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積み上げた努力にふさわしい場所

 その舞台が始まる一ヶ月前。


「あたしともう一度、舞台に立ってほしいの!」


 開店第一号の客として招かれた、ウォルフィの店。

 そこで再会した相方のさとみに、ハルミはもう一度コンビを組んでくれるように説得した。


 これ以上、わたしたちのように嫌な思いをする人たちを増やさないために。

 同じあこがれを抱いて努力を重ねている仲間たちを、失望させないために。


「それができるのは、嫌がらせを受けた本人であるわたしたちしか、できないことだと思うの」


「……確かに」

 ハルミの話を聞き終えたさとみはうなずいた。

「もしも、これを当たりまえのことにしちゃったら、漫才そのものがくだらないものだと思われてしまうかもしれないしね」


 戻ろう。

 二人はうなずきあった。


 もう一度、あの場所をあこがれの場所にするために。

 自分たちが積み重ねた努力に、ふさわしい場所にするために。


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