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14.昇格

 料理は美味しかったけど、お尻を通りに向けて座ったから恥ずかしかった。椅子の背もたれは、お尻を隠すようにはなっていない。試験官はここでお昼を食べると決まった途端、通りから遠い席に素早く座ってしまった。それであたしと師匠はそれぞれ通りに対して斜めにお尻を向ける恰好で丸テーブルを囲んだ。

 横目で見てると、師匠の後ろから近付く人は男女問わずみんな師匠のお尻に見蕩(みと)れてる。あたしの後ろから来る人があたしのお尻を見てるかはわからない。けど見られてる気がする。

 昨日の夜、温泉で試験官に言われたことが気になる。キレイなのは師匠のお尻だよ……。


 食べ終わってギルドに行くと、さっそくワイバーンを解体所に収めた。それから窓口で報告して、正式に昇格が決まった。冒険者タグの更新をしてもらうと、大きくBの文字が入っている。ついにあたしも上級冒険者の仲間入りだ。

 そういえば、所属をどうしようか。Bランクに上がったら、あたしの地元やここみたいな郡部の街に留まる人はいない。領の中心である領府に所属するのが普通だ。まあ、例外が目の前にいるんだけど。

 いずれにしても地元の街からは所属を移そう。あの街には今あたしの住む家がないし、元PT(パーティ)の連中の顔を見たくない。となるとやっぱり、北東領の領府かな。


 それからあたしは夕方まで訓練をして過ごした。新しい弓も攻撃魔法も手に入れたばかりだから、使い込んで自分のものにしていかなくちゃいけない。その間師匠は魔導二輪車に乗ってどこかへ出かけて行った。

「きゃああ、弓師ちゃん」

「え、ええっ!?」

 なんと、防具職人に抱き付かれてしまった。いつもあんな極上の美少女に抱き付いてるのに、この人見境ないのかな? 単なるお尻好き?

「天使ちゃんは一緒じゃないの?」

「お昼の後から、どこかへ出かけてます」

 ちょうどそこへ師匠が帰ってきた。

「あ、師匠お帰りなさい」

「きゃああ、天使ちゃん。寂しかったわよぅ。ところで試験どうだったの?」

「問題なかったですよ」

「はいっ、無事に合格できました」

「そう、よかった。じゃあ今夜はお祝いね。あ、その前に道具屋に行こ」


 道具屋に入ると、防具職人は店主に紙袋を渡した。

「ふう、なんとか間に合ったわよ」

「ん、確かに」

 道具屋は紙袋を覗いて中を確かめると、それをあたしに差し出した。

「注文を受けてたアイテム袋だ」

「あ、ありがとうございます」

 ワイバーンの翼膜は艶やかな仕上がりだ。袋は小ぶりでかわいい。そうか、アイテム袋も防具職人が作ったんだ。二輪車も作ってるし、もう魔道具職人て感じだ。

「じゃ、倉庫借りるわね」

「はいよ」

 防具職人に引っ張られて、三人で倉庫に入った。

「できたわよぅ。さ、脱いで脱いで」

 あっという間に裸にされて、新作防具を着せられた。

「弓師用の胸当てをモチーフにして、ワンショルダーにしてみたの。胸を寄せて、この中にちゃーんと収めるのよ」

 なんだかすっごく寄せて上げて盛ってる感じだ。ビスチェの時も胸が一ランクアップした感じだったけど、それよりさらに一ランク上がった気がする。

 下は、後ろの布が完全になくなってしまった。後ろは紐だけだ。前も極小で、ほんとに局部しか隠れてない。

「は、恥ずかしいです」

「隠しちゃダメよ。視線を浴びるほど強く美しくなっていくんだからね」

「は、はい……」

「さ、店長にも見せてあげましょ」


「ほう……こりゃあ美しいな」

「ほら、後ろも見せてあげて」

「ん、こりゃまた……妖精みてえだな」

 もう、恥ずかしくてお尻から火が出そうだ。褒められると余計に恥ずかしくなる。

「あとはこのワイバーン革の服ね」

 服まで完成してたんだ。この人、仕事早すぎる。

「服もピッタリね。でもこっちは試着だけよ。さ、脱いで」

 男の人の前で脱がされてしまった。防具姿に戻っただけなのに、恥ずかしすぎる。

「前にも言ったけど、これ着ていいのは防具姿じゃ入れないドレスコードのある場所だけよ」


 それから三人で、街のレストランに入った。通りの角に面した席で、床の高さまでガラス張りになってて外から丸見えだ。師匠とあたしはそれぞれ通りにお尻を向ける席に案内された。もちろん防具姿のままだから、きっとみんなにお尻を見られてる……。

「これは私からの昇格祝いです」

 師匠から短剣を渡された。片刃で、深い輝きを放ってる。ものすごく切れそうだ。師匠が出かけてたのは、これを買うためだったのかもしれない。

 そういえばあたしは予備武器の短剣を身に着けてるけど、初心者の頃から同じのを使ってる。試験の時の野営で使ったけど、あれを見て粗末な短剣だってバレてたんだろうな。

「ありがとうございます」

 その後は大きな公衆浴場に行った。サウナとか色々あるところだ。

「さ、セッケンでキレイにしましょ」

 カラダの外も中もセッケンでキレイにされてしまい、泣きじゃくった。

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