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ボク、女の子になって過去にタイムリープしたみたいです。最推しアイドルのマネージャーになったので、彼女が売れるために何でもします!  作者: 奇蹟あい
第十四章 定期公演 ~ Monthly Party 2024 -25~ #11編

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第52話 ユエユエの「バカ」に込められた想い

「ということは、授業終わりにスカウトされたんですね!」


 わざわざアメリカの大学にまで押しかけて、ユエユエをスカウトにねー。まあでも、その後日本でトップアイドルの座まで登り詰めるわけだから、七瀬マネージャーの見る目は間違っていなかったってことだよね。


「ぜんぜん?」


「あれ?」


 スカウトするために会いに行ったんじゃなかったのかな?


「彼は、授業の内容……私の研究内容についてあれこれ質問してきたわ」


「ほぅほぅ。まずは共通の話題で気を引こうというわけですか」


 そりゃあいきなりスカウトしたら気味悪がられるよね。まずは仲良くなってから! それが正しそう!


「正規の学生でもないし、適当にあしらっていたんだけど、『聴講の許可は取っているから』って、毎回毎回授業に来ては授業終わりに質問攻めよ~。面倒ったらありゃしない」


「……純粋に研究内容に興味があったとか?」


「ぜんぜんよ。あとで尋ねたら、自分のことを印象付けて覚えてもらうために必死に勉強したんだって。ホント、バカみたいよね~」


 微笑みながら発せられた、その「バカ」に、とてもとても深い想いを感じずにはいられなかった。きっとユエユエは、そんな不器用でバカな七瀬マネージャーのことを好きになっちゃったんだろうなあ。


「そんな日々が半年ほど続いた時だったかな~」


「半年⁉」


 思っていたよりだいぶ長いこと通っている⁉


「私、そんなに頻繁に授業してなかったもの。研究のほうがメインだし~」


「なるほど……」


 大学の授業ってそういうものなのか。


「通常ですと、Professor(教授)は週に数コマの授業を受け持つ契約をしているものだと思いますが、みつきさんは特別な契約だったのでしょうか」


「教えるの面倒だし、サボってただけ! 違約金も払っていたし、別に良いでしょ!」


 いや、お金払えば良いという理論は、教師としてダメだと思いますが……。


「つまり……ユエユエがサボってばかりで、授業があったりなかったりするのに、七瀬マネージャーは半年も足繁く大学に通っていた、と」


 不憫だ。

 いつも休校のお知らせを受け取ってがっかりしていたんでしょうね……。


「私が来てって頼んだわけじゃないし! 勝手に来るのが悪いんでしょ!」


 ユエユエは頬を膨らませてそっぽを向く。


「……ツンデレ?」


「ツンデレさんですね」


「100%ツンデレね!」


「誰がツンデレよ!」


 はい、ルナカエレイ探偵団の意見が一致しました!

 ユエユエはツンデレに認定されました!


「でも白状しちゃうと、気になっていたのはホント。ほかの学生は私に遠慮しているのか、ほとんど直接質問にも来ないし、たまにメールで長文を送ってくる生徒がいるくらいだったから、正直授業しているのがつまらなかったのよね~。その点、七瀬さんは素人丸出しでおバカな質問をしてくるでしょ? ちょっとかわいく見えて……何よ! その顔は⁉」


「べーつーにー?」


 恋する乙女の顔を観察していただけですけどー?


「ななせさんの作戦勝ちだったということですね」


「美月はちょろインだ~!」


 ルナカエレイ探偵団は、恋する乙女を追い詰めるのに容赦はしないのだ!


「ちょろ……茶化すなら話やめるわよ⁉」

 

 トップアイドルちょろインの顔が真っ赤だ。


「ごめんなさい。ニヤニヤしながら黙って聴くので、話を続けてください!」


「ニヤニヤって……。もう……。それでね! ある時七瀬さんが言ったのよ。『キミの研究は人を笑顔にするものなのか?』って」


 人を笑顔にする研究。

 すべての人を笑顔にするアイドル。


 いよいよ出てきたか。


「想定外の質問をぶつけられて、少しの間、答えが出せなかったわ……。でも、私の行っている研究のいくつかは、必ず人類のためになる。人類の未来を明るくするという自負があった。だから『YES』と答えたのよ」


 ユエユエがどんな研究をしていたのかは知らない。

 でも、研究というのは将来への投資であることがほとんどだからね。最初から悪いことをしてやろうと思って研究をしている研究者なんてそうそういるものではないでしょう。


「そうしたら七瀬さんは……なんて言ったと思う?」


 急にクイズ形式?

 んー、なんだろうな。

 半年も通った理由は、ユエユエをスカウトしたいからなんだし、どうにかこうにか強引に自分のフィールドに引き込むために策を打つはず。


 となるとたぶん――。


「今よりももっと人を笑顔にできる仕事があるよ、とか?」


 とってもかわいいキミに向いているのはアイドルさ。

 なんてキザなことは言わないか。


「ぜんぜん違う~」


 ダメかー。

 わからないなあ。


 ユエユエがちらりとレイとルーナちゃんのほうに視線を向ける。

 けれど、2人とも黙ったまま小さく頷くだけで何も答えようとはしなかった。


「七瀬さんはね、『ではなんでキミは眉間にしわを寄せて授業をしているんだい?』って言ったのよ」


 なるほど……。


 なるほどね。


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