第118話 マキカエレイ特別配信 その18~でも大部屋の巻物があったらワンチャン……
「なんとか洞穴に辿り着いた……」
(おつかれさまです。それではダンジョンをクリアしてここを本日の拠点としましょう)
「だん……じょん……?」
洞穴 is ダンジョン?
“よし、予想通りの展開きたw”
“100階層いっとこ”
“最下層に眠る伝説の聖剣を手に入れるのだ”
“ダンジョン内なら雨露はしのげるな”
“ダンジョン内なら死んでもアイテムロスとして1回に戻されるだけ”
“そして中のマップが変化する”
“それは不思議のダンジョンwww”
“夜の王を倒すのだ”
“それはダンジョンじゃないやつな”
(ダンジョン内にはレアリティの高い宝箱が多く存在しています。ダンジョン内のマップはかえでくんが踏破した場所が自動記録されていく仕組みなので、先ほどお送りしたマップデータには含まれていません。このダンジョンは『はじまりのダンジョン』と呼ばれる初心者向けダンジョンなので、階層は浅く、3階までです。最下層にいるダンジョンボスを倒すことができれば、ダンジョンマスターの権限はかえでくんに移譲されます)
「家がほしくばボスを倒せってことか。初心者向けのダンジョンなら何とか……?」
(攻略推奨レベルは50です)
「ぜんぜん初心者向けじゃないじゃん。ボクの今のレベルは……22なんですけど」
(わたしがついていますし、ファンの方の応援もありますからきっと平気です)
「応援だけで強くなれたら苦労しないんだよね……」
一緒に戦ってくれる仲間がほしい。
“チィタマがんばえー”
“チィタマがんばえー”
“チィタマがんばえー”
“チィタマがんばえー”
“チィタマがんばえー”
「なんかほかのこと言えよ……。そうだ、誰かトラックに轢かれて転生してきてくんない?」
“なんとかほう助”
“これはいけませんね”
“転生するならスマホ持って無双するわ”
“俺は駄女神を連れていく”
“スライム王に俺はなる!”
“八男ハーレムポジはいただいた”
“乙女ゲームに転生して悪役令嬢でもやっておくかな”
“ここだけ直近にやっていたゲーム世界に転生するスレ”
「転生したい世界を教えてくれとは言っていないんだけど……」
コイツらは当てにならないな。
自分で何とかするしかないか……。
(かえでくん、そろそろMPもSPも回復してきているでしょうし、ダンジョンに突入しましょう)
「えーと、装備とか準備は……」
(まれにダンジョン内にお店が出現することがあるそうなので、もし発見したらそこでアイテムを購入しましょう)
「不思議のダンジョンじゃん」
(死んだらおしまいなので、くれぐれもどろぼうは試さないようにおねがいします)
「しませんけど⁉ でも大部屋の巻物があったらワンチャン……」
“事務所につるはし送っとくわw”
“金のつるはしな”
“そして大量につるはしが届くwww”
“もはや犯罪予告だろw”
“俺らにできることはつるはしを送ることくらいだし”
“チィタマ(どろぼう)がんばえー”
「ネタでもつるはしは送るなよ?」
大事になったら困るから。
だいたい事務所に送られてもダンジョン内では使えないんだわ。これはゲームだからね? 現実とごっちゃにしないでよね。
(かえでくんは緊張感をもって行動してください。これはゲームであっても遊びではないです)
そこがおかしい……。なんでボクだけ命かかっているみたいになっているの……。
そもそもあれだ。よくわかっていないのは、ボクって今、何か月もゲームにログインしっぱなしなんだよね? 仕事がどうなっているのかもそうなんだけど、ボクの体はどういう状況なのさ?
(体のほうは師匠が適切にメンテナンスしてくださっているので安心してください。裸のまま謎の液体に浸けられていました)
謎の液体って……。
「何かなあ、怖いなあ。ところで推奨レベル50ってことは、ダンジョン内の魔物ってそうとう強いの?」
(第1階層の魔物の平均レベルは20、第2階層は30、第3階層は40です。それぞれの階層で十分にレベルを上げてから望めば問題はないと思います)
“風が吹いてきた… かなり強くなってきた!”
“あ~もうダメだw”
“はいレベル1からやり直しw”
“弱くてニューゲーム”
“お前ら不思議のダンジョン好きすぎかw”
“どうたぬき定期”
“鬼面武者の肉を食うぜ”
“やっぱりミノタウロスの斧だな”
“しあわせ草”
“ちからの最大値ぃ!”
「うるさいなあ。このダンジョンはそういうんじゃないからな! たぶんだけど!」
『そういうダンジョンが好きならそういうのにしておこっか?』
あー、プログラマー(ルーナ)ちゃんの声がー。
大丈夫です! そういう配慮はいらないです!
『そう~? ターン製バトルにしなくて良い~?』
大丈夫です!
なんでも良いから早く帰りたい!




