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ボク、女の子になって過去にタイムリープしたみたいです。最推しアイドルのマネージャーになったので、彼女が売れるために何でもします!  作者: 奇蹟あい
第十二章 定期公演 ~ Monthly Party 2024-25 ~ #9編

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第21話 【非公式】七瀬楓誕生祭2025 その5~日本で1番人気のアイドルのリーダーだよ(終)

「カエデちゃ~~~~~~ん!」


 会議室の扉を荒々しく開け放ち、突進してくる黒い影。

 あー、今年はいのしし年だったかな?


「カエデちゃ~ん! お誕生日おめでとう!」


 突進してきた勢いのまま、黒い影がボクの脇腹に突き刺さる。

 うし年だった……か……。ぐふっ……。


「好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き」


 ちょっとハルル! 落ち着きなさいって!

 それ以上は……あばら骨がっ……折れるっ……!



「……まったく。ボクじゃなかったらとっくに病院送りになっていたからね?」


「ごめんなさい……つい……」


 カーペットに正座して反省中のハルル。


「ごめんで済んだら病院も警察もいらないんだよ? ハルルの力で締め付けたら、人はケガをするし最悪死ぬから。覚えておいて?」


「……カエデちゃんなら平気だもん」


「なんか言った⁉」


「ごめんなさい……」


 わかればよろしい。

 それにしてもハルルって、だんだん力が強くなってきているよね。それに物理的なパワーだけじゃない。前はもっとどっちかって言うと、やさしくみんなを支える雰囲気だったはずなのに、今や先頭を切ってみんなを力強く引っ張っていくリーダーになっているよね。


「ハルルって成長したよねえ」


「そんなに……痛かった?」


 真っ青な顔でボクの脇腹辺りを凝視するハルル。


「違う違う。いや、それは違わないけど、そうじゃなくてさ。リーダーとして頼もしいなあって」


「……そう? 自分ではわからないわ」


 キョトンとしてボクのことを見つめてくる。


「アドリブが弱くてポンコツっぷりを舞台で晒してたし」


「今もアドリブは苦手よ……」


「自分は無個性だって泣きながら相談してきたし」


「今も何が正解かわからなくて泣きそうよ……」


「でも人気No.1はハルルだよ」


「何かの間違いよ……。きっと私がリーダーだからみんな同情してくれているのよね。そうよ。ファンのみんなはやさしいから……」


 自嘲気味に笑う。


「ハルル立って。ファンの人たちのことを想うなら、同情票だなんて失礼なこと言わないで」


 ハルルの手を取って強引に立たせる。


「ハルルが良い。ハルルの作る≪初夏≫が良い。そうやってハルルのことを応援してくれているファンの気持ちを同情票だなんて言ったら失礼だよ」


 みんな真剣に応援してくれている。

 とりあえずリーダー推しとくか、なんてファンがいるわけないでしょ。一見さんなんかじゃない。お金を払って≪初夏≫を応援しようって真剣に思ってくれているファンクラブ会員の人たちがいっぱいいて、支えてくれているんだからね。


「ごめんなさい……。ファンの人たちのことを悪く言うつもりなんてなくて……まだ自分のことが信じられないだけなの……」


 そう言って、ハルルは下を向いてしまった。

 

「もうさ、1年半だよ? いつまで新人アイドルでいるつもり? そろそろ自分の力を信じても良いんじゃないの?」


 この1年半、いろいろあったよね。

 デビューして最初の頃は、何をやっても地下から抜け出せそうになかった。

 でも、みんな腐らずにいろいろやったよね。

 手作り感満載のアイドルグループ。

 とっても楽しかったよ。

 

 事務所のおかげで定期的に配信をさせてもらえて、お仕事ももらえて、ライブまでさせてもらえて。

 麻里さんとルーナの確執(?)に巻き込まれて、世間を騒がす爆弾テロ事件まで起きちゃって。ここ1年くらいの間はかなり苦しかったよね。何とかオンラインでライブをやり続けて、でもファンの人たちはついてきてくれて。減るどころかたくさんの人に応援してもらったね。


「≪初夏≫を引っ張ってきたのは間違いなくハルルなんだよ。ハルルの実力なんだ」


「みんながいたからよ……」


「そりゃそうだよ。みんながいたからだよ? それが何か?」


「私の力じゃないよ……」


「ハルルだけの力じゃない。そりゃそうだよ。でもハルルの力もある。みんなの力もある。全員で力を合わせてやってきた。ボクたちマネージャーも含めてね?」


「うん……」


「みんな苦労したし、みんな成長した。苦しかったし楽しかった。そうだよね?」


「うん……」


「じゃあ良いじゃない? 自分の実力を認めようよ!」


 ハルルは本物だ。

 間違いない。


「そう、よね……。私、人気アイドルのリーダーだものね!」


「違うよ」


「えっ……」


「日本で1番人気のアイドルのリーダーだよ」


「日本で1番……大きく出たわね」


 ハルルが笑う。

 ようやくハルルが笑った。


「宣言したらその通りにしないといけないんだよ? ファンの人たちはウソが嫌いだからね」


「カエデちゃんずるい……」


「今年の目標、決まったね」


「日本一ね……」


「日本一。武道館だ。今年は必ず武道館にいく。いいね?」


「……行くわ。武道館で単独ライブ。日本一のアイドルになって、絶対に武道館でライブをする。たくさんの人が詰めかけて満員の武道館でライブをするわ!」


「とっても良い笑顔だ。さっそく今の動画を全員のグループメッセに流しておくね」


「えっ、撮影してたの⁉ ちょっと待ってぇ!」


 ハルルが再び突進。ボクの手から端末を奪おうとしてくる。


「はい、送信成功。ハルル、日本一&武道館ライブを宣言する、と♪」


「カエデちゃんのイジワル……」


 笑顔も良いけれど、泣きそうなハルルもかわいいね。


「イジワル? ボクはハルルの大ファンだよ。武道館で輝くハルルが見たいだけさ。ほら、みんなもやる気だ。あ、メイメイがSNSに投稿を……」


 今年の抱負:武道館で単独ライブをする


 あー、ヤバい。さっそくめっちゃくちゃリポストされているし……。

 これはさすがにやっちゃった感……。


 いいや違うね。

 やれば良いだけなんだよ。

 

 いくぞ、武道館!


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