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拳の剣聖  作者: 心戒
15/21

一章 11話

長らくお待たせいたしました!読み返していないので日本語が拙い部分があるかもしれない。

それでもいいという方は読んで欲しい!そして感想をくれ!

若干暴走した気しかしないからほんと誤字脱字の報告もお願いします!

「ふむ、白面とな?」

「はい」


俺はあの時に起きた出来事をなんとか簡潔に説明する。

それを聞いたヴァンデルは腕組みをし、目の前で唸っている。


「うーむ、数多の世界を統べるもの、か」

「何か分かる?」

「いや、儂にも分からぬ。しかしその方の言からすれば間違いなく儂よりも位が高いことはまちがいないのぅ……」

「やっぱりそうなのかな?」

「なんじゃ、もしかして知っておったか?」

「いや、予想してただけだよ。ヴァンデルはこの世界の神って言ってたけど、白面っていうのは数多の世界の神って言ってたからね」

「ふむ、まぁそうじゃの」


でも、と俺は一旦言葉を区切る。


「俺にとっては問題はそこじゃないんだよね。その試練とやらを達成しないと俺はこの白面ってのに殺されるのが問題なんだ」

「そうじゃのぅ……、この方が神を名乗る以上はその試練は間違いがないじゃろ。それに神徒……、よもやその言葉が出るとは思わなんだわぃ……」

「そういえば神徒って言うのはどういうものなのさ?」


てっきりヴァンデルが説明してくれるだろうと思っていたら、その予想は裏切られた。


「いや、それは教えることはできぬのぉ」

「え? なんでさ?」

「ふむ、正しくは()()教えられぬ、じゃな」

「うん、どういうことなのか説明がほしいな」


この世界の、しかも白面という神を名乗る存在に通じる情報が得られるのなら、それはできれば早いほうがいいだろう。


「まぁ簡単に言えばじゃな、神徒でないもの、神でないものには教えることはできぬ、というわけじゃ」

「あ、そういうことか」


俺が納得したのを見たヴァンデルは頭をかいて照れた様子で続けた。


「まぁ、神徒なんて言葉を聞いたのももはや数百年ぶりじゃからな、もう何をする者なのかも忘れてしまったわぃ! フォッハッハッハッ!!」

「おいおい……」


(笑い事じゃねぇだろ……、職務怠慢みたいなもんじゃんか……)


俺は目の前で未だに笑い声を上げている老神に苦笑いを浮かべることしかできなかった。



一通り笑い通したヴァンデルは言った。


「まぁ今は神徒のことは置いておいてじゃな……」

「置いておくんかい……、まぁいいや。で?」

「うむ、今度は儂等がリンを再びこの場に呼んだ理由についてじゃ。とは言っても1つは終わっておる。もう1つはリンのスキルについてじゃ」

「スキル?」

「うむ、先ずは……そうじゃな。……ゴホン。『我、アガルティアが大地の神ヴァンデルの名に於いて力の顕現を果たせ』」


ドクン。

途端、俺の頭の中に言葉では説明できないような感覚を感じた。そしてそれは神経を伝達し、身体の隅から隅までじんわりと、しかし急速に広まった。

言葉にするなら、一番適切なのは……、まるで()()()()()()()ような気分、と言えばいいのだろうか。

取り敢えず身体を動かしてみた。腕を回す、伸ばす、屈伸をする、片足で立ってみる、ジャンプをするなど。色々と試してみたが、明確に何が変わった、とは言えないなんとも痒いところに手が届かないと言ったようだった。


「ヴァンデル、俺に何かしたよね?」


ほとんど確信に近かったが一応質問してみた。するとヴァンデルは特に誤魔化すこともしなかった。


「まぁのぅ」

「やっぱりさっきの言葉が何か関係してるんだよね?」

「そうじゃな」

「一体何をしたのさ?」

「ふむ、まぁ隠すことでもないからのぅ、教えよう」


おお、また何かと理由をつけてはぐらかされるかもと思っていたが、教えてくれるようだ。


「お主の能力の解放を行なったのじゃ」

「能力の解放? すごいな、まるで神様みたいだ」

「いやわし神様じゃし」

「正直まだ疑ってたよ」

「何を疑ったらこの状況でわしが神ではないことになるんじゃぃ……」


ヴァンデルが苦笑いしつつ突っ込みを入れてくれた。


「はは、俺の中ではヴァンデルはただの孫にデレデレのお爺さんだよ」

「フォッフォッフォ! やはりリンと話すと退屈しないのぅ! まぁ今はそれは置いといてじゃな、能力の解放の説明をするぞぃ?」

「ああ、お願いします」

「能力の解放というのはな、その名の通り人間に限らず植物じゃろうが動物じゃろうがどの個体でも能力を必ず一つ以上持っておるものなんじゃ。」

「ふむふむ」

「しかしこの能力が誰でも、どの個体でも使うことができるかどうかと言われるとそれは否じゃ」

「ふむ、なぜ?」

「能力はのぅ、この世に産まれた時点で使える者もいれば生涯使うことができない者もいる。何故じゃと思う?」


それは、よく分からない。大まかに挙げるとするならば——


「使えない環境だから?」


俺が答えると、大仰な仕草で驚いた様子を見せる。


「ホッホッホ、聡いのぅ、まぁあっていると言えばあっとるがな。まぁそれは様々な要因の一つに過ぎぬ」

「例えばどんなの?」

「そうじゃな、例えとしてある植物が能力として持っていたのが……まぁ〔体術〕というものだとしよう。そこで問題じゃ。その植物はこの能力を使えるか否か。どうじゃ?」


謎かけをするように俺に問いかけるヴァンデルだが、こんな問いは最早初めから答えなど分かりきっているだろう。


「それはもちろん使えない、でしょうね」

「そうじゃ、使えない。まず植物は自力で移動が基本は出来ないのじゃからな、まず使いようがない。これが能力を使えない第一の要因〝使用条件を満たせない〟じゃ」

「なるほど……」


言われてみれば確かに道理が通っている。確かに植物が走れと言われてもまず無理だ。精々自分の体を曲げるかどうかぐらいだろう。


「そしてもう一つはじゃな。使用条件は満たしているが、キッカケがない。要するに自分の能力が分からなければどんな能力を持っているにせよ使えるわけがない、ということじゃな」

「ほほぉ〜」


なるほど、確かに能力の正体を知らない奴に対して「能力を使え」と言ったところで自身が能力を把握していないのだから当然使い方など分かるわけがないな。


「そして最後、正直これが能力を発揮できない最要因じゃな。最初の例えを覚えておるか?」


ヴァンデルは俺に確認するように問いかけた。


「植物に体術なんてスキルがあっても使えないって奴でしょ、もちろん覚えてるよ」

「うむ、ではもう一度同じことを問おう。ああ、ただ今度は植物を……そうじゃな、リンよ、お主の世界には空想の世界でもいい、何か植物のお化けみたいな存在は何かいたかのぅ?」

「うん、まぁいる〜…ね、マンドラゴラとかトレントとかね」

「よし、では今度はそのお化けたちに〔体術〕という能力が備わっていたとしようかのぅ。さて問題じゃ、このお化けたちは能力を使えるか否か」

()()()お化けが〔体術〕を使えるか、ときたらもちろん使える、よね」


そう俺が答えると、すかさずヴァンデルが疑問を唱える。


「む? おかしいのぅ、さっきは()()は能力を使えないと言ったのに今度は()()()()()()()()使()()()()()()。実に不思議じゃのぉ!」


ここまで行くとヴァンデルが俺に何を言いたいのかとっくに理解はできていた。


「つまり、同じ植物でも動けるのなら使える、そしてその様子から察するにこの世界には()()()()()()()()、そういうことでしょう?」


俺がゲンナリしながらそういうと、俺の様子に満足したのか笑みを浮かべ、


「その通りじゃ!」


力強い声でそう言った。そして言葉を続ける。


「これらが第三の理由、〝生まれる世界を間違えた〟要するにわしらのうっかりミスじゃな!」

「おいコラ」


笑って済ませていいことじゃない気しかしないがもういいや……。

大きく溜息をつく俺を見たヴァンデルが補足気味に言葉を加えた。


「まぁ、付与する能力を間違えたともいうのぅ」

「どっちみちタチ悪いわ!」


もうなんか本当に神様に見えなくなってきたなー……。


(あれ?)


ふと気付いた。


「あのさヴァンデル、さっき説明した話とさっきの俺にかけた言葉ってどういう関係があるの?」


俺が疑問を口にするとヴァンデルは、器用にギクリとした反応を見せてくれた。


「リンよ、それ、聞いちゃう?」

「聞いちゃう」


俺の反応を耳にするとまるでカラクリの人形の首のようにぎこちなく首を後ろに向けてこう言った。


「リンの能力はのぅ……」

「うん」

「そのぅ……」

「うん」

「…………」

「うん」

「……わしが転生させた時に()()()()魂に定着させ忘れただけじゃ! はいおしまい! リンよこれから頑張っておくれッ!」


言葉が終わった瞬間何かのコントのように俺の足元に開閉式の落とし穴が出現し、瞬く間に重力に従い俺を飲み込んだ。


(ヴァンデル、あんたそれって……!)


「結局うっかりミスってことじゃねぇかぁぁあああぁぁぁ……!!!」


俺の非常に的を射ているであろう言葉は落とし穴中に広く伸びていき、俺の意識が沈み込むとともにやがて消えたのだった。


最後はなんかやっちゃった感があるけどまぁ、もう続きをどんどん描いていかないと私の脳内HDDからどんどん漏れ出して言っちゃうので取り敢えず前だけ向いて執筆を続けます!

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