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ボク、女の子になって過去にタイムリープしたみたいです。最推しアイドルのマネージャーになったので、彼女が売れるために何でもします!  作者: 奇蹟あい
第十章 定期公演 ~ Monthly Party 2024 ~ #7編

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第25話 その子と双子コーデをしてみよう

「七瀬楓さんだよね。キミのことも知ってるよ」


「えっ?」


 何それ怖い。

 ボクはお金持ってないです……。

 カツアゲだけは勘弁してください……。


「何で知ってるかって顔してるね。本当に予想通りの反応でかわいいな~。実はね、私、オハナの同級生なんだよ」


 予想外の答え。


「ええっ⁉ 花さんの! ボクの上司で……担任の先生です」


 世間は狭すぎる!

 えー、じゃあ20代前半に見えるこのお姉さんも三十路なのか……。


「楓ちゃんって、マネージャーにアイドルに役者に大活躍なんだよね。たまに飲みに行くとすぐにキミのことと、もちろんほかの子たちの自慢ばかりを聞かされるよ~」


 お姉さんの笑い声に合わせるように、鼻と口のピアスがチリンチリンと楽しそうな音を奏でた。


「花さんってば……。ボクはただのマネージャーなので……」


「たまに配信にも出ているじゃない? オハナに勧められてから、私いろいろ見てるんだよ~。少し前と比べると、ずいぶんあか抜けてきたね。こんな言い方はあれだけど、前に比べて、雰囲気がすっごく女の子っぽくなったと思うよ」


 うわー、めっちゃ確認されてる。恥ずかしっ!

 そうか。ボク、女の子っぽくなってたのか……。


「そうだな~。楓ちゃんにはね、これをプレゼントしようかな!」


 そう言ってお姉さんが取り出したのは、その子が手にしているワンピースとまったく同じデザインの色違い。真っ白なワンピースに黒い十字架の刺繍が施されていた。


「双子コーデって知ってる?」


「あ、はい」


「2人ともさ、せっかくだから着るだけ着てみてよ。奥に試着室あるから」


 満面の笑みを浮かべるお姉さん。

 すごくすごく期待している顔だ……。


「その子……」


 どうする?


「着ます!」


 その子が顔を真っ赤にして、黒いワンピースを胸に抱いている。

 じゃあ、一緒に着るか!


「ありがとうございます。お言葉に甘えて」


 ボクとその子は、2人並んで店の奥にある試着室へ。

 

「せっかくだから、このハイソとブーツもね」


 お姉さんがカーテンの下から何やらところどころ破れた感じのハイソックス、ゴツめのブーツを差し入れてくる。ん、あとのこれはアームカバーかな?



 鏡に映るボクがだんだんと変身していく。

 さっきまでのボーイッシュなファッションからロリータファッションへ。


 白い……。

 めっちゃかわいい服……でも顔がボクじゃなあ。顔から下だけ写真に撮ったら……モデルさんみたい。なんてね。


「その子、着替えられたー?」


 隣の試着室に向かって呼びかけてみる。


「あ、はい。なんとか……」


「じゃあ見せあおうか」


「え、嫌ですよ」


「その子……。特別に着させてもらったんだから見せるのは義務だよ」


「はい……わかりました」


 なんでテンション下がってるのさ。

 ボクだって恥ずかしいけど、それが礼儀だからね。


 勢いよく試着室のカーテンを開き、店内へ。


「楓ちゃんかわいいじゃない。よく似合う~」


 お姉さんが手を叩いて喜んでいた。


「そ、そうですか? 地味顔で……すみません」


 服に着せられているってこのことですね。


「顔? 整っていて良いと思うよ。肌も白いし、うらやましいよ! あとは服に合ったメイクをすれば良いだけだから。やってあげるね」


「え、ありがとうございます。ってその子も、さっさと出てくる!」


「はい……うぅ……笑わないでくださいよ」


 試着室のカーテンがゆっくりと開き、その子が姿を現した。

 ボクと色違いの真っ黒なコーデ。


「え、似合うじゃん。普通に良いじゃん! やるじゃんその子!」


 いつものその子とはぜんぜん違う。黒を身に纏うだけで、キリッとした印象に変わっていた。羞恥のせいなのか、目はギュッ閉じていて顔は真っ赤だけど。


「宮川さん、とってもかわいいよ! 私の目に狂いはなかったわ!」


 お姉さんも大絶賛。

 ボクも大絶賛。


「そんなに……見ないでください……」


 とうとうその子は、顔を覆ってしゃがみ込んでしまった。


「ファッションは命。私の魂を受け取って、服に命を吹き込んでくれてありがとう」


 お姉さんが深く腰を折った。


「そんな……こちらこそこんなに素敵な服を……」


「はい、それじゃあ2人ともメイクしちゃおう!」


「えっ、メイクですか⁉」


「お店に入ってきた時かずっと気になってたの! 2人ともスッピンだもん! ちゃんとメイクしなきゃ!」


 ボクとその子は、お姉さんに手を引っ張られ、並んで受付のカウンターデスクに座らされる。


「2人同時に仕上げちゃうからね~。私に全部任せて!」


 と、ボクたちの了解を取ることなくメイクが始まる。


 ボクとその子は目元を中心に濃いめのメイクを施された。

「「なんかすごい……自分じゃないみたい」」なんてお互い顔を見合わせている間に、隣のお店(撮影スタジオ)に連れていかれそうになったので、外でしょぼくれている花子を回収し、一緒に撮影スタジオへ。

 あとはもう、されるがまま。

 モデルのまねごとのようにポーズを取らされ、写真を死ぬほど取られ……お土産にと何着もゴシックな服やアクセサリーの入ったカートを持たされてから、ようやく解放されたのだった。



「また遊びに来てね♪」


 店の外まで出てきて笑顔で見送ってくれるお姉さん。

 双子コーデのままのボクとその子は疲労困憊。白黒のカートをガラガラと引きながら、重い足取りで本社ビルへと帰るのだった。


 楽しかったけど……疲れた……。


 あ、ヤバ。

 メッセが鬼のように……。


 とりあえずウーミーとウタの間には何もなかったみたい。

 安心だね(?)

 

 でも最後の【うわきもの】ってメッセージが怖すぎる……。


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