-第一章四十三節 まさかのリンとマスターオーダーとリンの好奇心-
「カルト教団の本拠点か……うぅ~ん…」
「そりゃ…場所さえ分かっていれば乗り込むけど……
場所が…なぁ?…
とにかくギルドに一度聞いてみるか?…ダメ元で?…」
カルト教団の司祭を偶然にも連携技で倒してしまい、助けた女将さんから娘を助けるようお願いされるもその場所がカルト教団の本拠点と聞かされると、そのカルト教団の本拠点を知らないマサツグ達は戸惑い困惑する。もし場所が分かっていれば自分達も動き、王国やギルドが動き出して居る筈と考え悩んで居ると、その悩むマサツグ達に向かい近付いて来る足音が一つ…それも聞き覚えの有る声が突如聞こえ始める。
__ザッ…ザッ…ザッ…ザッ…
「…あッ!…やっと帰ってきましたね!!
マサツグさんにモツさん!」
「…ッ!…ん?…え!?…」
「もう!…ここに戻って来なかったら如何しようかと
思ってたんですからね!…
あんまり遅くまで冒険してたら駄目なんですからね!?」
後ろから声を掛けられマサツグとモツが振り返るとそこにはリンの姿が有った。いつもの様にウェイタードレスに似たギルドの制服を身に纏い、探し回った様子でぷりぷりと頬を膨らませては不機嫌そうに文句を言いつつ、マサツグ達の居る方へ歩いて来る。その際リンの言葉にマサツグとモツが心の中で…{俺達はお前の子供か!?…}と考えてしまうのだが、そんなリンの登場にマサツグ達が戸惑った様子のまま見詰めては質問を始める。
「…何でここに?……ここは今カルト教団の?…」
「それならもう終わったみたいですよ?…ほら?……
信者さん達まるで憑き物が消えた様に
ダラ~ンとしてますし…これ以上の抵抗はしない…
…って!そうじゃないんです!!…」
マサツグが疑問の表情を浮かべてはリンに何故ここに居るのか?と尋ねると同時に、まだブルーベルズは戦闘区域内である事を伝えるよう心配の言葉を掛けると、リンは軽く笑みを浮かべて大丈夫と答えては周りにいる信者達の様子を指差し始める。そのリンの指差す方向には確かに信者が座り込んでおり、まるで抜け殻の様に俯き放心してはピクリとも動かない様子を見せ、その信者にモツが戸惑いを見せるとハッとした様子で辺りを見渡し始める。辺りの信者達もリンが指差した信者同様に脱力してはその場に座り込み、その様子に冒険者達も戸惑いながら捕縛している光景が目に映るのだが、リンが突如話をすり替えられたと言った様子でまたぷりぷりと怒り始めると、マサツグが狩人狩りの森に行っている間の出来事を口にし、文句を言い出す。
「私はギルドのお使いでマサツグさん達を
探していたんですよ!!なのに!!…
マサツグさん達はほぼ未開の狩人狩りの森に
クラスアップの試験で行っちゃうし!!…
その間私は戦闘が出来ないからこの村で待っていたら
あのカルト教団に襲われるし!!…
踏んだり蹴ったりですよ!!!…」
「……そ、それは大変だったな?…」
「もおぉ~~!!!……ふぅ…」
その突然の変わり様とリンの相手をマサツグが引き受け、心の中で再度…{それ…俺達のせいじゃないし…}とツッコミを入れるのだが、リンもいつまでも頬を膨らませて怒るのは疲れたと言った様子で落ち着きを取り戻し始めると、徐々に持ち前の笑顔を取り戻して自身の胸元から若干質の良い紙で出来た巻物を取り出すと、マサツグ達に用件を伝え始める。
「…それよりもこの村の事件を解決して
貰って間も無いのですが…
ギルドマスターが二人を名指し指名で
クエストを用意しましたので、お持ちしました!!」
「…その前に何処からそれを取り出し…って、え!?…
ギルマスから!?…如何して!?」
「それはですね!…
何でもマサツグさんとモツさんは期待の新人と言う事で
ギルドマスターの目に留まっているみたいです!…
ほら!…マサツグさんは御前試合で…」
「わああぁぁぁ!!わかった!わかったから!!…
…で、どれどれ?………ッ!?!?…」
リンがマサツグとモツにそれぞれ胸元から取り出した巻物を手渡すと、その光景を目にしたモツがすかさずツッコミを入れ始めるのだがその巻物がギルドマスターから直々の物だと分かると、戸惑いを露わにする。その際女将さんがマサツグとモツの事を縋る様な目で見詰めて来るのだが、マサツグとモツはその視線に戸惑いを覚えつつも巻物の内容を確認し始めると、その内容に驚いた反応を見せては二つ返事でリンに返事をし、詰め寄り始める!
「リン!!!今すぐこのクエスト受ける!!!!」×2
「ひゃっ!!…あ、ありがとうございます?……」
__ッ!?……ズル…ズルズル…ペタン…
…ポロッ!…ポロポロッ!…ッ!?…
「ッ!?…え!?…大丈夫ですか!?…
如何かしましたか!?…」
まるで二人は待っていたと言わんばかりに目を輝かせ、二人揃って同じセリフをリンに詰め寄り答えると、詰め寄られたリンは驚き戸惑った反応を見せては若干後ろに仰け反りお礼を言い始める。そしてそのマサツグとモツの依頼を受けると言う言葉は当然女将さんに耳にも入り、女将さんがショックを受けた様子で目も見開きズルズルと崩れると、その表情は一気に絶望へ染まり静かに涙を流し始める。その表情は嘆くと言った表情では無く、目の前にあった希望が知らない誰かに奪われ目の前が真っ暗になった…と言った無表情に近い…目のハイライトが消えた人形の様な表情に変わり俯く。そしてその様子にマサツグとモツが気付き、リンも女将さんの突然の様子に心配をし始めると、マサツグとモツは慌てて手渡された巻物について説明をし始める。
「あぁ!?…女将さん!?…女将さん違う!!!…
これ!…これ見て!!…」
__パラッ………ッ!!!…
マサツグとモツが崩れた女将さんに慌てて声を掛け始め、女将さんのお願いを無碍にする訳では無いと手渡された巻物を見る様に促し始め、その言葉に女将さんは表情そのままにゆっくりと顔を挙げては差し出された巻物の内容を目にすると、その内容に驚いた反応を見せては目に光を取り戻し始める!マサツグとモツが待っていた!と言った様子で受けると口にし、女将さんは驚き戸惑った様子でその巻物の内容に涙を流し始める!そんなリンが持って来たギルドマスターからの依頼書にはこう書かれてあった…
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「マスターオーダークエスト」
依頼レベル unknown
各町を強襲し誘拐を繰り返すカルト教団…諸君達が
懸命に戦い捕縛して来た信者達を尋問し、遂にその
本拠地の場所を吐かせ特定する事に成功した。
彼らは如何やら貿易都市クランベルズより北にある聖堂…
「スプリング大聖堂」を根城にして居るらしく、
誘拐した人達もそこへ一か所に集めていると言う事を
信者達より聞き出した!君達冒険者はこれより
「旧・スプリング大聖堂」に居るカルト教団の制圧及び
壊滅に尽力して欲しい!!
クエストの内容は…誘拐された人の解放・カルト教団の
信者の拘束以上上記の物が今回の依頼内容である。
このクエストはギルドで信用ある者、実力ある者にだけ
発行するクエストである。強制では無い為…受ける
受けないの選択は自由だが、出来る限りの協力を
お願いをするものである!!
多くの者がこの依頼を受けるようここに願う!…
ギルドマスター・フリード
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「……これって!!…」
「…如何やらこれで女将さんのお願いを
叶えられそうだって事です!…」
「これを受ければまず間違いなく!…
娘さんを助けられると思います!!」
「ッ!!!…あぁ!!…有難う御座います!!!…
有難う御座います!!!!…あぁ!!…
あああぁぁぁぁぁ!!!!…」
ギルドマスターより通達されて来た依頼書はまるで空気を読んでいたが如くグッドタイミングな内容で、それを見た女将さんが戸惑いで言葉が思う様に出ないで居ると、マサツグとモツが改めて女将さんにやる気を出した表情をして見せては、助ける!と約束する!その言葉とクエスト巻物を見て、女将さんが自身の口に両手を当て号泣し始めるとマサツグとモツへお礼の言葉を口にし、その様子にマサツグが珍しくやる気を出し始めると、モツに道具屋へ行こうと持ちかけ始める。
「……よっしゃ!…
じゃあ、さっさく今から準備をして…」
「…やる気を出して貰って居る所悪いが無理だ!…」
__ズベェェェ!!…
「ッ!?……今はもう夜だ…
幾ら場所が分かっていて準備をしたとしても
まずクランベルズに辿り着けるかどうか……
おまけに夜になるとモンスターも強化されるし…
ここは一旦宿屋に泊まった方が良い!…」
マサツグが早速そのカルト教団の本拠点に向かう為の準備をしようと歩き出し始めるのだが、モツがマサツグを止めるよう脚を差し出し声を掛けると、マサツグはモツの脚に自身の脚を引っかけてはその場で盛大にスっ転んでしまう。モツ自身もそこまでするつもりで脚を差し出し止めた訳では無いのだが、地面に突っ伏したまま動かないマサツグに戸惑いの表情を浮かべては駄目な理由を説明し、マサツグに理解をして貰おうと考えるのだがマサツグは地面に突っ伏したままモツに文句を言い始める。
「……出鼻を挫かれた…」
「……悪い…
まさかそこまで盛大に引っ掛かるとは思わなかった…
とにかく今日の宿を…」
「ッ!!…で、では!…スンッ!…
私の宿に泊まって下さい!!…
お代は結構ですので!…」
「え!?…で、でも…」
「……んしょっと!…
…とにかく今日はもう駄目なんだったらお世話になろう。
お代の件に関してはまた後で話せばいいし…
とにかく今は休みたい…」
マサツグの文句にモツは戸惑いながらも謝罪し、とにかく宿をと言った様子で探しに行こうとすると、女将さんが鼻を啜りながらも落ち着いた様子でマサツグ達に部屋を提供すると買って出る。その際お代はいらないと言われモツが戸惑った反応を見せるのだが、マサツグが地面から起き上がると話しは後でも出来ると言っては休みたいと言い出し、女将さんの宿屋の方へと歩き出し始める。
__ザッ…ザッ…ザッ…ザッ…
「あっ!…ちょっと待てよ!…」
「……あっ!…私も一泊お願い出来ますか?…
料金はギルドに請求して貰えば…」
モツも慌ててマサツグの後を追い掛け女将さんの宿屋に向かい始めると、何故かリンも一緒に泊まる事になって着いて来る。この時点でゲーム内時間夜の10時…こうして女将さんの宿屋にマサツグ・モツ・リンの3人がご厄介になる訳なのだが…ここでも一波乱が起き始める。それは3人が宿屋に泊まる事になり、いざ宿に入って台帳に名前を記入をして居た時…他の冒険者達がゾロゾロ宿屋に入って来てはマサツグ達同様女将さんの宿屋に一晩止めて貰おうと考えたのか宿屋は直ぐに満員になったのである。その結果…
「……でだ?…
宿屋に一晩泊まる事になったのは良いんだが?……」
__ぱあああぁぁぁぁ!…
「おぉ!!…これが噂に聞いたリンデの実ですか!?…
それにこの剣と大剣!!……名前を見る限りこの大陸に
伝わるお伽話の騎士様の剣!!…
名前も年代も見る限り偽物では無さそうですし…
まさか本物を見る事が出来るなんて!!!…」
「何でここに集まるんだ!!!…
狭い!!…圧倒的に狭いんだが!?…」
マサツグとモツとリンの3人に用意されたのはシングルの部屋二部屋…そして何故かモツが一人で寝る事となりマサツグはリンと一緒に寝る事となっていた。当然最初はマサツグとモツが一部屋でリンがもう片方の部屋となる筈だったのだが、まさかのリンが一人で寝れないと言うカミングアウトにより、じゃんけん大会に発展!…結果は言わずもがな…
そして今現在…
リンはマサツグ達が見つけて来たリンデの実やエイブレントにライモンドと…二人の剣を目の前にしては大興奮で観察している状態なのである。その際リンデの実が本当にクラスアップ試験に有った指定のアイテムなのかを確認して貰い、その確認をする為に一部屋に全員が集まっている状態なのだが、マサツグが文句を口にしているとモツがそれを宥める様に声を掛け始める。
「…仕方が無いだろ?…
…部屋の数だって無限じゃないんだし…
宿屋にも部屋数って言う上限があるんだからさぁ?…
女将さんも謝って居ただろ?…」
「そうですよ?…
それに私がマサツグさんと同じ部屋に
泊まる事になったんですからラッキー!!…
って思わないと!!…」
「……襲われると言った心配は無いのだろうか?…」
モツが宿屋の上限を言い出して女将さんの謝罪の事も口にし、マサツグがそれを言われてグッと口籠ってしまうとリンが興奮した様子でマサツグにラッキーだと思うよう話し掛ける。その際リンは満面の笑みを見せ、マサツグが思わずリンの考えに対して不安を口にするのだがリンの耳には入っては居らず、ただ目の前にあるリンデの実に興味津々の様子を見せては手に取りマジマジと観察し続け、そして自分にはそう言った気苦労は無いと言った様子で、モツがマサツグに対し煽る様に弄り始める。
「ふぅ!…あぁ~あ…残念だなぁ~…
マサツグはこんなかわいい娘と
相部屋になるんだもんなぁ~…
羨ましいなぁ~…」
「ッ!?…だったら今すぐにでも変わってやるぞ?…
モツ?…」
「遠慮するよ~…お前に悪いし~?…」
「ッ!?…こっ!…この野郎!?…」
羨ましがる様な素振りを見せつつモツがマサツグを弄り出すとマサツグがすかさず代わってやるぞ?と反応する。しかしそんなマサツグの反応にモツは悪いと言っては手を振って断り、直ぐにマサツグがこの後に体験する苦難を想像するとプフっ!と笑って見せ、ニヤニヤと意地悪な笑みを浮かべ始める。幾らNPCとは言え…お互いに女の子と一緒に寝るのは気苦労と理性がマッハでヤバいと感じての譲り合いなのだが、モツは完全に我関せずと言った様子でマサツグの事を笑い続け、マサツグがその様にプルプルと震えながらツッコミを入れるのを我慢して居ると、リンがマサツグとモツにある事話し始める。
「……マサツグさん?…
ちょっと良いですか?…
クラスアップのクエスト巻物を
見せて欲しいのですが…」
「え?…あぁ…」
__ガサガサ…スッ…
「どうもです!…えぇ~っと…
…そうですね…
やっぱりこのクエストの内容だと…
…このリンデの実で間違いないと思います…」
「ッ!!…うっし!!」
リンは不思議そうな表情でマサツグを呼んではクラスアップ試験の試験用紙を見せるようお願いし始め、そのお願いにマサツグが若干戸惑った反応を見せるもリンのお願いを聞き、アイテムポーチから試験用紙を取り出すとリンに手渡す。リンがその試験用紙を受け取るとマサツグにお礼を言っては徐に内容を確認し、試験内容に有るアイテムをリンデの実である事を確認すると、マサツグ達に間違っていない事を口にする。その一言にマサツグとモツが安堵するのだが…リンは不思議そうな表情をしては困惑し始める。
「…でもおかしいですね?……」
「え?…」×2
「この浄化樹を探す内容のクラスアップ試験は
昔に無くなった筈なんです…
毎回その浄化樹が生えている場所が
ダンジョン化して居たり…
今回の様に実を手に入れようしてクエストに
挑んだ切り帰って来ないなんて事が
多々あったので廃止になった筈なのですが?…」
「ッ!?…」
リンが困惑した様子でおかしいと呟き、マサツグとモツがその一言に戸惑いを覚えた様子で呟くと、リンはトンデモナイ事を口にし始める…それは浄化樹を探すと言ったクエストは既に廃止されたと言う内容であった。その登竜門的なクエストの筈が難易度が高く、攻略出来ないと言った冒険者が続出…或いは行方不明になると言った事件が起きたからとリンが戸惑った様子でマサツグ達に話すと、その言葉にマサツグとモツが驚き戸惑う。普通の物より更に上の難易度をやらされていた事に当然戸惑って居る訳なのだが、その事にモツが疑問を持ち始めると、リンに質問し始める。
「……ん?…ちょっと待て?…
確かこのクエスト巻物は毎回内容が
変わるんじゃなかったのか?…
廃止されたっているのは?…
まるで裏で誰かが決めている様に聞こえたんだが?…」
「ッ!…あぁ!、はい!…
確かにこのクラスアップ試験のクエスト内容は
毎回ランダムに書き込まれる物なのですが…
その内容はある程度決められた物となっているのです!…
やはり先程の様に難易度が高いと誰も
昇級出来ないと言った事になってしまうので、
クエスト内容はギルドマスターや各クラスマスター
である方々が一つ一つ相談し合い決めた物が
出て来る様になっています!その内の一つに
浄化樹の話が出て来るのですが…」
モツが戸惑った様子でクエスト巻物の仕掛けについて質問をすると、リンが戸惑う事無く返事をしてはまるでギルドの受付カウンターにいる様な感覚で、その理由を話し始める。クラスアップ試験内容の選定は事前に行われており、数あるその内容から無作為に選ばれた物がクラスアップ試験の内容になる。それらを決めているのはギルドマスターに戦士・剣士・僧侶・魔法使いと言った格JOBのクラスマスターが集まって相談し合い、それらの話し合いで決めた物がクラスアップ試験内容になるとリンが説明をすると、改めて不思議そうな表情で悩み出し、モツが戸惑いつつも更に疑問を持った様子でリンに質問し始める。
「えぇ?…
じゃあ何でクラリスはこの事を知らなかったんだ?…
それに何でリンはこの事を知ってるんだ?…
ギルド職員が把握してないと昇級が出来ない筈じゃ?…」
モツが次に質問したものはクラリスがクエストの内容を把握していない事である…当然ながらクラリスはリンより先輩で更に要領良く仕事も倍出来る…しかしそんな彼女は最初このクエスト巻物を見た時、困惑した表情…理解出来ていない様子を見せており、明らかに初めて見たと言った様子を見せて居た。それなのにリンはクラリスとは違いクエスト指定のアイテムを分かって居た様子で話し始め、更にこのクエストが存在して居る事に疑問視し始めた事に違和感を覚えると、リンにその違和感を覚えた点について質問をすると、リンはやはり何も戸惑う事無くモツの質問に答え始める。
「それについても簡単です!…単に先輩がこの様な
クエストが有った事を知らなかっただけだと思います。
それに先輩は私みたいにマテリアルマニア(素材愛好家)
って訳でも無いですし…更に言うと私がこの話を
知ったのは偶々であったお爺さんが実はクラスマスターの
人でして…仲良くお話して居たら教えて貰ったのが
きっかけでしたから…先輩はこのクエストが
廃止されてからギルドに勤め始めたので分からなかった
のだと思います!…」
「ッ!?…マジかよ!?……」
リンが笑顔で簡単と言うとその理由を話し始める。そのクエストが廃止になったのはクラリスがギルドに勤め始める前の事であり、リンが知って居た理由はまさかのクラスマスターとの雑談で聞いた物…しかも最後はそのクラスマスターと仲良くなった!と笑顔で答えるリンにモツが戸惑いを隠せない様子で驚き戸惑いの言葉を漏らして居ると、今度は私の番とばかりにリンが近くに居たマサツグに詰め寄り始める!
「…さて!…今度は私の番です!!!
しっかり答えて貰いますよぉ~!!!」
「え!?…俺!?…な、何を!?…」
「何を?…って、決まってるじゃないですか!!!
浄化樹ですよ!!…浄化樹!!!…
何処でリンデを見つけたのですか!?」
「ううぇええぇぇぇぇぇええぇ!?…」
突如豹変したリンがマサツグに詰め寄りリンデの実を拾うとマサツグに突き付け質問と言う名の尋問をし始める。マサツグは突然の飛び火に戸惑いつつも何の事かと言った様子で問い掛け、リンが興奮した様子でマサツグに詰め寄り浄化樹リンデの事について質問をし出すと、マサツグが後ろに逃げようと頑張り始める!その様子にモツはフッと遠い目をしながら笑みを浮かべては我関せずと言った様子でただ見詰め、マサツグがただ戸惑いっぱなしで後ろに逃げるとリンが更に詰め寄り尋問を続ける!
__ズルズル…ズルズル…
「さぁ!白状してください!!!
何処で見つけたのですか!?
伝承に有った物よりこの実は
かなり光り輝いていますよ!?
ただの樹からこんな実が
落ちて来るなんて嘘は通じないと思って下さいね!?
聞いた事無いですからね!?」
「こ!…答えた所で取りに行くのは
無理だと思うけど?…」
「取りに行く行かないは
私が努力すれば良いだけです!!!
私も初めて見ましたが図鑑に
書いて有った物よりこの実は二回りほど
大きい物と見受けられます!!!
余程土壌が整っているのか、はたまた
養分が豊富なのか!?…
そう言った点でも興味を持っているのです!!!
さぁ!…答えて下さい!!!
何処で!!…如何やって!!!…
手に入れたんですか!?!?」
マサツグがリンに戸惑った反応を見せたまま後ろに下がり、ただリンに追い詰められ逃げ場を失うと、リンは更に興奮した様子でマサツグに尋問を続ける!その際自身が見た文献とは違うと息を荒げてマサツグに問い掛け、そんなリンに、諦めて貰うようマサツグが戸惑いの表情のまま取りに行くのは無理だと口にするのだが、リンは訳の分からない事を口走り始めてはマサツグに詰め寄り遂には退路を断ってしまう!その際リンは息を荒げてマサツグに壁ドンをするんだが、マサツグはその壁ドンに恐怖を感じたのかライモンドと戦って勝った者とは思えない姿で身を震わせ始める。
__ドンッ!!!…ハァ~!!…ハァ~!!…
「逃がしませんよ~!?…
夜はまだまだ長いですからねぇ~!?!?」
「怖い!!!…壁ドン怖い!!!…
今までにやった事もされた事も
無いけど壁ドン怖い!!!…
人キメラより!…ライモンドより圧倒的に怖い!!!!」
「……これが俗に言う壁ドンなのかぁ~…
…近年の女の子は鉄の心臓を持って居るんだなぁ~?…」
本当なら逆の筈の光景なのだが、マサツグは完全にリンに対し恐怖を覚えては人キメラより怖い!!と身を丸めて震え、リンはマサツグの退路を両手で壁ドンをして塞ぐと息を荒げて尋問を続ける。モツはその様子をジッと見てはただ何事も無く初志貫徹!…我関せずと言った様子で世の女の子の憧れに対して、女の子は強いんだなとぁ…と感心する。そうしてリンのセクハラ?…は続き、モツが如何したものかとジッとただ助ける事無く様子を見守っていると、リンがマサツグに襲い掛かる!
「さぁ!!…さぁ!!!…さぁ!!!!」
「あっ!…あぁ!!…
うわあああぁぁぁぁぁぁぁぁ…」
「……南無三…」
別に体力を奪われると言った展開は無く…ただリンに抱き着かれてはマサツグが戸惑いワタワタすると言った光景がずっと続く…モツは両手を合わせて合掌し、自身の剣を回収すると、何事も無かった様にマサツグとリンの部屋を後にし始め、自身の部屋へと帰って行く。マサツグが観念して話す頃には馬鹿みたいにTPを消費し、激しく息を切らしてはリンの尋問に答え始めているのであった。
「……なるほど…
狩人狩りの森の奥にその光る樹があって…
その樹を激しく揺さぶると落ちて来るっと…
更にその道中…人キメラなる人と獣が
合わさった様な化け物がいたっと…
その際エイブレントとライモンド…
あのお伽話に出て来る騎士の亡霊と戦闘し…
辛くも勝利しお二方は剣を譲り受けたっと……
…うぅ~ん……これで絵本が書けそうな内容ですね?…」
「ぜぇ~~!!…ぜぇ~~!!…
し…死ぬ!…ヤバイ!!……
…てか…ぜぇ…俺…こんだけ…はぁ…
息…切らして…居るの…に…ガハッ…
何で…リンは…まだ…元気…なんだ!?……」
「他に何か情報は!?…
まだ何か話して居ない事は無いですか!?…
あるのでしたら勿体ぶらないで教えて下さい!!!」
「へ…へぇぇぇぇ~~~~!!!…
勘弁してくれぇぇぇ~~~~!!!!」
互いに服も髪もボサボサで…ベッドに倒れては息を切らすのだが、違う点が有るとするならマサツグは激しく息を切らしている一方、リンは軽く息を切らす程度に抑えて居る事。それどころかマサツグから聞いた話をベッドに寝そべりながらメモを取っており、マサツグがその事に驚き息を切らしながらデッドに突っ伏していると、リンはまだまだ聞きたい事が有ると言った様子でマサツグに襲い掛かり始め、マサツグが一人部屋の中で悲鳴を上げ続ける。マサツグがこの村に来てから一番怖いと思ったのは人キメラやライモンド…あのマンティコア司祭ではなく…ただのギルドの受付嬢…リンであった。
「…ふむふむ……なるほどなるほど…
…よし!…これ位にしておきましょう!
有難う御座いました!!お休みなさ~い!!…」
__ばふ!!………zzzzzz…
「……寝たか?……やっと…解放…された…」
__ばふ!!………zzzzzz…
そうしてリンに質問攻めに遭いながらもリンは納得したのかマサツグにお礼を言うと眠りに就き、マサツグも漸く解放されたと確認すると、糸が切れた様にその場に突っ伏し眠りに就く…しかし…この時マサツグはまだ知らない…マスターオーダーの聖堂に行く前に…更なる恐怖を覚える事をまだマサツグは知らないのであった。




