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耳かき戦記

 今、空前絶後のブームとなっているのが、耳かきである。

 そもそも、日本では江戸時代から耳垢取なる職業があり、中国やフランスでも、耳かき棒が発掘されている。

 耳という人体で突っ込めるものが存在しない、聖域。そこを掻くという背徳感。その感覚から、始めのうちは犯罪染みた扱いを受けていた耳かきであるが、しかし近年になって技術の発達、主に耳かき棒の発達が急速になったからか、今では女子高生の間で耳かき棒デコまで流行るほど、一般的になってきていた。そしてそれは、医者である三川慎平も、同じであった。

 そんな彼はある日、片付け忘れていた麻酔薬のアンプルを、こっそり持って帰ってしまう。そうして、自分の耳へ効くよう、注射。

 ためしに耳をつねってみるが、痛みはない。そうして喜び勇んだ三川慎平。

 翌日、両耳からの出血多量で、遺体となって見つかった彼の顔は、とても幸せそうに綻んでいた。

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