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ボク、女の子になって過去にタイムリープしたみたいです。最推しアイドルのマネージャーになったので、彼女が売れるために何でもします!  作者: 奇蹟あい
第十二章 定期公演 ~ Monthly Party 2024-25 ~ #9編

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第35話 定期公演#9(≪BiAG≫コラボレーションライブ) その4~お父さんの名前はユーリくん?

 メイメイの父親の話。


 メイメイは私生児で、戸籍上の父親はいない。だから、父親というよりは遺伝子提供者と言ったほうが正しいのかもしれないね。


 秋月美月さんが聖女マリア様のように処女受胎をしていない限り、絶対に存在する遺伝子提供者。

 マスコミも週刊誌もその情報は掴めていないのだろう。匂わせの飛ばし記事すら出ていない。完全に謎に包まれたその相手と、秋月美月さんはどのようにして出逢い、愛を育んだのだろうか。


 しかし歴史は語っている。

 秋月美月さんは武道館でのワンマンライブを成功させた後、表舞台から忽然と消える。そしてそのまま引退。約1年後にメイメイを出産。出産時に死去。


 武道館ライブの日とメイメイの誕生日を時系列的に考えれば、秋月美月さんはメイメイの遺伝子上の父親となる人物とすでに出逢っている可能性が極めて高いのだ。メイメイが妊娠何週目で生まれたのかわからないけれど、もしかしたら秋月美月さんは武道館ライブの時にはすでにメイメイを身ごもっていた可能性すらある……。


 秋月美月さんが亡くなったことで、表に出ることなく永遠の闇に包まれたはずの話。

 その答えが、不死鳥のように蘇った秋月美月さん本人の口から語られるのか……。


 今、世界中が注目する。



「私ってあなたのお母さんなのよね~? う~ん、う~ん」


 秋月美月さんは眉間にしわを寄せて何かを考えこむ。思い当たることがあるのか、何かを思い出そうとしているのか。


「私のお母さんですよ~。DNA鑑定の結果がこれですよ~」


 メイメイがポケットから小さく折りたたまれた紙を取り出し、ていねいに広げる。

 いや、ライブ中に何を持ってきてるのさ。


 見せなくて良いからね?

 めっちゃ個人情報だからカメラに映さないで!


「ホントなのね~。令和? 昭和の間違い?」


 顔を近づけて鑑定書を確認した秋月美月さん。


 そうか、令和を知らないのか……。

 18年前だと普通に平成ど真ん中だわ。 


「今は令和ですよ~。昭和は大昔ですよ~。白黒テレビの時代ですよ~」


「なぬ~! 昭和はカラーテレビの時代! 小娘は昭和を知らないのか~? 昭和は名曲が多いんだよ~!」


「小娘じゃないですよ~。お母さんの娘ですよ~」


「……ダメだ。この子とは会話がかみ合わない気がする……。トモちゃん、パス!」


 秋月美月さんはそれだけ言い残すと、メイメイからくるりと背を向けて益田友恵さんの後ろに隠れてしまった。


「パスってあなたね~。娘の相手くらい自分でしなさいよ」


「だって私、産んでないもん。忙しくて出逢いなんてないし~、そんな予定もないし~」


「でもここは私たちからしたら未来なのよ?」


「そんなの知らないよ~」


 益田友恵さんは自分が本来の存在ではないということを認識しているようだけど、秋月美月さんはまったく理解しようとしていない様子。


 しかし今の一連の会話を聴いて、安堵したファンも多いかもしれないね?

 少なくとも現時点――武道館ライブ直前の秋月美月さんに子どもを作るような恋人がいる様子はないということがわかったわけだ。まあ、ウソを吐いたり隠したりしていなければ、だけど……そういう駆け引きをするタイプには見えないよね。


「ふっふっふ~。アチシ知ってるよ! ミッツがユーリくんに激ハマりしているってことをね!」


 目白沙希めじろさきさんが秋月美月さんに後ろから抱き着く。

 頭につけているのは……ウサミミカチューシャ? サクにゃんと同じタイプなのかな?


 って、ユーリくん⁉ 誰⁉

 まさか隠された男の存在が⁉


「サキ……がなんでそれを……」


 震えるような声。

 どうやらユーリくんなる男の存在は事実のようだ……。


「あ~しも知ってるし。つか、知らんヤツおらんやん?」


 比留間樹ひるまいつきさんも会話に参加する。

 見た目清楚っぽいのに、しゃべり方がちょっと昭和のギャルっぽい……。


 と、周りを見れば、全員が深く頷いていた。


 ユーリくんって誰⁉

 ≪BiAG≫のメンバーは全員知っているっぽい⁉


「それが私のお父さんの名前ですか~?」


「そ、それは……どうかな……」


 口笛を吹くようにして、メイメイから目を反らす秋月美月さん。

 これはマジのマジなのか⁉


「案外そうかもしれないニョロ?」


「ありえない話じゃないわね……」


 まさかホントのホントに⁉

 今、この配信を見ている特定班が『ユーリくん』なる人物を超速で調べていることだろう。


『#ユーリくん』がSNSのトレンド入りするのも間近のはず。

 特定班の仕事結果が待たれる……。


「いやいやいや、それはないっしょ」


 比留間樹さんが半笑いで否定する。


「だってユーリくんアニメだし、無理っしょ」


 アニメ……。アニメ?


「でもでも! 結婚したいくらい好きなの~! ユーリくん好き好き~!」


 目白沙希さんを背負ったまま、地団駄を踏む。

 さすが伝説のアイドル。体幹がしっかりしていらっしゃる……。


 ってそんなことどうでも良くて、アニメ……?


 お、コメント欄にいる特定班の情報によると――。


『今日からマ王!』というアニメの主人公・渋谷有利しぶやゆうりではないか、と。


 2004年放映のアニメ……。し、知らない……。


「ユーリくんすっごいかっこいいんだよ~! みんなも好きでしょ~? でも結婚するのは私だからね!」


 どんどん崩れていく伝説のアイドルのイメージ。

 アニメの主人公に恋をするただの女の子にしか見えなくなってきた……。


「私のお父さんはアニメを作っている人ですか~?」


 メイメイ、たぶんそうじゃない。

 1回アニメから離れよう?


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