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ボク、女の子になって過去にタイムリープしたみたいです。最推しアイドルのマネージャーになったので、彼女が売れるために何でもします!  作者: 奇蹟あい
第十二章 定期公演 ~ Monthly Party 2024-25 ~ #9編

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第29話 定期公演#9に向けて、全員で前日入り!

 定期公演#9の前日。

 昼12時に本社ビル前に集合。


 いつもとは違うコラボレーションライブということで、機材搬入やリハーサルの都合上、関係者全員の前日入りが言い渡されているのだ。


「全員集まっているかしら? まさか遅刻している人なんていないわよね?」


 昼集合ということもあって強気な発言のウタさん。

 それでも1番最後にいらっしゃったわけですが……。

 

 都が本社待機組なので、そういう時の全体の仕切りは自然とウタが行うことになっている。シオはこういう時はあんまり仕切ったりしない。影のボス的なポジションが良いんだってさ。好きにしてくれって感じだけど。


「ウタちゃん、忘れ物をしちゃいました~。取ってきても良いですか~?」


 メイメイがバスのステップまで降りてきて、深刻そうな顔で申し出る。

 おかしいな、持ち物チェックはしてあげたのに忘れ物を⁉


「早月さん、何を忘れたのかしら? 取りに帰らないとダメなもの?」


 雑貨類ならドームのほうでも購入することはできる。

 衣装関係だとちょっとまずいな。でもそれは昨日チェックしたはず……。


「明日の帰りのバスの中で食べるお菓子が足りないかもしれなくて~」


「……却下よ。ドームで買いなさい」


 一瞬の迷いもなかった。

 冷ややかな視線だ……。

 まあ、さすがにお菓子はドームでも買えるでしょってボクも思います。行きの分じゃなくて帰りの分なら余計にね。 


「嫌です~!『ハルサクメイナギウミ一生アイドルしますドーム』には普通のお菓子しか売ってないんですよ~。ナギサちゃんが作ってくれた特製クッキーがほしいんですよ~。ギリギリに出そうと思って冷蔵庫に入れておいたまま忘れてきちゃいました~」


 抵抗するメイメイ。

 手作りお菓子はさすがに……。今回はガマンしよう?


「サッちゃん! 私、少しだけなら持ってきてるから、これあげる☆」


 ナギチが手提げバッグから小さな袋を取り出して、メイメイに手に握らせる。


「新作のアイスボックスクッキーなの。あとでみんなに配ろうと思ってたんだ!」


「うぅ……ナギサちゃんありがとう~。一生大事に食べますよ~」


 涙を流して感謝を伝えるメイメイ。

 感動的なシーンだなあ。


「まるで生き別れになっていた姉妹が再会した時の絵やな」

 

「そう、それ! 写真撮っとこう」


 シオはうまいこと表現するね。

 良い写真だ。SNSにポストしたいなあ。


「はい、お菓子の話終わり。あなたたち、さっさとバスに乗りなさい」


 ウタはドライだ。

 そういえばウタがお菓子を食べているところってあんまり見ないね。甘いもの好きじゃないんだっけ?


「ウタちゃんはな、イメージを大切にしているんや」


 シオがしたり顔でボクの肩を叩いてくる。


「イメージ?」


「せやで。吸血鬼がクッキーやケーキを食べていたらどうや?」


「どうと言われても……甘いものが好きなのかなって?」


「ウタちゃんの中での吸血鬼は、処女の生き血を吸う神聖な存在なんや。お菓子なんて食べへん」


「そ、そうなんだ……」


 イメージ作りって大変なんだ……。


「でもな、あれで甘いものがごっつ好きやから、こっそりチョコばっかりかじっとるで」


「チョコ? それは吸血鬼のイメージ的にセーフなんだ?」


「チョコレートは、昔々、牛の血で作られたっちゅ~説もあるくらいやからセーフなんやって」


「それってマンガの話じゃ……」


「ええやんか。人間、逃げ道も必要やで。最近では板チョコだけやなくて、チョコが入っているお菓子全般もセーフっちゅ~ことになってるしな。ガバガバ設定や」


 シオが「ハハハ」と笑う。

 ウタもお菓子食べたいなら無理しなきゃ良いのに。

 まあ、そうだな。あとでチョコ菓子を差し入れてあげようかな。


「あなたたち、さっさとバスに乗りなさい。置いていくわよ!」


 気づけば、外にいるのはボクとシオだけ。

 ほかの全員はすでにバスに乗り込んでいた。


「今行きます!」


「ほな出発や~」


 さあ、明日は定期公演#9改め、≪BiAG≫とのスペシャルコラボレーションライブだ!


 すでに麻里さんが現地入りして技術スタッフたちと最終調整中らしい。

 高まってくるね!


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