表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
66/66

第65話 『上等だ、クソ共』

リリスを打倒した翌日のことだ。


あの戦いで左腕を失い、意識不明に陥ったカイルは、イザナたちによって治療院へと運び込まれた。

幸いにも腕の傷口は綺麗だった為、腕は接合され、重傷ではあるものの命に別状はない。


そして……カイルの意識が、ゆっくりと浮上する。


重い瞼を押し上げると、見慣れない白い天井が視界に入った。


……ここは、治療院か……? リリスは……どうなった……? いや、倒したかどうかは分からねえが……この様子だ、なんとかはなったんだろう。

体は鉛みてえに重いが、痛みはない……それに、左腕がある……? 確か、あの時……リリスとの戦いで、俺の左腕は吹き飛んだはずだが今は、何事もなかったかのように繋がっていやがる……。


……イザナ、か?


まあ、この回復力だもんな、あいつ以外に思い当たる奴もいねえしな。


そう結論づけた。その時、病室の入口から気配を感じた。


……重傷だろうが、人の気配くらいは分かるぜ、これでも現役だ。




カイルはベッドに横たわったまま、首だけを入口へ向けると……

そこに立っていたのは……テオドールだった。



 

「……あ?」


とりあえず声は出た。


……ってか、なんだこいつ、いつもの軽口が出てこねぇーじゃねえか、なんかやましいことでもしたのか?


テオドールはそのまま俯き……


「……俺は、何もできなかった」


……ああ、なんだ。そういうことか。てか、そういう顔するかよ。


「……まあ、気にすんな」


あのダンジョンで、最後まで立っていられた人間がどれだけいたか分かってる。

そして、プライドの高いテオドールでも、自分の立ち位置は理解したらしい。

まあいいや、こいつなりに色々悔やんでることもあるんだろう。


 


……わざわざ、俺が言うことでもねえ。

あとは、こいつの問題だしな。



 

そんな、しんみりした空気をぶち壊すように、壁面に設置された通信魔具が発光し、無機質な声が病室に響き渡る。


「ギルド本部より通達。カイル・ハーランドの戦闘功績を評価し、冒険者ランクをC級からA級へと昇格する」


「……はぁ?」


意味が分からねえ。戦いはしたがそこまで決定打を与えた覚えはない。


「なお、当該戦闘における功績は規定基準を著しく逸脱しているため、通常の昇格過程を全て省略し、B級を経由しない特例昇格を適用する。カイル・ハーランドを正式にA級冒険者として認定する」


 

……おかしい。


憶測だが……リリスを仕留めたのがイザナなら……ヒーラーってだけで評価を渋って、功績を俺に回したか?

……それとも、メイカの推薦か?


まあ、どっちにしろ。


「断る」


カイルは即答する、間は置かない。


「……何度も言わせるな。貴族に媚びる気はねえ」


「例外は――」


「知るか! それと今回の功績は俺だけじゃない! イザナや他の連中の報告はどうなってる!」


「該当する報告は確認されていません」


その一言を聞きカイルはゆっくりと息を吐き……冷笑した。


「……そうか」


なるほどな、どういう仕組みでこうなったのか、誰が、何を、どう扱ったのか……全部、見えちまった。

これは天命因子を使わずとも大体予想つく。


「じゃあ、言っておくが、俺はな、評価が欲しくて戦ってるわけじゃねえ。それに、死にかけたのは俺だけじゃねえ。あの場にいた連中は、全員そうだ。実際死んだやつもいた」



 

……脳裏に、あの戦いがよぎる。




「それを、都合よく切り取って、都合よく俺に押し付けて……か? いいか……よく上に伝えとけ――お前らはクソだってなぁッ!!! 舐めてんじゃねえぞッ!!」


そして、カイルの怒声と共に通信は切断された。

イザナ「少し更新が止まっていたな。部署異動やらでバタついてたが、それでも読んでくれて本当にありがとう。

春は何かと忙しい時期だし、みんなも大変だと思うが無理はするなよ!! GWあたりから、また少しずつ書き溜めていくからこれからも応援、よろしく頼むぜ!!」




お読みいただきありがとうございます。

ぜひブックマークや評価などをお願いします。

評価は下方にある評価欄の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にして頂けますと執筆の励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ