-第一章四十二節 人命救助と空気が読めないと連携技-
いきなり凶悪な表情かつ鬼の様相で紛うこと無き修羅が如く!…マサツグとモツが父親に対して暴行を加えていた信者達を一瞬で蹴散らし、その信者達数名を宙に舞わせる光景をその場に集まっていた冒険者達・村の人達そして司祭に見せると、その突然の光景に驚き戸惑い始める。宙に舞っていた信者達は受け身を取る事無く地面に落下すると這い蹲り、辛うじて痙攣はしているだろうか…それでもマサツグとモツの無慈悲な攻撃に耐え切れなかった様子で立ち上ろうとはせず、ただ周りはどよめき…マサツグ達は何も言わぬまま攻撃後の体勢から徐々に体勢を立て直し、振り返ると司祭に武器を構えるよう睨み付けると、司祭もマサツグ達の登場に驚いて声を荒げる。
「な!?…何ですか貴方達は!?…
我々の邪魔を!!…」
「じゃかあしい!!!!」
「ッ!?!?…」
「テメェらに!!……
テメェらみてぇなクソゴミムシ共に
名乗る名前ななんざ持ってねぇ!!!…」
今だマサツグ達を見下ろす様に宙に浮き、椅子に腰掛けたまま上から目線で物を言う司祭に対し…マサツグが一言、怒り任せに司祭へ文句を言うとその言葉に覇気が籠っていたのか司祭はマサツグを見詰めて委縮し、椅子ごと後ろへと仰け反ってしまう!…その時のマサツグはまだ怒りが収まっていないのか、宙に浮く椅子に向かって大剣を構えては先程の司祭の問い掛けに対して律義に文句を口にしつつ返事をし、臨戦態勢のまま司祭を牽制するよう眼光鋭く睨み付けていると、そのマサツグの後ろではモツが檻にしがみ付く父親に声を掛けていた。
「おいアンタ!!…大丈夫か!?…」
「………。」
「お父さん!?…おとうさん!?!?…」
「………大丈夫…気絶してるだけだ…
ダメージは大きいけど…
今から治療すれば助けられる!…」
モツは信者に必死の抵抗を見せて居た父親の安否を確かめるよう声を掛けるのだが、その父親からは返答は帰って来ずピクリとも動かない…ボロボロのその体にモツがまさか!?と考えると慌てて容態を確認し出し、その父親の娘も檻の中から心配した様子で声を掛けるがやはり父親からの返事はない…そうしてモツが緊張した様子で父親の脈拍を確認し始め、微かだがまだ脈が残っており息が有る事を確認するのだが、危ない状態である事には変わらないと考えると、その場に居る人だかりに助けるよう声を掛け始める!
「おぉ~い!!!誰でも良い!来てくれ!!!…
まだ息が残っている!…まだ生きてるんだ!!…
誰か安全な場所まで連れてって治療を頼む!!!…」
__ッ!?…ざわざわ!…ざわざわ!!……
「ッ!!…おい!!!聞こえないのか!?…
誰でも良いから早く来い!!!…
この勇敢にもクソッたれ集団に立ち向かった
父親の息はまだ残ってんだ!!!!
早く助けに来い!!!!…それとも何か!?…
同じ村の人間だってのに!!…
自分の事じゃ無ければそれでいいって言うのか!?…
答えろ!!!…」
__ッ!?………
モツが慌てた様子で振り返り集まっている冒険者達・村人達に向け声を掛け始めるのだが、その集まっている者達は互いに顔を見合わせては戸惑うばかりで誰一人動こうともしない…宙に浮かぶ司祭からの攻撃に怯えているのか…それとも面倒事に関わりたくないと考えているのか…とにかくモツと檻にしがみ付く父親をチラチラ見てはオロオロするばかりで動こうとせず、その様子にモツが怒りを覚え爆発させると怒声を挙げて説教をし始める!今司祭はマサツグに牽制されて動けない!…他の信者達も先程のマサツグとモツの攻撃を見て怯え切っており襲われる心配はほぼ無い!…なのに何故動かない!!とモツが父親の勇姿に答えるよう集まる人達に声を荒げ続け、集まった人達がモツの気迫に押された様子でビク付いていると、その集まっている人達とは別の方向から突如申し出が聞こえ始める。
「……旦那!!…私に任せて下さい!!!…」
「ッ!…え?…あんたは!?…道具屋の!!…」
モツが申し出の聞こえた方へ振り向くと、そこにはあの態度が悪かった道具屋の店主が真剣な表情でモツ達の様子を見詰め、自身の店の前から姿を現しモツ達の方へと駆け付けて来る様子が目に映る。その道具屋の店主の登場にモツが戸惑いジッと駆けて来る店主を見ていると、店主はモツ達の無事を喜んではパッ!と状況を見て檻と父親が厄介と判断してか、その場の状況を任せるようモツに呼び掛け始める!
「はい!!…旦那達こそご無事で!!!…
それよりもその人と檻は私に!!…
…鍵開けは得意でして問題無く!…
一応救護の方も心得は!!…」
「ッ!!…助かる!!…
俺達はあの宙に浮いてる馬鹿を相手する!!!」
モツに任せるよう声を掛ける際、道具屋の店主は懐からまさかのピッキングツールを取り出し、医学にも一応知識が有るとおふざけ無しの表情で答えモツに頷いて見せると、モツはその様子に安堵した様子を見せては道具屋の店主に任せると頼み、マサツグ同様宙に浮く司祭が居る方に振り返ると剣を構え始める!その際司祭の事を馬鹿と言ってのけ、二人揃って司祭を牽制し動けない状態にすると、道具屋の店主は改めてその場に集まっている人達に声を掛け始める。
「…誰か!!…
この荷車を引く事とこの方を運ぶのを手伝ってくれ!!
ここは恐らく激戦地になる!!!…
急げ!!!…この人はあんた達の大切な家族を
助けようとしたんだぞ!?…
それを見殺しにする気か!?…」
__ッ!?……ッ!!……ガランガラン!!…
店主が慌てた様子でその場に居る人達に声を掛けるがやはり戸惑うばかり…しかし店主はそれを百も承知と言った様子で呼び続け、その父親をただ娘を助けようとした人では無く、捕まっている人達を助けようとした勇敢な人として文句を言う様に呼び掛けると、漸くハッ!とした様子で村人達が自覚し動き出し始める。その際武器代わりに持っていた農機具を捨て、慌てた様子でその道具屋の店主の手伝いに入り始めるのだが、モツはその様子を見て更に怒りを覚えると司祭を睨み付け、言葉を漏らし始める!
「…チッ!!…来るのがおせぇんだよ!!…
ここまで言わないと動けないのか!?…」
「…気持ちは分からなくもないがな?…
死んだら結局元も子も無いんだし…
何よりこの状況を作った元凶が特段悪いんだから…
…まぁ…キッチリ代価を払ってもらおうか…」
「クッ!!…我々の儀式の邪魔をするとは!!…
…天罰を!…」
漸く重い腰を上げ動き出した村人達にモツが愚痴を零し、マサツグが宥めるよう言葉を口にし始めるとその怒りの矛先を司祭に向けるようモツに話し続ける。今だ空中では司祭がマサツグとモツ…更に道具屋の店主の行動を見ては下唇を噛み締める様に不快感を覚え、檻を乗せた荷車ごと父親を移動させようとする道具屋店主達の行動に怒りを露にし、杖を振り上げようとした瞬間!…モツがその司祭より先に行動を起こす!
「ッ!!…雷撃刃!!!」
__ッ!?…バッ!!…コオォォ!…
バシュゥ!!……ドサァ!!…
「させるかってんだ!!…
それにさっきから上からジロジロジロジロ
見て来やがって!!…頭が高ぇんだよ!?…」
「グッ!!……?…ッ!?…」
モツが司祭の魔法より先に雷撃刃を仕掛けると司祭はそれに気が付いたのか、宙に浮く椅子から飛び降り地面に落下すると、椅子はモツの雷撃刃により一瞬で真っ二つに切り裂かれて炎上し始める。司祭が転けるよう地面に着地するとその残骸が地面に落ちて来た司祭の上に降り注ぎ、それに気が付いた司祭が慌てて地面に丸くなって収まるのを待ち、難を逃れるとモツが司祭に対して文句を口にする!当然その言葉に司祭は不服と言った様子で表情を歪めてはモツを睨み付けるのだが、その場にもう一人…マサツグが居ない事に気が付くと慌てた様子で辺りを見渡す。
「もう一人が居ない!?…
何処だ!?…何処に!?……ッ!?…」
「…ッ!……へぇ~?…意外と頭回んだ?…」
「ッ!?…」
司祭は慌てた様子で辺りを見渡しマサツグの姿を探し始めるのだが、マサツグは何処に居るのか姿が見えない…しかし確実に存在はしているのか気配は感じ、司祭が必死に辺りを警戒していると突如辺りが徐々に暗くなり出す。その事に司祭がハッ!と慌てた様子で気付き、頭上に目をやるとそこには司祭の頭の上から大剣を上段に構えたマサツグが落下して来る!モツに注意が向いている隙に高く飛び上がり…何も言わぬまま兜割りで仕留めようとマサツグが動いていたのだがギリギリで司祭に気付かれ、マサツグがその事を馬鹿にした様子で軽く驚くのだが容赦なく大剣を振り下ろし、司祭が寸ででガードする!
__ブォン!!!…ガキイィィィン!!!…
「ッ!…それに意外に動ける…」
「こ…この!!…グッ!!…」
司祭が杖を横に構えてはマサツグの兜割りをガードして見せ、マサツグがその事にまた挑発にした態度を見せては大剣を押し付けると、ただでさえ無理な体勢が更に崩れていよいよ司祭が劣勢に追い込まれる!それを見てモツもこれで勝った!…と思い若干警戒を解いた様子を見せるのだが、次の瞬間トンデモナイ光景を目の前にする!それはマサツグが司祭を押し切りろうとした瞬間の出来事であった!…
「さぁ…とっとと終わらせ!…」
__ダッダッダッダッダッダッ!!…
「隙あり!!!」
__ドンッ!!…ッ!?…
それは突然の出来事であった…マサツグが後は鍔迫り合いを押し切り司祭に止めを刺そうとした瞬間!…何処からともなく冒険者の一人が手柄を横取りしようとしたのかマサツグにタックルを決めたのである!…これによりマサツグがバランスを崩すと司祭への圧力が解放され、その隙にとばかりに
司祭が逃げる様にマサツグ達から距離を取ると杖を掲げ始める!
__バッ!!…ダッダッダッダッダッダッ!!…
…バッ!!!…
「つつつ!!…テメェ!!何しやがる!!!…」
「何って…そいつBOSSだろ!?www
だったら俺がキッチリ止めを刺してやるから
黙ってろよ?wwwしっかりおまえの分も報酬を…」
「おのれぇ~!!!
どいつもコイツも馬鹿にしおって!!!…
良いだろう!!!
私の力をとくと見るが良い!!!……」
マサツグがタックルを仕掛けて来た冒険者に対し怒りの文句を口にすると、その冒険者は一切悪びれる様子を見せる事無く笑ってマサツグを煽る様な事を口にし、司祭に武器を構え始めるのだが、その間に司祭は迎撃準備を整えた様子で杖を掲げてはマサツグやモツに対して怒りの言葉を言い、杖の先にある赤い球が光り輝き始めると徐々にその司祭の姿が変わり始める!
「オオオオオオオオオォォォォォォォォ!!!!……」
__バキィ!!…メキメキ!!…
バキバキ!!…メキバキ!!…
「ッ!?…お、おいおい!…
これってもしかしなくても!?…」
「クソ!!…邪魔さえ入らなければ今頃!!…」
司祭が呻き声に似た声を挙げ始め、それはまるで狩人狩りの森に居た人キメラの様に!…メキメキと音を立てて!…元の人の体から数倍にも体が膨れ上がり始めてはその体はライオンの胴体へと姿を変え、マサツグがその様子に戸惑いモツが邪魔が入った事に更に苛立ちを覚えていると、そのライオンの背中から巨大蝙蝠の羽!…尻尾はサソリの尻尾と何処か見覚えの有る形状へと変化して行く!…しかしその頭は司祭の頭のままで、頭にはヤギらしき角が二本生えては人面のマンティコアと呼ばれる化け物へと進化?…を果たしてしまう!その偉く気色の悪い約3m位のマンティコアにマサツグとモツががゲンナリした様子を見せて居ると、周りの村人達は慌ててその場を後にするよう逃げ出し、司祭が進化を終えて軽く身震いして見せるとマサツグとモツの居る方向へ向き直し、威嚇する様に吠えて見せる!
「スゥゥゥ!!……
ウオオアァァァァァァァァァ!!!!!!
コレガ!!…
…救世主様ノ力ダァァァァァァァ!!!!!」
「ッ!?…うるっさ!!!……
いきなり化け物になってはしゃいでんじゃねぇよ!…
ったく!!…」
「…ッ!!…とにかく!!…鑑定!!」
__ピピピ!…ヴウン!…
-----------------------------------------------------------------------
「人キメラ C-5963型 改」
Lv.19
HP 6000 ATK 210 DEF 110
MATK 90 MDEF 85
SKILL
HP吸収 Lv.4 毒攻撃 Lv.5 火炎放射 Lv.5
-----------------------------------------------------------------------
「……如何なんだ?モツ?…」
「ただの案山子ですな?…」
__……チャキッ!…
マンティコアと化した司祭がマサツグ達に向けて吠え始め、その咆哮にマサツグが耳を塞いで文句を言うと、モツも耳を塞ぎつつマンティコア化した司祭のステータスを鑑定する。そして出て来たステータスは見た目より高くない事をモツが確認し、マサツグが鑑定の結果について質問をするとモツは大した事が無いとばかりに両手を広げ呆れた表情でコマ〇ドーネタを口にする。そうして人キメラと化した司祭にマサツグとモツが武器を構え直すと、先に動き出したのはマンティコア司祭で、マサツグとモツ目掛けて前足を振り上げると力任せにスタンピングをし始める!
__ゴオォォ……バッ!!…
ズドォォン!!!……ドヨ!?…
「ウハハハハハハハ!!!
素晴ラシイ!!!…
素晴ラシイ力トハ思ワンカ!?…
少シ力ヲ入レレバ大地ヲモ粉砕スル!!…
私コソ最強ノ生物ナノダ!!!」
マサツグとモツはマンティコア司祭のスタンピングをバックステップで回避して見せると、空ぶったスタンピングは強烈な衝撃音と共に土埃を立っては辺りに土くれを飛び散らせる!その様子に周りの冒険者達も戦闘に参加するかどうかを迷い始めるのだが、次の光景で更に躊躇わせる!何故なら次に見せたその光景は、土埃が晴れてマンティコア司祭の前足がスタンピングした地面を抉り取った光景を見せたからであった。それを見た司祭自身がまるで力に溺れるさまを喜んではマサツグとモツに見せつけるよう高笑いし、その様子にマサツグが冷たい態度を取って見せると、モツは邪魔して来た冒険者に対して怒りを覚え続ける。
「……言ってろ…」
「…ったく!本当にあの邪魔さえなければ!!…」
「サッキハ運良ク躱シタミタイダガ
次ハソウハイカン!!…
ウワアアァァァァ!!!」
__シュバァ!!!…バッ!!…ッ!?…
マンティコア司祭は今度こそマサツグとモツを仕留める気で動き出し、自身のサソリの尻尾を使って襲い掛かるのだが、マサツグとモツは問題無いと言った様子でマンティコア司祭に挑み始める!マンティコア司祭の尻尾は乱れ突きの様に繰り出され、更にその尻尾は伸縮自在なのか伸びたり縮んだりして見せるのだが、マサツグは躊躇う事無く真正面からその攻撃を掻い潜り間合いを詰め、まずはその邪魔くさい尻尾から斬り落とそうと大剣を振り上げ構えると遠慮無しに思いっきり振り下ろす!
__ブォン!!!…ッ!?…
バッ!!…ガキイィィン!!…
「ッ!………」
マンティコア司祭はそれを察知すると後ろに飛び上るよう大きく下がり回避して見せ、マサツグの大剣は地面を叩き衝撃音を響かせていると、咄嗟の回避をしたマンティコア司祭の動きに若干驚いた反応を見せる。マサツグが尻尾に斬り掛かる際…尻尾は伸び切っていかにも斬り易い状態であったのだが、尻尾が瞬時に縮んで大剣が空を切り…マサツグが攻撃のタイミングを誤ったと黙ってマンティコアの司祭の方を向き直していると、それは起きる!
「フン!!…ソノ様ナ攻撃当タル訳ガ!…」
__ズバアァァン!!!…
「ッ!?…ナッ!?……」
「お前が相手してるのは一人だけじゃないんだぞ?…
俺も居る事忘れてんじゃねぇ!!…」
大剣を構え直すマサツグにマンティコア司祭が余裕を見せた様子で言葉を口にするのだが、着地を狙うかの様に次の瞬間マンティコア司祭の背中の片羽が斬られると、マンティコア司祭は戸惑いの声を漏らし始める。勿論その羽根を斬ったのはマサツグでは無くモツ。マサツグを囮に使ってマンティコア司祭の動きを予測し、剣を手に構えては隙を見て一刀両断して見せたのである。勿論これにはマンティコア司祭も気付かなかった様子でただ斬られて宙を舞う羽根を見ては戸惑いと苦痛に満ちた表情を見せ、モツが悪い笑みを浮かべてしてやったり!と言った言葉を口にすると、マンティコア司祭は立ち上がる様にして悲鳴を上げ始める!
「ッ!!!…グアアアアァァァァァァ!!!!」
__ジャコンッ!!…バッ!!…ジャキッ!!…
「まだ終わってねぇぞ!…
そぅら!おかわりだ!!!」
__バシュウゥゥ!!!…ゴウッ!!!…
マンティコア司祭が羽根を着られて悲鳴を上げているとマサツグが体勢を整えた様子で復帰し、すぐさま走り出すとまだ怯んでいるマンティコア司祭の腹の下へとスライディングで潜り込み、地面スレスレに横薙ぎで大剣を構えては雄叫びの様な悲鳴を上げているマンティコア司祭の腹部目掛けて火炎斬りを放つ!当然諸にヒットするとマンティコア司祭の体は燃え上がる様にしてその巨体が宙に浮き上り、そのまま炎上して藻掻き始めるとマサツグはスライディングの体勢のままマンティコア司祭の後ろへと移動する。
「ギャアアアアァァァァァァ!!!!…」
「……やっぱ大した事ねぇわ…
…まぁ…あの二人とやり合った後だと…
何もかもが遅く見えるのが原因だろうけど…」
「グッ!!!…
貴様ラアアァァァァァァァ!!!!」
__ブルブルブルブル!!……ザッ!!…
マンティコア司祭が今度は火達磨になって悲鳴を上げ、マサツグが騎士二人の事を例に挙げて大した事は無いと口にするとモツがプフッ!と笑って見せる。その様子はしっかりマンティコア司祭の目にも見て取れたのか激昂の声を挙げては自身の体に点いた火を振り払い、二人同時に相手しないと考えるとマンティコア司祭は怒りを隠せない様子で立て直し、姿勢を低く取る!マンティコア司祭の後方にマサツグ…側面にはモツと構えた状態で立っており、二人同時に攻撃するとなると尻尾を有効活用しないと勝てないと考えたのか、マンティコア司祭はその場で円を描く様に回り始めると尻尾でマサツグ達を薙ぎ払おうとする!
「グッ!!!…コノ!!…
虫ケラ共ガアアアアァァァァ!!!…」
__…ッ!……バッ!!!……バッ!!!…ッ!?…
マンティコア司祭が辺りを薙ぎ払う様に尻尾を振り回し、マサツグとモツが余裕を持ってバックステップで回避するとまたもや事件は起きる!…それは二人がマンティコア司祭から距離を取った後…マサツグの後ろからタックルを仕掛けて来た冒険者が突如暴れるマンティコア司祭の方へと駆け出しては武器を構え、姿勢を低くし器用に尻尾の攻撃を掻い潜りまた獲物を横取りしようとした時に起きる!
「ちょ!?…あの馬鹿!!…」
「へへへ!…悪いなお二人さん?ww
さっきも言ったが報酬は俺が…」
__…ッ!!…ガアアアァァ!!!…ガブシュ!!!…
「ッ!?…う!…うわああぁぁぁぁぁ!?!?…」
その冒険者も一応腕が立つのかマンティコア司祭の尻尾ブンブン丸を悉く回避し、マサツグ達に対してまた悪びれもせず軽口を叩いては自身の間合いにマンティコア司祭を捕らえると、攻撃を仕掛けようとする!…が、そう上手く行く訳が無かった…マンティコア司祭は突如ピタッと回転する事を止めてタイミング良く襲い掛かって来た冒険者に口を大きく開けて噛み付くとそのまま咥え込み、その場で冒険者を捕食し始めたのである!バキバキと噛み砕かれ響く捕食される音に冒険者の悲鳴…当然先程の様な軽口を叩く余裕は無く、ただ慌てた様子で藻掻くが抵抗空しく最期にはゼロ距離火炎放射で消滅してしまう…見事な地雷行動からの死亡に同情の余地は無いのだが、それは周りの者からして見ればトラウマ映像でそれを目の前で見せられているマサツグ達にも抵抗がある光景であり、マンティコア司祭自身これが狙いだったのか先程までのマサツグ達から受けた傷を癒しては、舌なめずりをしてマサツグ達を見詰め始める。
「…ンン~!…ゴ馳走様デシタ!……
狙ッテイタ相手トハ違イ…
少々ガッカリシマシタガ……
多少傷ハ癒エタミタイナノデ
良シトシマショウ!……」
「…はああぁ~~……
最後の最後まで人の足を引っ張りやがって!…
これ通報ものだぞ?…」
「とは言えウダウダ言ってる暇も無いみたいだぞ?…」
「サァ!…今度コソ私ヲ馬鹿ニシタ事ヲ
後悔サセテアゲマショウ!!!…」
先程捕食された冒険者は如何やらプレイヤーだったらしく、リスポーン地点に戻されたのか遺体は残っていない…その事からモツが完全に呆れ返っては一際大きな溜息を吐いて文句を言い、マサツグも諦めた様子で武器を構え直し始めていると、回復したマンティコア司祭もマサツグ達に戦う姿勢と余裕を取り戻し、構える!その際モツは自身が斬ったマンティコア司祭の片羽根を確認するとさすがに部位破壊は回復しないのか、羽根は失われたままで再生している様子も見られず、その事だけでも良かったとばかりに安堵して見せていると、マンティコア司祭はもはや敵味方問わず大暴れし始める!
「アッハッハッハッハッハッハッハッハ!!!!…
私を馬鹿ニシタ報イヲ!!!…
ソノ身ニ刻ムガ良イ!!!…」
__ブォン!!!…ブォン!!!…
ドガアアァァァン!!!…
「……ッ!…完全に我を失っているな…」
「これ以上被害出るのもヤバいし…
さっさと蹴りを付けるか…」
ターゲットはマサツグとモツに向けているのだがもはや周りの事等目に入らないと言った様子で追い掛け回し、むやみやたらに攻撃を繰り出す!その攻撃は二人に当たる事は無くただ制圧に動いている冒険者や自身の部下である信者達を巻き込み、ただ二人を追い詰めるだけに大暴れしているとその被害は村の人にまで及びそうになり始める!もはや自我など何処かへ消えた様に盲目にマサツグ達を追い詰め出し、マンティコア司祭の攻撃を回避し続けるのも面倒になり始めると、二人揃って一気に蹴りを付けようと刹那を発動する!
「……刹那!!!」×2
__ヴウゥゥン!!……
二人が刹那を発動するとマンティコア司祭の動きは当然スローモーションに見える…それを見てマサツグとモツが互いに武器を構えると二人に動きと息を合わせるよう技を繰り出す体勢を整えるのだが、この時…最初に感じた司祭に対しての怒りを思い出し、今だ燻ぶっている赤いオーラがまた燃え上がる様に放たれると、二人のそのオーラはまた二つ重なる様に燃えては大きくなり始める!そしてタイミングに技と互いに予め決めていた様に動き出すと本日何度目となるか分からないある事件が起きる!
__チャキッ!!…ボボボボ!!…ヒョオオォォ!!…
「ッ!!…火炎斬り!!!」
「ッ!!…氷結斬り!!!」
__ボシュウゥゥ!!!…ゴゴゴゴ!!!…
ドシュシュシュシュ!!!…
マサツグが火炎斬り…モツが氷結斬り…同タイミングで放つと炎の斬撃と氷の斬撃はお互いの属性を相殺し合う様に混ざり合い、霧散化しては蒸気の塊になってしまう…しかしそれだけでは終わらず次の瞬間その蒸気の塊は無数の斬撃に変わるよう形を変え、蒸気の斬撃となってマンティコア司祭に向けて放たれると、マンティコア司祭は先程の冒険者の回復分が嘘だったかの様に一瞬で奪われ更に体力を削られる!その光景を目にした冒険者及び信者達が戸惑い、一時的に沈黙が訪れると動いているのはマサツグとモツ…蒸気の刃にマンティコア司祭のみとなり、マンティコア司祭は全身を鋭い刃物で滅多斬りにされたよう体がバラバラに斬り裂かれ始める!
「ッ!?…
グギャアアアアアァァァァァァァァァ!!!!!…」
__ザシュシュシュシュシュシュシュ!!!!…
「ッ!?……え?…」
「おんや~~~?……」
マンティコア司祭が断末魔の悲鳴を上げて仰け反り、その身に有りっ丈の斬撃を浴びると後ろに倒れて絶命する。勿論その突然のミラクルを引き起こした本人達も、全く何が起きたのか分かっていない様子でただ無残な姿に変わったマンティコア司祭の姿を見詰め、戸惑いの声を挙げているとマンティコア司祭の体の傷口からは蒸気で焼き切られた様に湯気が立ち昇り始める。何が起きたのか全く分からないまま二人が武器を手に困惑し、そして動かなくなったマンティコア司祭の遺体を見詰めていると、それは突如聞こえ始める。
「……すっげぇ!…初めて見た!…」
「え?…」
「あれがそうなのか!!
(連携技)ってやつ!?」
「え?…連携?…何だそれ?…」
周りの冒険者達はマサツグ達のやって見せた技に感動した様子を見せては羨望の眼差しを送り、マサツグ達がその反応に困惑し戸惑って居ると聞きなれない言葉が飛び出して来る。それは「連携技」…如何やら二人が持っている武器に着いているスキル「阿吽の呼吸」から来た派生技らしく普通にやった所では出来ない技らしい…しかしその発動条件に関しては本人達は全く分かって居らず、ただその「連携技」と言う言葉に戸惑いを覚えていると、突如マサツグの後ろから縋り付く様に誰かに抱き着かれる。
__タッタッタッタッタッ!!…ガッシ!!…
「のわぁぁ!?…な!…何だ!?…」
「お願いです!!…娘を助けてください!!」
「ッ!?…お、女将さん!?…一体如何し…」
「お願いします!!…お願いします!!…
お願いします!!…」
マサツグが突然の後ろからの抱擁に戸惑い、モツも瞬時に警戒した様子で剣を構えマサツグの背中を確認すると、そこには昨日泊まった宿屋の女将さんが涙を流しマサツグ達に懇願する姿が有った。モツが女将さんだと言う事に気が付き警戒を解くとお願いの意味をよく聞こうとするのだが、女将さんは半狂乱一歩手前の状態で困惑しては普通に呼び掛けた所で声は届かず、ただマサツグ達に同じ事の繰り返しでお願いをしては一向に落ち着きを見せない。そんな様子にマサツグが困惑し固まって居ると、モツが強引にマサツグから引き剥がして女将さんの両肩をガシッと掴み、落ち着くよう言葉を掛け始める。
「落ち着いて!!!…しっかりしてください!!!…
いいですか?…ゆっくり説明してください!!…」
「ッ!!……はい!……すぅ~…ッ!!…
娘が先程の人達に捕まって私達より
先にカルト教団の本拠地に連れて行かれました!!…」
「ッ!?…」
「いつもみたいにお客さんが来たと言って
飛び出して行って!…
私の目の前で誘拐されました!!…
私も連れて行かれそうになった所を…
村の人達が助けて下さったのですが…
…ッ!!…お願いです!!!…
娘を!!……娘を助けてください!!!」
モツの言葉と行動に女将さんがハッとした様子で意識をハッキリとさせ、戸惑いながらも返事をすると軽く呼吸を整える。そしてお願いの最初の部分を聞いていたマサツグとモツは、戸惑いながらも改めて女将さんからの話の内容を聞き始めるのだが聞き間違いではなく、女将さんの娘が誘拐されたと言う話であった。その話を聞いたマサツグとモツは戸惑った反応を見せ、女将さんはその状況を話してはまた感極まり涙を流し始めると、娘を助けるようマサツグ達にお願いし泣き崩れる。その話を聞いてマサツグとモツも本当なら今すぐにでも助けに向かいたい所なのだが、カルト教団の本拠点の位置を知らないマサツグ達には如何したものかと言った具合で、その場でマサツグとモツが悩み出すのだが、そこへある意外な人物が現れて話が前へと進み始めるのであった。




