格悪そうな動きしてくるのが目に見えているし、やっぱり嫌だな! もう配信もしないし、あのゲームのことは忘れてくれ!
でもさ、たまにコウモリ族のウータと一緒に島でレベル上げしているような夢を見るんだけど……夢だから、あれはボクじゃないよね! 気のせい気のせい!
(とても良い夢ですね。気が向いたらいつでもセーブデータから復帰しても良いですよ)
い、嫌だね! たぶんボクじゃないボクがゲームを進めているんでしょ! ログインしたらいきなりボス戦に放り込まれるに決まっているし!
(宿屋でハーレム展開の真っ最中かもしれませんよ?)
そういう調子の良い言葉にはだまされませーん!
(まだ幼馴染み役のわたしが出てきていませんから、早く出逢いたいです)
そういえばそんな設定だったね。そもそもボクの故郷はどこ設定なの? 幼馴染みだし、地球に戻らないと逢えないのでは?
(かえでくんの出身は地球ではありません。惑星&#*@**#!~♡♡♡です)
はぁ……。宇宙語ですか? また謎な設定ですね……。ではそこにたどり着いた時に逢いましょう……。どこかわからないので、たどり着くことがあるのか知りませんけれどね。
(ワープしますか?)
しません。
(わたしに逢いたくないんですか?)
こうしてリアルのレイと逢えるのでゲームの中までは別に……。
(あれはゲームであってゲームではありません)
遊びでもなくなっちゃった。
えーじゃあ何、レイはあのゲーム内にNPCとしてではなくて、プレイヤーとして登場しているってこと?
(サポート妖精も担当しています。ダブル出演です)
めっちゃ誇らしげだね……。
じゃあ幼馴染みキャラは出番をずっと待っているってことなの……?
(かえでくんが迎えにきてくれるまで100年でも200年でも、わたしま〜つ〜わ)
ライブ中に他人の曲を歌い出さないでください。
(というのは冗談です)
だよね。さすがに姿だけレイに似せたNPCだろうし。
(いいえ、冗談なのは迎えにきてくれるまで待つという部分です)
というと?
(わたし幼馴染みのレイ、今かえでくんの後ろにいるの)
えっ!?
振り返っても……誰もいない……?
(わたし幼馴染みのレイ、今かえでくんの頭の中にいるの)
振り返る前に憑依された!?
ボクの脳のセキュリティガバガバ過ぎる!
((わたしたちレイ、ずっとかえでくんのそばにいるの))
怖い怖い怖い!
なんか見たこともない幼馴染みキャラのレイとシンクロしてしゃべるのやめて!?
(もちろん冗談です)
だからその冗談怖いって……。
ふざけるのは良いんだけど、スルッとボクの頭の中に入るのやめてね?
(今日はルーナさんが先におやすみになっていたので、後日泊まりにこようと思います)
ルーナちゃん……?
そういえばしばらく静かだなと思っていたら……。無断でボクの頭の中に宿泊するのやめてくれない?
こういうのはなんて言うの?
無断外泊……じゃなくて、無断脳泊?
『んぁ〜? 徹夜でKAEDE-SAGAの新マップ開発とバランス調整とテストプレイと本プレイをしていたから、そのまま寝ちゃった♡』
はいはい、ルーナちゃんおはよう。起きたならとっとと出ていってくださいね。
『徹夜で足腰がガタガタだ〜。楓ちゃん、マッサージして〜♡ エッチなやつね♡』
ツッコミ待ち?
どこからツッコミめば良いかな?
徹夜した、って辺りからかな?
(かえでくん、マッサージならわたしにお任せください。心得があります)
あー、そうだね。
マッサージといえばレイだし、お任せしようかなー。……ルーナちゃんご愁傷さま。
『えっ、ちょっ、零ちゃんは間に合っ――あばばばばばばばばば』
ルーナちゃんには、レイの電撃(?)マッサージが1番よく効くからねー。ご愁傷さま。




