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ボク、女の子になって過去にタイムリープしたみたいです。最推しアイドルのマネージャーになったので、彼女が売れるために何でもします!  作者: 奇蹟あい
第十章 定期公演 ~ Monthly Party 2024 ~ #7編

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第22話 潜入! 謎のアパレルショップ!

 ウーミーとウタは、手を絡め、恋人繋ぎのまま小さなアパレルショップへと入っていった。


「裏通りか。こっちはあんまり来たことなかったな」


 表通りと違って、規模が小さめの店が軒を連ねている。

 件のアパレルショップ、雑貨屋、めがね屋……ベトナムのアンテナショップ? なんでそんなものが。何が売ってるんだろう。ちょっと見てみようかな。


「がぅ!」


「おお、そうだった。今は裏通りの見学をしている場合じゃないね。ボクたちもアパレルショップに入ってみよう」


 でも大丈夫かな。

 小さい店だと中に入った瞬間に見つかってしまう可能性もある。


「んー、でも外からだとよく見えない……」


 やっぱり潜入して確認するしかないか。マントを頭から被っていくとか?


「がぅ!」


 え、何?

 ウソでしょ……犬入店お断りの看板が。


「なんてこった!『誰でもチワワ~子グマ用~』の首輪をつけている花子は入店できない……」


 困った。

 いっそのこと首輪を取る?

 犬はダメでもクマはギリ行けるってことは……まあないか。


「んーどうしよう。花子、外で待ってられる?」


「がぅ……」


 そんな淋しそうな声を出すなよー。

 わかったよ。じゃあボクも店には入らないよ。一緒にこのまま店の外で待機しよう。


「がぅ!」



 ボクと花子は店から少し離れた電柱の陰に隠れ、2人が店から出てくるのを待つ。

 しかし、10分経っても20分経っても一向に出てくる気配がない。


「中で何をやっているんだろう……」


「がぅ……」


 やっぱり突撃したほうが良かったのかな。

 でも今さらだしなあ。


「楓さん」


「まさか裏口からすでに店を出ている可能性がある、とか⁉」


「楓さんってば!」


 突然肩を叩かれて、ボクは飛び上がるほど驚く。

 振り返るとそこには仏頂面をした宮川その子の姿が。

 宮川その子。

 その子はメイメイの最古参オタの1人。『サイキック@メイメイ単推し』という名前でオタ活をしている。ボクの唯一の友人(仕事関係を除く)だ。


「びっっっくりした……。なんだその子かよ……。いきなり肩を叩くなんて非常識だぞ!」


「何度も声をかけましたって。頭に犬を乗せて、ずっと挙動不審で電信柱に抱きついている楓さんのほうが非常識です」


 まあ、そう言われれば危ない人のように見えるかもしれない。

 しかーし――。


「今はメイカエレイハナ探偵団の活動中なんだ。神聖な尾行の最中なのだよ」


「例の探偵団ですか。ということは……メイメイはどこですか⁉」


 急にスイッチが入ったように、その子が挙動不審になる。


「いや、今は2手に分かれて行動しているから、メイメイとは別行動だよ」


「なんだ、良かった……」


 その子は心の底から安堵したというように、胸をなでおろす。


「メイメイと一緒じゃなくて悪かったね」


「逆ですよ逆! 推しにお金も払わずにプライベートで出逢うなんてストーカーみたいじゃないですか! そんなことをするヤツはファン協会から除名されますよ」


 何かを熱弁するその子。

 しかし、ボクにはまったくと言っていいほど響いてこなかった。


「ストーカーが『ストーカーみたい』ってそのギャグめっちゃおもしろーい。正真正銘本物のストーカーが何言ってんだか」


「いつまでそれをネタにするんですか……。もうMINAさんが許してくれたんだから良いじゃないですか」


 おーおー、そっちがため息をつくなよなー!

 何も被害がなかったから良かったけど、ストーカー行為は絶対やっちゃいけないことだからね? まあ、メイメイに対してストーカー行為を働くことはなさそうだから、今のところは良いけどさ。


「ところで、なんで頭に犬を乗せているんですか?」


「あー、うん……。チワワ?」


「なんで疑問形? こんな真っ黒なチワワっているんですね。初めてみました」


 その子の顔が、花子に近づいていく。

 こんな至近距離で見られてバレないものなんだろうか。不安。


「がぅがぅ!」


 ボクの頭の上でおとなしくしていた花子が、突然その子の肩へと飛び移る。


「ちょっ、えっ⁉」


 困惑するその子。


「がぅ!」


 花子は、動きの固まったその子の背中側に回り、三つ編みを伝って頭の上へと移動する。


「おい、花子⁉ 急にどうした?」


「がぅがぅがぅ!」


 花子はご機嫌な様子でその子のおでこをペチペチと叩いた。


「え、もしかして……その子とお留守番しているから、ボクに店を見てこいって言ってる?」


「がぅ!」


 おお、合っているっぽい。

 それは名案だね。


「というわけだから、その子さ、ここで花子と待っていてくれない?」


「何が『というわけ』なんですか……。毛がもっさりしたチワワがやたらと馴れ馴れしんですけど……。楓さんそっくりでなんかヤダ……」


 その子が花子のお尻を掴んで揉み始める。


「が~ぅ~」


 うれしそうだ。

 すっかり打ち解けているみたい。


「だからさっき言ったじゃん。メイカエレイハナ探偵団の活動中なんだよ。どうしてもあの店を調査しないといけないんだけど、『犬入店お断り』の看板が出ているから困っていたんだ」


「何の調査……かは聞きませんよ。ライブのネタバレは絶対にやめてください」


「おー、するどいね。そう、まさにその調査だからさ。トップシークレットだよ」


 シー。

 だからお願い?


「わかりました。私もこの後買い物の予定があるので、短めにお願いします」


「やったー! ありがとうその子! さっすが我が親友!」


「こういう時ばっかり……。たまには私のためにも何かしてくださいよ」


 その子が苦笑する。


「何でもするよー。でも犯罪はダメだよ? 合法の範囲内で頼みます。だからどんなに頼まれてもメイメイの下着を盗んできたりはできない!」


「私を何だと思ってるんですか!」


「メイメイが武道館に行ったら死んでも良いと思っている古参オタ」


「合ってますけど! 下着は盗みません!」


「……ここ、人通りは少ないけど道端だからさ……あんまり大声で下着を盗むとか言わないほうが良いよ」

 

「誰のせいで!……もうさっさと探偵団の仕事を終わらせてきてくださいよ!」


「お、そうだった! ちょっと行ってくるわ! その子、花子、留守番は任せた」


 大胆に、慎重に、探偵団のマントに身を隠しながら、ボクはアパレルショップへと近づく。


「はいはい、いってらっしゃい」


「がう~!」


 任せておけ!

 必ず成果を持ち帰るぞ!


 って、ヤバッ!

 ちょうど2人が店から出てきちゃった!


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