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克服できない弱点



んーーー


これは……何と言うか……



ハーレムって……こういうことを言うんだな……



俺の隣には華凛と羽歌が座っており三人仲良く湯船に浸かっている。



湯船の正面では銀狐が彩ちゃんの身体を洗っており上と下以外は眼福な光景が広がっていた。



「これで日本酒でもあれば定番って感じがするんだけどな」



よくテレビなどで温泉に浸かりながら日本酒を飲む映像が流れることがあるが結構危険な行為だ。


身体に負担がデカイし貧血の危険もある。



日本酒風呂なんて物もあるがあれは湯船にコップで3、4杯を入れてかき混ぜるだけでできるらしい。


血圧を安定させたり高血圧を予防するらしいが酒が勿体ない。



そもそも普段から暴飲暴食を控えて適度な運動をしていれば血圧なんて勝手に安定するからな。日本酒風呂なんてのは貴族の遊びに思えるぜ。



それに風呂に酒を入れたら娘と風呂に入れないじゃないか。



おっと、話が逸れたな……



みんなも風呂に入ってのアルコールはオススメしないぞ!

せめて入りながら飲みたいときは2人以上で入るんだ。

康成お兄さんとの約束だぞ!



「いやぁ……やっぱり足が伸ばせる風呂は最高っすねぇ……」


「だなぁ……この入浴剤も落ち着くな……何の匂いかわからねーけど……」



本日の入浴剤は草津の濁り湯でございます。


「湯ノヶ原の温泉のほうが良いだろ?」


「それもそうだけどな。俺はこっちの入浴剤を入れた風呂で大満足だ。みんな入ってもずっと温かいってスゲーからな」



「水晶でお湯を出しても冷めちゃうっすからね。追加でお湯を出すのも勿体ないんすよ。だから温泉以外はこんなに長湯できないっすよ」



そういえば家の風呂も昔は熱いお湯を少しずつ冷まして使ってたなぁ……



「ほれ、できたぞい」


「銀ちゃんありがと!パパ洗ったよー。彩ちゃんもお風呂に入るね!」


「しっかり入るんだぞ?パパは上がって身体を洗うかな」


「私がアニキの背中を流すっす!」


俺が上がると続いて羽歌もあがる。


「えー!みんなではいろうよー!」


「彩ちゃん、さすがにみんなはお風呂に入れないよ。お湯が溢れてなつばばが入る時お湯が無くなっちゃうよ?」



いくらデカイ浴槽でも大人四人なや子供1人は無理があるからな。


「お湯が溢れたら勿体ないの?」


「そうだよ。もったいないお化けが来るかも……」


「銀ちゃんと鬼のお姉ちゃんと入る!」



うむ、聞き分けの良い子だ。


「よし彩愛、お姉ちゃんと入ろうぜ!」



「うん!銀ちゃんも!」


「わかったわかった。そう急ぐでない」


「なぁ彩愛、俺も鬼のお姉ちゃんじゃ寂しいぜ?華凛お姉ちゃんって呼んでくれよな」



「うん!華凛お姉ちゃん!」


「そうだぞー華凛お姉ちゃんだぞー」



「アネキがなかなかのデレ具合っすね」


「村でもあんな感じか?」



「そうっすね。族長に用事のある人が来て子供が暇をしてると毎回アネキが遊び相手になってるっすね。毎回遊んでるせいか村の子どもから大人気っす」



「羽歌は遊ばないのか?」


「私もよく遊ぶっすけど……子どもってなかなかな体力してるっすから、後半は私がバテるっす……」



確かに子供の体力は眠くなるまでは実質無限みたいなもんだからな。



「もしかしたら華凛もまだ大きなこ……」


「アニキ!それ以上言ったら駄目っす!」



「ん?何か呼んだか?」



「何でもないぞ」

「何でもないっす」



「せっかくだ。俺が先に背中を洗ってやるよ」



「本当っすか?それじゃあお願いするっす。どうしても羽の付け根が上手く洗えないからよろしく頼むっす」


羽の付け根?


羽歌の羽を触ると想像よりも薄く軽かった。


「何かもっとずっしりしてると思ったけどそうでもないな。これで飛んだら折れそうだな」



「まぁ翼も使うっすけど羽に風の霊力を纏わせて飛ぶからそんなに大きくなくても良いっす。大きすぎても邪魔っすからね」


「そんなもんなのか」


「そんなもんっすよ。あーそこそこ。裏の付け根が痒いっす」



羽歌の羽を見ながら肉付きの悪い手羽先を想像したのは内緒にしておこう。



「よーし!こんなもんだろ!洗い終わったぞ!」


「次は私が洗うっす!」



勢いよく羽歌が立ち上がる。


「流してからにしろよなぁ。彩ちゃんみたいに転ぶぞー」



「大丈夫っすよ!」


ツルッ


「あれ?」



振り向き様に泡に足をとられ羽歌は俺のほうへと倒れ込む。



急なことではあったが俺は霊力を集め集中することで体感がスローに変わる。そのまま羽歌を助けようと腕を掴むが流してない泡で腕がツルッと逃げた。



後ろに倒れ込む羽歌が恐ろしくスローに見える。


笑いの神様が観ていたらきっとほくそ笑みを浮かべているに違いない。



羽歌は吸い込まれるように座っていた俺の股間に頭からダイブした。


タオルを巻いていたため直撃は避けたがタオルの防御力などたかがしれている。



羽歌は俺にワンクッションおいたため床に直撃することはなく身体に密着し滑るようにゆっくりと床に着地した。



無事に床に着地した羽歌を見て俺はこれから時間差で確実に来るであろう痛みへ対抗するため意識を集中させる。



全てがスローに見えるなかゆっくりと俺の股間に鈍痛がやってきた。


「あぐっ、うぬぅ……うおぁぁぁぁ…………」



俺の額からは風呂で温まり出てきた汗とは違う冷や汗、脂汗が滲んでいる。



動いたほうが良いのかじっと我慢すれば良いのかもわからない。スローのまま考える時間がある俺だが股間の鈍痛に対し時間はあるのに考えが纏まらない。



むしろスローなのが痛みを長引かせているようにも感じ、俺は考えるのを止めた。



もう何も考えられない。



考えるのを止め痛みに対して俺の身体に任せるとずっと中腰の体制もせつないようで少しずつ俺の身体は床にむけて下がって行く。


俺の中では何分にも感じられた時間は俺以外にはほんの数秒である。




俺の真下ではまだ羽歌が転がったまま動けないでいた。



「おっ?えっ!?ちょっ!?アニキ!アニキ!?下がって来てるっす!待つっす!まだ私が退いてないっす!!そのままだと私に……いやぁぁぁ!!!!!」



むにゅん。



羽歌の頭を両膝で挟むようにして俺は床(羽歌)に着地したのだった。



「いやぁぁぁぁ!!暗くて見えないっすけどナニか当たってるっす!!なんかワサワサして柔らかいのが私の頭に乗ってるっす!!!!アニキ!?アニキ!?早く退いて欲しいっす!アニキ?アニキ?何で無言なんすか!?ひゃぁ!ナニか動いたっす!!」



その後の羽歌は華凛と銀狐に引きずられ無事に解放されたらしい。



後から俺はさっさと集中を解除したらこんなに長く苦しまなくて済んだのに、ついでに言えば霊力で集中してスローにするだけではなく身体も強化していれば大したことなく済んだと銀狐に教えられて俺は今後、鍛錬は怠らないと心に誓ったのである。





だって仕方がないじゃない……男だもん……



「すまん……不慮の事故だ……」


「元を辿れば私の不注意っすけど……何か汚された気分っす……」



「なぁ康成?やっぱりそこってそんなに痛いのか?」


「痛いなんてもんじゃないぞ。どんなに頑張っても鍛えることのできない男の弱点だ。しばらくは動けねーよ」



「そういえば昔、父ちゃんが寝ながら遊んでくれて父ちゃんの腹の上ではしゃいで足を踏み外した時もしばらく動かなかったな……」



「男は大変じゃのう」



「内臓が剥き出しになってるようなもんだからな。イタズラで攻撃したら絶対駄目だぞ」


「しねーよ」


「パパ大丈夫?」


「大丈夫だよ」


「保育園のヨウタ君もね、彩ちゃんがボールを当てたらパパみたいに動かなくなっちゃったの」


「男の子はねここに当たると痛くて泣いちゃうから当てないように気をつけてね?」


「はーい」



「何か毎回こういう役が私に当たるんすけど何なんすかね?」


「きっとあれだ。羽歌はそういう神様に愛されてるんだよ」


「何か腑に落ちないっす……」


「そんな神なんぞ居たかのぉ?」




その後風呂から上がり母ちゃんから「何か声が聞こえたけどどうしたんだい?」と聞かれたがみんな何となく話しづらいのか「何でもない」で統一された。



唯一彩ちゃんだけは「パパが動かなくなった」と話し母ちゃんは首を傾げていた。



甚平さんからは羨ましい目線が送られて来たが水着を着た華夜さんに風呂に誘われるとまんざらでもない顔で風呂場へ向かっていった。



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