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あたまの上のあげぽよん




一通りの音ゲーを堪能した華凛は満足そうに椅子でジュースを飲んでいる。



「ぷはぁーー!!すげー楽しいな!狩りや畑仕事意外で体を動かしたのは久しぶりだぜ!」



「ノリノリだったもんな」


「あっちには無い曲だしよ。気合いが入るっていうか上がる曲だからな!」



「華凛はユーロビート系が好きみたいだな」


「ユーロビートっていうのか?確かにあんな感じのが良いな」


「智之が沢山持ってるから今度聴かせてやるよ」


「やったぜ!さーて次はどうすっかなぁー」


「だんだん時間が迫ってるからなぁ。UFOキャッチャーでもするか?」


「そうだなぁ……なぁ?あれは何だ?さっきから2、3人入っては出てくる箱は?」



「あープリクラか、若い頃はけっこう撮ったなぁ」


「何だよプリクラって?」


「写真はわかるだろ?それを簡単に撮ることができるやつだよ。撮ったらすぐにできるし安いから若いのに人気なんだよ」



そういえば昔、男だけで撮ったなぁ……


初めは良かったけど、機械から出てくる俺らを見る女子の目線が痛かったぜ……


大人になるとなかなか撮る勇気がでないから女の子と撮る機会なんて学祭の打ち上げくらいだったなぁ。



「ふーん……よし康成、一緒に撮ろうぜ!」


「ふへ?」


「なんだよ?変な声だして。すぐにできるんだろ?だったら撮って、みんなの所へ戻ろうぜ!」



「いやっ華凛、プリクラを撮る男女ってのはだなぁ……」



「何してるんだよ?早く行くぞ!」


「うぃっす……」



中に入ると俺が知っている限りの操作を行う。


(やべ……無茶苦茶知らない機能がついてる……とりあえず全部普通の設定で良いか……)



「よし!できたぞ!華凛の好きな背景を選んでくれ」


「えーとだなぁ……わかんねぇ……どんなのが良いんだ?」


「俺も久しぶりだからわかんねーけど……これなんてどうだ?」



「これか?んーー、おっ!そっちのはどうだよ?」



俺は何気なく横を向くと至近距離に華凛の横顔があった。



(こう近くで見ると華凛って美人さんだなぁ……やべ……少しどきどきしてきた……)


「どうしたんだ?これで良いか?」


「そそそうだな!(何でこいつはこんなに無防備なんだ)」



「おっ!俺らが写ってるぞ!ポーズをとれだってさ。どうする?」


「好きなポーズをとれば良いんだよ。ほら見本があっただろ?」


「じゃあこれが分かりやすいな。康成、少ししゃがめ」


「こうか?」


ポヨン。



俺がしゃがむと頭の上に柔らかい何かが乗っけられた。



一瞬思考が停止したが、この場にある柔らかいポヨンは2つしかない。



華凛よ……何でこのポーズを選んだ……


これは女の子同士だからできる禁断のポーズだぞ……



ポーズ命名トーテムポール。



このポーズ、どちらかというと俺が上じゃね?


あぁ……男の俺のほうが背が低いんだった……


とりあえず顔に出さないようにしながら俺は頭の上のポヨンを楽しみながら撮影に望んだ。



何枚か撮影が終ると次は落書きである。



「どんなこと書くんだ?」


「名前に日付とか好きな言葉とかじゃねーか?」


「ぱっと思い付く言葉なんてなかなかねーなぁ……」


「華凛、こんなときのための便利な言葉が日本にはあるんだぜ?」


「おっ!じゃあそれにしようぜ!何て書くんだ?」



5分後プリントされた写真には名前、日付の他に大量のスタンプと「あげぽよー」の文字が書かれていた。



康成がトーテムポールの写真だけは「あげぽよー」ではなく「あげぽよん」にしたのは華凛には内緒である。



………………



集合時間が近づき俺と華凛は本屋へと向かった。



本屋に入ると一番に華夜さんを見つけた。


手芸、服飾の棚の前で写真つきの雑誌を見ていた。



「華夜さん、お待たせしました。どうです?」



「この本と料理の本を買うことにしたわ。写真も分かりやすいし見てるだけで楽しいのね」


華夜さんの本用のカゴには10冊程の本が入っている。


「母ちゃん、買いに行くんだろ?本、重そうだし俺が持つから一緒に行こうぜ」



俺は見た……華凛は華夜さんを連れてレジへと向かう途中、肉料理の本を間に潜り込ませていたのを……




羽歌を探して見ると羽歌は写真や図鑑のコーナーにいた。


「羽歌、最初からずっとここにいたのか?」



「あっアニキお帰りなさいっす。図鑑は面白いっすねぇ。写真は綺麗だし種類もあるし。ずっと観てられるっす」


「どれか買うのか?」


「図鑑は一冊が高いみたいっすから……今日はとりあえず三冊だけにするっす」


「まぁ図鑑は何回観ても飽きないからな。他の奴らにも見せたらきっと喜ぶな」


「えへへへ、きっとチビ達も喜ぶっすね!」



族長っていうよりはしっかりもののお姉ちゃんだな。



「甚平さんは?」


「多分専門書の所じゃないっすか?見比べて唸ってたっすよ?」



専門書のコーナーへと向かうと値段と本の内容を見比べている甚平がいた。



「どうです甚平さん決まりましたか?」


「あぁ……康成君、全然ですね……専門書も欲しいですがあちらで活かすことのできるものを選ぶとなると……なかなか難しいですね……」



「だったらここでは予算内で買えるものを何種類か選んであとは図書館にでも行きますか?」



「図書館ですか?本屋とはどう違うのでしょうか?」



「買うか借りるかですね。図書館は大抵無料か入館料を少し払えばあとは読むなり借りるなり好きにできる場所ですよ」


「そんなに都合の良い場所が本当にあるのですか!?もしかして人気で長い時間並ぶ必要があったり、大したことのない量しかないとかでは無いのですか?」



「多分並びはないと思いますよ?量もここの6から7倍位はあるかな?まぁ漫画とかは少ないですけどね……」



「!!!!康成君……明日でも良いので時間があるときに図書館へと私を連れて行ってください……」



「いいっすよ。確か近くの図書館は身分証無しでカードが作れたはずですから……」



でも名前と住所は書かなきゃ行けないよなぁ……甚平さんの住所とかどうすっかなぁ……


まぁ偽名で良いか……悪いことに使う訳じゃないしな……



こうして甚平さんは本屋で手元に置いて置きたい科学や医療の本を数冊購入しホクホク顔でみんなに合流した。



「さーてと、良い時間だな」



遊んだり買い物をしていると時刻は12時過ぎになっていた。



「腹減った人はいるか?」



俺の質問に四人とも手を上げた。



「昼は何食べるか決まってるのか?」



「当然、みんな大好きラーメンだよ」



「良いですね」

「もしかして康成君、例のやつかしら?」

「良いな!腹減ってたんだ!」

「ラーメンっすね!アネキから食べさせて貰ったことがあるっす!」



「少し車で移動するけど良いか?銀狐に頼んで1時に予約してるからすぐに入れるはずだ」


「狐の姉ちゃんのとこか!智之に聞いたぜ!旨いらしいな!」



「よし、預けた荷物を回収して移動するぞ」



荷物を回収した俺達は車に乗り込み鬼麺堂を目指し発進した。



………………



「いらっしゃいませ!!じゃ!」



俺達を出迎えてくれたのは店のユニフォームを来た銀狐だった。


長い髪は後ろで一括りにし頭にはタオルを巻いている。


前に銀狐が言っていたが確かにユニフォームは少し小さいようだ。



主に横が……胸でパンパンだ……



「おぉ!康成に皆よよく来たの!席はこっちじゃ!」


銀狐に案内された席は奥にある6人がけの席だった。



銀狐は予約札を取ると「店長呼んでくるでな。少し待っておれ」と厨房へと消えた。



少しすると奥から馴染みの巨体が姿を現した。



「あらぁっ!!康成君じゃない!!予約ありがとぉ!!最近来てくれないからあんみつ寂しかったぁ!」



「「!?!?!?!?」」



俺と銀狐意外は思考が追い付いて無いようで固まっていた。



「まぁ最初はそんな感じの反応だよな……光雄さん久しぶり、今日は知り合いを連れて来たからよろしく頼むよ」



「康成君やるじゃない!こんなに可愛い女の子ばかり連れてきてぇ!銀狐ちゃんもいるのにぃ!あら?奥のお兄さんはなかなかのイケメンじゃないのぉ!!!康成君!?誰よ紹介しなさいよ!!」



「アニキ……上手く言葉が出てこないっすけど……凄いっすね……」



「ダメだよ光雄さん。甚平さんは華夜さんのだからね」



「あらぁやだぁ?奥様?素敵な旦那さんじゃないのぉ!大丈夫よ!私、人のものには手を出さない主義だ・か・ら!」



「康成……俺にはわかるぞ……きっと無茶苦茶強い……最初から勝てないなんて思ったのは初めてだぜ……」



いや……ただのラーメン屋の店長だから……


「康成君からおすすめされて来ました。今日はよろしくお願いします」


「あらぁそんなに畏まらなくても大丈夫よ!ふふふぅん」



あっ甚平さん震えてる……


「それでメニューは決まっているのかしら?」



「あー光雄さんそれなんだけどさぁ……チャレンジメニュー行ける?例の2種類」



「康成君本気かしら?初めてのお客さんには正直おすすめできないわよ?」


「あーー多分大丈夫。この間大食いと激辛の番組が来てどっちも達成できなかったやつだろ?」


「えぇ……未だに完食者ゼロの無敵メニューよ……まったく……私もとんでもない物を作ってしまったと後悔してるのよ……」



「華凛はどうする?」


「えっ?当然食べるに決まってるだろ?」


「じゃあ大食いの無限ラーメン2つと激辛の地獄ラーメンを1つ。俺と羽歌は普通のやつ食べような?」


「ぶーぶー私もチャレンジしたかったっすー」


「後ろのテーブル見てみろよ?あれでただの大盛りだぞ?」


俺の後ろの席には大盛り全マシを頼んだ強者がいた。


「普通盛りにするっす……」


「よし普通2つのチャーハンと餃子を1つづつで」



「わかったわ……でも知り合いだからって残したらペナルティがあることを忘れちゃだめよ?」


「いくらだっけ?」


「無限が一万円で地獄が5000円よ」



「わかったわ……それじゃあ覚悟を決めてね……」


光雄さんは再確認すると厨房へと大声で注文する。



「すぅぅ……行くぞお前らーー!!久しぶりのチャレンジャーだ!無限2つに地獄1つ!気合い入れろよ!!」



光雄さんの声に店内全ての客がこのテーブルを注目する。


注文を終えると光雄さんは厨房へと消えていった。



あれ?俺と羽歌の注文は?



「あいやー、あんみつ店長はチャレンジメニューに集中してしまっておるのぉ。我が康成と羽歌の注文を届けてくるわい」


銀狐もテーブルに水を置くと店の奥へと注文を届けに行く。



今さらだけど本当に大丈夫か?



まぁ……華凛は微妙だけど甚平さんは楽勝だろ。


華夜さんは少し不安だ……



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