↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

25/44

25. ただの令嬢となりました


「それはできないな。」


 皇太子があまりにきっぱりと返答したので、美しい渾身のボウアンドスクレープで有終の美を飾ろうとしていたイヴァンは拍子抜けをした。


「殿下、今なんと?」

「だから、それはできないと言ったんだ。」

「何故ですか?」


 イヴァンはこの性根の曲がった皇太子を今度こそ睨みつけて言った。

 この際不敬罪でもなんでも良いのでさっさとクビにしてもらえれば良いと思ったのだ。


「そんなことをしたら私がシャルロット嬢から嫌われてしまうだろう。」


 いけしゃあしゃあと宣う皇太子にイヴァンは珍しく声を荒らげた。


「殿下!願いを叶えてくださるとおっしゃったではありませんか!」

「確かに言ったが、私は『()()()()()()()()()()()()何なりと申せ。』と言ったはずだ。」


 虚を衝かれたイヴァンは暫く青紫の瞳を見開いたままで茫然自失となっていたが、やがてため息とともに言葉を吐いた。 


「やはり貴方は私と同じで性根の曲がったお方だ。そして随分な策士でいらっしゃる。」

「これからもシャルロット嬢の傍で幸せを見届けてやってくれ。」


 シャルロットは目の前の出来事にやっと思考が追いついたようで、苦悶の表情から花が綻ぶような笑顔を咲かせてイヴァンへ抱きついた。


「イヴァン!貴方は絶対に逃さないわよ。助けた限りは責任を持って、ずっと私のことを守ってくれないと。」

「……かしこまりました。」


 そうして、イヴァンの解雇という願いは却下された。

 そして今日、猛毒令嬢はだだの令嬢となった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。