一章 10話
やぁとりあえずできたんで載せます!
「……ん、あれ…ここは……」
「うむ、無事に成功したようじゃの」
「ジジィ、ようやった!」
(なんか聞き覚えのある声が……)
「これ、リン! どっちを向いているのじゃ!?」
「ん?」
声のする方に目を向ける。
「おお!? あれ、どうしたんですか神様こんな所で」
「ふっふっふ……、よくぞ聞いた! それはな」
「おおリンよ、すまんな。すこぅし用事があってお主をまた呼び出した」
「用事? それは一体何でしょうか?」
質素ながらも風格のある椅子に腰掛けたヴァンデルが一拍置いて口を開く。
「お主、何か奇妙なことに巻き込まれなかったか?」
「奇妙なこと? それは具体的には一体どういうものでしょうか?」
「むぅ、それを説明するのはちぃと難しいのぅ……。」
整えられた長く伸ばした顎髭を撫でながらヴァンデルはそう漏らす。
少し思案した後こう言葉を続けた。
「まぁ、言ってしまえばのぅ? お主を今日ずっと監視していたんじゃよ」
「監視?」
俺が眉を顰めてそう言うとヴァンデルは少しバツの悪そうな顔をする。
「そうじゃな、監視と聞けば気分が悪いよのぅすまんな。まぁ儂等は神という存在じゃからのう、観察といったほうが正しいか。」
「ああ、なるほど……」
まぁ確かに仮にも神であるならば自分達でこちらの世界に送った俺たち異世界人のことは気にしてしかるべきだろう。
「まぁ観察していたということは分かりました。それで奇妙なことというのは?」
「それは妾が話そう!」
「ああ、いたんですね」
「ずっと居ったわ! 何で無視するんじゃお主は! ジジィもそうじゃ、何故妾の話を邪魔するんじゃ!」
「それはのぅ、レヴィが出てくると話がまとまらないからじゃな」
再び顎髭を撫でながらそう言う。
(あの髭、触り心地どうなってんだろうな……)
「む? リンよ触りたいか?」
「……こんなことで心読むのやめてくれます?」
「なんじゃノリが悪いのう……。せっかく少しぐらいなら触らせてやろうと——」
「後で必ず触らせて下さい」
「うおう早いのぅ! まぁいいわい」
「ジジィ、妾にも触らせろ!」
「分かった分かった、後でな? 取り敢えず話の続きじゃ」
「うわぁやったー! ジジィ大好き!」
その場で飛び跳ねて喜ぶレヴィ。うん、全く神様なんてものには見えないわ。
「ゴホンッ、それでは兎も角話を戻すぞい。さっきの奇妙なことについてじゃが」
「はい」
「先程言った観察をしていた時にな、突然映像も音声も途絶えたんじゃ。その時に何かあったのかと思ってな」
(……心当たりがありすぎるな。)
「ええとその観察できなかった時間の前のことって分かりますか?」
「そうじゃな……」
そう言ってヴァンデルはまるで目に見えない架空の物を弄るように手を動かし始める。
「おお、これじゃな」
ヴァンデルがそう言って何かを操作したようなそぶりをした直後、突然目の前にホログラムでできたモニターのようなものが出現した。
『あの、大丈夫ですか?』
『あ、ああ、うん大丈夫、平気だよ……っつぅ…』
『ご、ごめんなさい!』
『なんで君が謝るの?』
『だ、だって、私のせいでお兄ちゃんが怪我…っしちゃってっ、私の、せいでっ……!』
なんかどこかで聞いたようなやりとりが聞こえてきた。
その音源は間違いなく目の前のモニターだ。見るとそこには狼と戦闘していた時の俺が映っている。
「この辺りじゃな」
そう言って早送りでもしたのだろうか、物凄い勢いで映像が流れていく。
ここまでで嫌な予感しかしなかった俺は一応聞いてみた。
「所でこれ見たところビデオっぽいんだが、過去の再生が出来ているところを見ると……、まさかとは思うが録画みたいなことをしてるんじゃないよな……?」
ヴァンデルはキョトンとしたような顔をしている。かと思えば厳しい顔をニンマリと歪ませた。
「無論永久保存済みじゃ」
「うおい!?」
冗談じゃないぞ、アレって冷静に考えると結構恥ずかしいことやってるよな? アレを永久保存とか冗談じゃねぇ!
「今すぐに消去だ! 消去しろ!」
「とは言われてものぅ? 儂としても恥ずかしいとは思うのでな、消してあげたいとは思うんじゃが……」
大仰に悲しそうな素振りを見せるヴァンデル。
しかし俺には分かっている。アレは紛れもなく演技だと。
「一応な? 規則でのぅ……異界を渡ってきた者たちの行動は必ず保管しておかねばいかんのじゃ。ほれ、このようにな」
早送りをしていた映像を止め……ておぉい! なんで俺がリラを撫でてるシーンで止める!? ワザとか?ワザとだな!?
「ワザとじゃ」
「このクソジジィ!!」
「フォッフォッフォ! まぁまぁこれを見るがよい」
そう言ってパンと手を叩く。すると次の瞬間ジジィの後ろに巨大な本棚のようなものが出現した。そこには均等な大きさのそれぞれ違う輝きを放つ水晶玉が所狭しと並んでいた。
「…………」
「言葉も出ぬか?」
俺の反応を見てヴァンデルがそう言った。
「ああ、すごいな……、綺麗だ……」
「そうじゃろう、これは人の生きた証じゃ。汚いわけがなかろう」
「そうだ……、ですね……」
そう言うとヴァンデルは眉を顰める。
「よいよい、敬語なんてもはや要らぬわ! お主との語らいはなんでかのぉ、楽しいわい! じゃからな、もっと楽に喋ってくれんか?」
「神様がそう言うのであれば……。……んん、こんな感じでいいかな?」
「うむ、まぁ良いじゃろう。それと神と言ってもなこちらにも名があるのじゃ、そちらで呼んでくれんか? ヴァンデルじゃ、ほれ」
「あ、ええと、ヴァンデル、さん、でいいかな」
俺の言葉を聞いたヴァンデルは嬉しそうに頷いた。
「上出来じゃ、感謝するぞぃ!」
(近所のお爺さんみたいに見えてきた……)
「フッフッフ……」
「ん?」
笑い声が聞こえる。もはや確認するまでもないので声だけでその主を判断した。
「どうしました神様」
「リンよ! 妾のことも特別に〝レヴィ様〟と呼ぶことをするしてやろう!」
「あ、結構です」
「なんでじゃー!」
自分の着ているドレスのスカートをギュッと掴みその少しツリ目気味の瞳に涙を浮かべる。
「とりあえずヴァンデルさん、話が色々と脱線した気がするんでとりあえず戻しましょうか」
「おお、そうじゃな」
「それと俺の心がそろそろ瓦礫のようにバキバキに崩れそうなんでいい加減そのモニターなんとかしてくれ……」
「ふむ、まぁこれを動かさないことには話が進まんからな、仕方あるまい」
ふーやれやれ、と言った感じで渋々ヴァンデルはモニターの映像を再生し始めた。そして再び早送りを開始し、とある場所で再生を始める。
『バッ! なにぃ!?』
『くそっ! 逃げろーーー!!』
『えっ、ヒィッ!?』
『とぉまぁれぇぇえええぇぇぇッ!!!』
映像の中の俺がそう言った瞬間文字通りモニターの映像はブラックアウトした。
「これが儂の言った奇妙なことじゃ」
「なるほど、この時ですか」
「やはり、なにかあったんじゃな?」
「はい、説明するとややこしいんでちょっと長くなっちゃうんですけど……」
そう言って俺が説明を始めようとすると、ヴァンデルが待ったをかける。
「あ〜、長くなるのであれば少し待ってもらってもいいかの?」
「え? 構わないが、どうして?」
「ほれ」
「え? ……ああ、やっぱり子供だ」
「そうじゃなぁ、まだまだ子供じゃ……」
ヴァンデルが指す先にいたのは。
「スー…、スー…、うーリンの馬鹿ぁ…、なんで意地悪ばっかりするんじゃあ…ムニャムニャ……」
安らかな寝息を立て俺を罵るレヴィの姿があった。
「次からはもう少し優しくしたほうがいいかな、ヴァンデルさん」
「フォッフォッフォ、そうじゃなぁ……」
そう言って優しく孫を抱き上げてお爺ちゃんは軽く足で床を叩く。するとヴァンデルの目の前に空間が広がった。ヴァンデルはその空間に足を踏み入れ、その空間にあるベッドへとレヴィを寝かせた。
ヴァンデルが空間から出るとそれと同時に空間は音も無く消えた。
ヴァンデルはゆっくりとした足取りで椅子に腰掛けるとこう言った。
「では、話を聞こうかのぅ?」
どうでしたか?最後の方個人的には少し迷走して終わるところを間違った気がするんですよねーw
とりま誤字脱字があれば是非教えていただければありがたいです。
なんとかこのペースであげられたらいいなぁ…




