表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
61/61

狼とハサミに御用心?

「さて、と」


 おじぎを終えたハルミはスタンドマイクを手に取ると、ふたたびストッパーをゆるめて手早くマイクの高さを調節した。

 それからさとみの後を追って、舞台そでに向かって小走りにもどって行く。


 入れかわるようにして、


「どうも―!極太エースと申します―!」

 と拍手をしながら舞台に現われる、ショッキング・ピンクのスーツを着た伽美亜(きゃびあ)とコバルトブルーのスーツを着た闘龍風(とりゅふ)


「いやー、今日のお客さんは……」

 と、あいさつをしながらマイクの高さの調節をはじめた伽美亜の顔が、


「え……?」


 つぎの瞬間、(こお)りついた。


 あきらかに自分たちよりも背の低い「さとみ・はるみ」が使った後のマイク。

 その高さが、自分たち双子の兄弟たちのアゴ下十センチの位置に、ぴったりと合っていたからだった。


 それに気がついた弟の闘龍風も、


「あ……」


 ポカンと口を開けて固まっている。


 自分たちよりも明らかに背が低いコンビのすぐ後の出演である。

 きっと舞台に出た後にマイクの高さを自分たちのアゴ下まで上げるイメージ・トレーニングをしながら、出番を待っていたのだろう。

 なまじ舞台に慣れていたせいで、出鼻をくじかれてしまったらしい。


「えーと……」


 完全にリズムをくずして、立ちつくしている双子の兄弟。

 その様子を舞台そでからながめながら、


「ほんっと、気が()くわよねえ、あんたって」

 と、笑いをかみ殺すさとみに、


「でしょ?」

 と、ハルミは片目をつぶって見せた。


☆ ☆ ☆


 もしも土曜日と日曜日にしか開いていないお店を見つけたら、用心したほうがいい。


 入り口に狼とハサミの紋章(もんしょう)のついた看板が掛けられていたら、なおさらだ。


 うかつに扉を開いたら、とんでもない冒険に巻きこまれてしまうかもしれないよ?


〈完〉


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ