↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
すずまち製作所  作者: 鶏皮:塩
第二章
PR
37/37

第37話「好きになっちゃったかもしれません…」



氷花に計画のことがバレてはいけないが、計画通りに事を運ぶなら聞くのが一番手っ取り早い


「最初は何に乗るんだー?」


何に乗りたいかではなく、何に乗るのが正解だ?という意図で聞いてみた




「ハッハッハ!まずは、ウォータースライダーだ!」


「おい!温泉あるってよ!気持ちよさそうだな~!」


「私は…流水のプールが気になる」


「半額、アジ」


気づかないアホばっかりだった


いやまてよ…氷花は計画を知らないから一旦置いておいて…アジ大好き少女もアジが大好きなだけだろう…


男子二人はもしかしたらなにか思惑があるんじゃないか…?俺はそう思い二人と肩を組んでこっそり聞いてみた


「おい浩貴…温泉になにか仕掛けがあるのか…?」


「ん?特にないぞ、普通に入りたいだけだ」


「なるほど、社長は…?」


「ん?ウォータースライダーに乗るときの浮き輪が爆発するが…?」


「なるほ…って爆発!?」


驚きすぎてつい大きな声を出してしまった俺の頭を叩いて浩貴が言った


「声がでかいぞ…!バレるだろ!」


「だってお前…爆発って…吹っ飛んで頭でも打ったらどうする!?」


そう言うと社長が自慢気に言った


「大丈夫だ、人間が吹き飛ばないように計算してある…」


そうは言っても、爆発でどうやって距離を縮めろって言うんだよ…


「とにかく…爆発以外の作戦で頼む…」


「うーむ…自信作だったんだが…じゃあ次はあれだな…」


そう言うと社長は振り向いて大きな声で言った


「流水プールに決まった!」


それを聞いた氷花は少しうれしそうだった


茉莉花は不服そうだった


———


みんなが気を利かせて、俺と氷花から少し離れた場所で流れに乗っていた


「氷花…今日、人がいっぱいいてびっくりしたんじゃないか?気を使ってないか?」


「大丈夫、すごく楽しい」


氷花は表情がわかりにくい。だが今は、本当に楽しんでいるとわかるくらい笑顔がこぼれていた


「それなら良かった」


「それにしても、あんな面白い友達がいたんならもっと早く教えてほしかったな」


「アイツらは最近仲良くなったんだよ、馬鹿だろ~?あれでも明英の生徒なんだから…不思議なもんだよなぁ」


「そうなんだね、ふふ」


とてもいい雰囲気だ…計画などなくてもこのまま告白したらOKもらえるんじゃないか…?


そう思っていた時だった


「きゃ、きゃー誰かたすけてーワニが出たわー」


茉莉花の棒読みのセリフが聞こえた方を向くとワニとよく似た人形が流れてきた


誰が言わせたんだ…馬鹿すぎる


『え?ほんとにワニみたいじゃない?』


『相当リアル…?本物ならヤバいじゃん』


『一応、離れとこうか』


だが、ワニがリアルすぎたのか周りの人達も少し信じ始めてしまった




「え…ワニ…?プールに?」


氷花の疑問は当然だ


俺は呆れた顔をしていたが、一応計画に乗ることにした


「氷花…はやく上がろう!俺の手を掴んで!」


「…うん!」


初めて俺達が手を繋いだ瞬間だった


うわ…めっちゃ冷たいし柔らかい…手を…手を繋いでるんだ、好きな人と…!


俺は浮かれすぎて力が抜けそうだったが先に氷花をプールサイドに上げた


氷花が上がったのを確認して俺もプールサイドのはしごを登っている時だった


「きゃー!女の子が溺れてる!」


中学生くらいの女の子が泳ぎづらそうに顔だけ水上に出している


ワニに驚いたときに溺れてしまったのだ


「俺が…行くっ!」


俺はすかさず飛び込んでその娘の方へ泳いだその時だった





「「「うおおお!」」」





俺と同時に社長と浩貴もとてつもないスピードで女の子の方へ泳いでいた


間に合うか…?間に合ってくれ!


俺達は同時に女の子の腕を掴んだ



ザバッと大きな音を立てて3人で女の子を引き上げた


『おおー』


なぜか歓声が起こっていた


「良かった!無事か!?」


社長が真剣な顔で女の子に問いかける


「大丈夫!?怖かったね…」


続いて浩貴も水から顔を上げて言った


「意識はあるみたいだね…良かった」


俺も女の子の顔を確認して言った


三人の上裸の男子高校生に抱え上げられていた女の子は顔を真赤にしていた


「わ、私は大丈夫ですから!離してください!」


そう言うとすぐに俺達を振りほどき、そのままプールサイドに上がった


それにしてもコイツらは本当にどうしようもない…事故とはいえ一般人に危害を加えるなんて…


そう思っていた時、茉莉花の声が聞こえた


「本当に申し訳ない」


茉莉花の方を見ると溺れていた少女に深々と頭を下げていた、見たこともない真剣な表情だった


「……」


それを見た俺達も、真剣な顔になった


「俺達がふざけたばっかりに、こんなことになって…本当にすまなかった」


社長がそう言うと俺達全員で頭を下げた


すると女の子は俺達に言った


「い、いえ!私は本当に大丈夫ですし、実はワニにも気づいていなくて…急に人がいなくなったことにびっくりして焦って泳いでいたら…足をつっちゃって」


俺達は彼女の話を真剣に聞いていた


そして彼女は続けて口を開いた


「そ…それに…お兄さんたちすごくかっこよかったです…好きになっちゃったかもしれません…」


「「「!?」」」


「助けてくれてありがとうございました!失礼します!」


彼女はそう言い残し姿を消した


そして女子中学生に告白された男子高校生(約1名中身はアラサー)たちは頭を下げたままカチカチに固まっていたのだった…



























評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。