六通目 運命を変える力の行方
運命を変える力を求める者へ
ここに祭られていた理の要石と言うものだ。
……そして、この石は絶対使ってはならない。
これは、全ての輪廻を拒絶出来る代わりに、
自身の存在そのものを、
この世界から拒絶される最悪の代償を受ける事になる。
この世の全てのものから、
自分の存在そのものが消えてしまうのだ。
だが、御神体との宿命を立ち切るには、
この石を青龍の槍で割る以外に方法は無い。
私はそうなってでも、
子供たちの未来を守りたいと思っていた。
だが、青龍の槍はどこにも無い。
だから、この危険な石は摩周湖の水中遺跡に隠す事にした。
もし、石を探してここに訪れたのであれば、この石は探すな。
どんな理由があろうとも、理の要石は使ってはいけない。
ただし、伝承が実現する可能性があるとすれば、
この石の力無しでは考えられない。
御神体のエネルギーは、理を逸脱した力。
それを正す二つの剣もまた、
理を逸脱した力を持つものと考えられるからだ。
この世界が崩壊した時、
それを正せる可能性として、
この石の在りかをここに残す。
二人が自らの手で、
運命を切り開く事が出来る、
最後の希望として。
私は、結局何も出来なかった。
理の要石を水中遺跡に隠し、
千引の霊石と水の碑石を元の場所に戻した後、
青龍の槍が見つかる可能性がある沖縄へ向かおうと思う。
朱雀の弓で最大の禁忌が起こせる、太陽の石と共に……
私は、
運命を変えられる可能性があるその槍に——
最後の希望を賭けようと思う。
それが、今の私に出来る精一杯だ。
朱音、すまない。
おまえの願い、叶えることが出来なかった。




