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ボク、女の子になって過去にタイムリープしたみたいです。最推しアイドルのマネージャーになったので、彼女が売れるために何でもします!  作者: 奇蹟あい
第十二章 定期公演 ~ Monthly Party 2024-25 ~ #9編

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第34話 定期公演#9(≪BiAG≫コラボレーションライブ) その3~禁断の質問

 ウーミーはステージ上手側、≪BiAG≫の面々が立っている方向に体を向けて、はっきりと言った。


「みなさまは、どの時点の≪Believe in AstroloGy≫のみなさまなのですか? どこまでの記憶をお持ちなのでしょうか?」


 お、おお……。

 変ではないけれど、その質問は……めちゃくちゃ重たいな……。


 答えられるのか、これ……?

 


「記憶……?」


 秋月美月さんが首を傾げる。


「記憶って何のことニョロ?」


 ニョロ?

 えーと、あれは……伊勢野乃花いせののかさんだ。

 ダンスをリードするメンバーで……ニョロ? 位置高めのお団子ヘア……じゃなくて頭に乗っているのはとぐろを巻いたヘビ⁉


「2人とも忘れちゃったの? ほら、先生に何度も説明されたじゃない。私たちは本物の人間じゃないのよ。エーアイなんとかってロボットだって」


 と、佐々木千佳ささきちかさん。

 主に前列でサブボーカルを担当するメンバーだ。ちなみにウーミーに負けず劣らず大変スタイルが抜群で……痛っ。説明しただけですってば!


「なんか言ってたね~。ぜんぜん意味がわかんなかったから、ちゃんと聞いてなかったよ~。アッハッハッハ」


 秋月美月さんが笑いながらステージ後方に用意されたペットボトルの水を飲みに行く。

 いや、そこはちゃんと聴いとけよ!


 って、思わず伝説のアイドルにツッコんでしまった……。

 なんかさー。素のメイメイにそっくりすぎてヤバい……。ていうか、メイメイよりもヤバそう……。 


「記憶って言われてもピンとこないンよ。武道館のワンマンに向けて練習していたことは覚えているンよ? でもその前何していたのか、あんまりはっきりしないンよね~。自分のことやメンバーのことははっきりわかるのに変な感じなンよね~」


 越後梨美えちごりみさんが語る。

 もう1人の前列サブボーカル担当。表情がコロコロ変わるというか、きっとムードメーカー的な人なんだろうね。ちなみに黒髪がナギチよりも長い。それを2つ結びにして、器用に振り回しながら踊っている姿がキュートだ。


 でも今の言葉ではっきりわかったことがある。

 ここにいる≪BiAG≫のメンバーは、あの伝説の武道館ライブを経験する前の状態なんだ。


「わかりましたわ。みなさまはあの時の≪Believe in AstroloGy≫なのですね」


 あの時。

 ウーミーもどの時点の≪BiAG≫なのかを把握したようだった。


 伝説の武道館ライブを成功させ、名実ともに頂点に立ち……秋月美月さんが姿を消す前の≪BiAG≫。

 最高潮にテンションが上がるほんの一瞬手前。


 もしかしたら、今の≪初夏≫と似た状況なのかもしれないな。


「それで、私たちの武道館はいつなの? 今日は何月何日?」


 秋月美月さんはやはり何もわかっていない様子。

 周りのメンバーも苦笑している。


「はいは~い! お母さんたちは、大人気のアイドルだったんですよね~。いっぱいモテましたか~?」


 あ、コラ、メイメイ!

 アイドルに対して禁断の質問を!


「失礼な子ね~。どこの子かしら。私たちは“今も”大人気アイドルですよ~だ。過去にしないでよね~」


 プリプリ怒る秋月美月さん。

 プライドが高そうで……冗談で怒っているふりをしているようで……。んー、わからない。


「美月は激ヤバにモテるニョロ」


「やっぱり……」


「お母さんモテモテですか~」


「やっぱりそうなんですね!」


「そうですわよね」


「私とどっちがモテるかな☆」


 ナギチは黙っときなさい!


「それはそれはえげつなくモテるニョロよ。毎月事務所の資料室にトレーラーいっぱいのファンレターならぬラブレターが届くニョロ」


「それは盛り過ぎ~。小型トラックくらいだよ~」


 十分ヤバいです。

 まーあれか、SNSがあんまり流行っていない時代は、紙のファンレターが事務所に届いていたんですよね。今も多少は届くけれど、トレーラーいっぱいってどんな量なの……。


「お母さんはどんな人が好きなんですか~? 私のお父さんってどんな人ですか~?」


 メイメイ、その質問はちょっと!

 

 ファンレターの話までは、まあ問題ない。

 でも、特定の男性の話は……。

 しかも子供を作るような……そんな深い関係の男性の話はアイドルとしては致命的……。たとえ何かの拍子でそのことを知っていたとしても、表では絶対にしてはいけない話だ。


「サツキ。その質問は……やめておきましょ」


 ハルルがはっきりと止めに入った。


 歴史は語っている。

 秋月美月さんは武道館でのワンマンライブを成功させた後、表舞台から忽然と消える。そしてそのまま引退。約1年後にメイメイを出産。死去。


 ここにいる≪BiAG≫が、武道館ライブ直前の記憶を有しているのだとしたら、すでにメイメイの父親となる男性と出逢っているとしたら――。


 秋月美月さんが亡くなったことで、決して明かされることがなかったはずの話。

 その答えが、不死鳥のように蘇った秋月美月さんの口から語られるのか……。


 今、世界中が注目する。


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