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トケナイ氷  作者: 朱手
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外伝II革命のヒトミ 5話・オアシス

 アーカスは三人の先頭を夜の砂漠で歩いていた。


「もうすぐ目的地だ、頑張れ!」

 一番遅れているイザラを気遣い、振り返って声をかけるが、応える元気もないのか一言の返事すらなかった。

 アーカスは星を見る。

 星を見れば大体の方角がわかるアーカスはそのまままっすぐに進んでいった。


「うぅー。やっと着いた。」

 着いたのはオアシスだった。

 その場に背負っていた荷物を下ろし水辺に歩み寄るイザラを横目に、アーカスは適当な場所で料理の準備を始めた。


 食材を出してみると、芋と青い野菜に日干しの魚と缶詰があった。

 それらの食材から何を作るか決めると水を汲むために水辺へと行く。


 するとそこにはとろけそうな笑顔でキモチィ。と呟いているイザラが水に足をつけていた。

 アーカスは注意しようとしたがあまりに気持ち良さそうな顔をしていたので水だけ汲むとすぐに料理に戻った。


 焚火をつけるとその上に水の入った鍋を乗せる。


 沸騰するのを待つ間に日干しの魚に串を刺し、火の側に立てる。

 

「アーカスさん、何かやることある?」

 今頃になって来たカナスには食事前に飲む水を汲むことだけを頼んだ。


 沸騰した鍋に芋を入れ、少し待った後に青い野菜を入れる。


 東の空が明るくなる頃にそれらが茹で上がり、ブラブラしていたカナスを捕まえ、イザラを呼びに行かせた。


 質素な料理で味付けも何もしていないから荷物の中から塩を取り出し、適当にふる。


 男の料理は完成した。


 そこにブー垂れた顔で来るイザラにアーカスは盛り付けた皿を渡す。


「……お待たせ。」

「どうしたカナスに何かされたか?」


 さっき見た時にはあんなに至福な表情をしていたのに今はこれと凄まじい変化に疑問を感じたアーカスは念のために聞いておく。


「ううん、疲れただけ……。」

 やはり表情は暗い。


「なら、いいが。」

 それ以上聞くのはやめたほうがいいか。と思ったアーカスは今水を運んでくれているカナスの分を盛り付ける。


 帰って来ると余程お腹が減っていたのかカナスは芋を手に取りカブリッと一齧り。


 皆揃ったのを確認するとアーカスも魚を手で持ち齧っていた。


 しかしイザラは食べないでキョロキョロしていた。


「どうしたイザラ?食わないのか?」

 さっきのこともありアーカスは魚から口を離し、イザラの心配をした。


「ううん。」

 また暗い顔で横に首を振ると野菜を掴み、口の中に放り込んだ。


 でもその後はパクパクと食べていった。


 朝食の後、アーカスは周りに結界を張り、動物には入れないし見ることも出来ないようにしておいた。

 あとこれから強くなる日差しを和らげる魔法も使っておいた。


 それでもカナスと二人で交代しながら見張りをした。




 □ □ □




 アーカスはまた先頭を歩いていた。

「ふぁーあ。」

「イザラ、もうすぐ奴の縄張りに入るからもうすこし緊張しろ。」

 緊張感なしにあくびをするイザラをアーカスは見逃さず注意する。


「ねー、失敗作の特徴もう一回教えて。」


 出発前にも教えたがその時のイザラの顔は眠っていたのを見ていたため怒れず、聞こえないようにため息をつくと説明し始める。


「魔獣の血が交じってるからわからないが、最後に見られた姿形はサイに似ており、

象のように厚い皮膚に覆われ、身体中に固く閉じられた口があり、一度開けられたら全てをくらい尽くす牙が見え、額には太く短いが尖った角を持っている。」


「足は速い?」

 この質問も二度目だ。


「いやそこまで速くは無かったらしい。

だが厚い皮膚の前では剣も魔法も効かなかったらしい。」


「ならどうするの?」

 これは一番始めに話したことだ。


「それはオレが奴と闘って、その間にアーカスの得意な呪歌で奴を内部から破壊してもらう。」

 カナスがアーカスの表情を読み取り話に割り込んでくる。


「カナスさん、私忘れてない?」


「イザラは援護と補助をを頼む。」

 アーカスが次第に悲しくなるくらいにイザラは全く人の話を聞いていなかった。


 アーカスは異質な魔力を感じ手を軽く上げる。


「縄張りに入ったぞ。

ここからは気を抜くな。」


 アーカスは思った以上に強い敵に準備としてのど飴を一つ口に入れた。



『フンッ!ヴヴゥー!』

 遠くからの強者の唸り声は三人にはまだ聞こえてくいなかった。







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